教会代表者懇談会

西日本主教教区「教会代表者懇談会」が、豊橋正教会を会場に、10月11日(月・祝)開催されました。テーマは、「信者を増やす−−信仰継承と宣教」、「教会財政の確立」。

当日は、名古屋正教会管轄司祭ゲオルギイ松島師の司会進行により、「自らの教会との繋がり」を糸口として、「教会を身近に感じることになった思い出」や「最近嬉しく感じたこと」等、思い出や身近なエピソードを出席者全員が語り合う形で懇談が進められました。

懇談の中で、「教会で『しあわせ』と感じることが出来ることの大切さ」がキー・ワードとして挙げられ、「その喜びを各家庭で口に出して伝え分かち合うこと」、「家庭の聖像の前で共に祈ること」、また、「聖像の前で祈る姿を家族の目に焼き付けること」が、何時の時代にも信仰継承の根幹であることが再確認されました。

子供達が教会に参祷した時に「面白い」と感じられることも大切と指摘され、その工夫として、もちろん教会学校という取り組みもあるものの、それ以上に子供達の役割を与えて聖体礼儀そのものに参祷することの大切さが指摘されました。男の子は「堂役」、女の子は「献灯ローソクの管理」や「記憶聖パン運び」等と教会の中で自分の『役割』を持つと、大人が考えるような義務として重荷に感じるのではなくて、子供はそれを楽しんでしている面もあると紹介されました。

また、正教会の信仰習慣は「『やっていくうち』に憶え受け継がれるもの」ではあるものの、はじめの『躓き』とならないためのガイダンスを教会報等に掲載した例が紹介されました。

そして、外部への宣教についても、「聖歌」や「聖像」、「奉神礼」、「聖堂」、「聖師父」、「文学」等、正教会が伝統的に受け継ぐ様々な『良いもの』を、「喜び」として積極的に伝えることが大切ではないか、と指摘されました。

また、教会財政・運営については、信徒による定額献金がその根幹であり、所属信徒戸数の大きな教会では定額献金協力率の向上が直近の課題であることが確認され、そのための各教会での取り組みが伝えられました。

中でも、各信徒家族で定額献金について伝えることが最も大切であり、「学業を終えて新社会人になる孫に、『教会の定額献金も無理のない額で良いからよろしくね』と半ば反発を覚悟で声を掛けた所、にっこり笑って『いいよ』と答えてくれ時にこの上なく嬉しく感じた」というエピソードは、出席者全員を勇気づけました。

最後に局長・小野から、ニコライ大主教を補佐するため来日しながら体調を崩し短期間で帰国した聖アンドロニク主教が帰国に際し異教の地に生きる日本人正教徒に遺した言葉が、今日の私達にも共通する言葉として紹介され、謝意と今後の各教会・教区活動への協力を願う言葉で懇談が結ばれました。聖堂での閉会祈祷と写真撮影の後、散会しました。

翌十二日に開催された「教区専従教役者会議(司祭会議)」では、懇談会での提言を生かすために協議が行われました。

☆ 聖アンドロニク大主教の教訓 ☆

「各自の力に応じてハリストスの言葉を熱心に伝えなさい。自分が信じる教えを話し、詳しく聞きたいという人を教会に連れてきなさい。」
「自分の子供達にハリストスの教えと教会の習慣を教えなさい。」
「家庭で正教の習慣を実践し、その為の手間や費用を惜しんではいけません。」
「家庭では、それぞれの部屋に聖像を掲げなさい。」
「聖像の前には灯明を灯しなさい。それにより敬虔さを養うことが出来ます。」
「教会の事、伝道の事、聖堂や会堂を慮る事、教職を助ける事には、決して吝嗇(けち)であってはなりません。」
「常に主の仁慈を想い、教会の為に尽くしなさい。」