教区定例学びの会 神戸
「勝利者ハリストス」 

53(土・祝)、神戸正教会において教区定例学びの会が開催され、名古屋教会の松島神父が「勝利者ハリストス〜ニコデモの福音書を手がかりに」という題でお話をしてくださいました。

 新約聖書外典の一つである「ニコデモの福音書」の第三部には、ハリストスの冥府下りについて描かれています。ハリストスは冥府に下ることで、冥府の扉、かんぬきを壊し、冥府そのものを破壊しました。このような救いのイメージを、正教会は教義として受け入れた訳ではありませんが、それは私達の救いに関して豊かなイメージを与えてくれます。また、復活祭の「金口イオアンの説教」や「聖大スボタの早課」の祈祷文やそこで行われる十字行など、私達は奉神礼においてそのイメージを体験しています。

 それに対して西方教会では、「ハリストスの冥府下り」を教義として受け入れました(「使徒信経」)が、やがて近代になってこの教義は「非神話化」され、単にハリストスの受難の悲劇性を象徴しているものと捉えられました。

 ここから松島神父様はハリストスの受難、十字架を一方的に強調する傾向の強い西方教会と、ハリストスの十字架と復活を一体のものとして捉えともに強調する正教会の救いに関する考え方の違いを説明されました。

 この学びの会には、16名が参加し、神戸教会の信徒だけではなく、大阪教会、京都教会の信徒、それから未信徒の方も出席しました。