西日本教区公会(6/18

去る六月十八日(日)、ダニイル府主教座下臨席の下、西日本主教教区通常公会(教区会議)が大阪ハリストス正教会を会場として開催されました。

司祭会議・理事会1617日)

  公会本会議開催に向け、十六日(金)午後二時から六時三十分まで、ダニイル座下から開催の祝福を得て教区内専従教役者六名が集まり「教区専従教役者会議」を開催し、新年度教区活動に向けた熱心な討議を行いました。

  十七日午後には、会計監査に続き、ダニイル府主教座下をお迎えして午後二時、理事会開会。初めの講話で府主教座下は、教団諸規則検討委員会の数年の協議を経た「日本ハリストス正教会憲法[改正案]」「宗教法人『日本ハリストス正教会教団』規則[改正案]」、および「教団『土地建物等管理規程及附属内規』」を配布し、解説を加えながらお話し下さり、指針を示されました。

  続いて、「業務報告・計画」、「教団設置委員会報告(全国宣教委、献金委、諸規則検討委)」、「決算報告・予算案説明」があり、全て原案通り本会議に掛けることを決議しました。また、名古屋正教会新聖堂建設用地取得について報告がありました。

  前晩祷は、五時からイオアン小野司祷、ニコライ松田光剛輔祭(大阪)陪祷、各教会理事と地元大阪教会信徒の単音聖歌により献じられました。誦経は、晩課をハリトン小杉昌種誦経者(大阪)、早課をサムイル尾又慎一誦経者(神戸)、一時課をアレクシイ小野成信誦経者(京都)が担当しました。

教区公会本会議18日)

 本会議当日の六月十八日は、はじめに府主教座下司祷、教区内六司祭陪祷により主日聖体礼儀が献じられました。誦経は、三時課をシメオン増田副輔祭、六時課をグリゴリイ伊藤副輔祭(名古屋)。説教はパワェル松井貢治伝教師。聖歌指揮はマリナ竹中満里子姉(大阪)。教区全体の取り組みである『会衆参加の奉神礼』の実践として、大阪正教会聖歌隊に各地信徒も加わって聖歌を歌い聖体礼儀を献じました。神品領聖時の領聖詞では、ミロン水口勇毅くん(12歳)の美声が華を添えました。

  十字架接吻に際し府主教座下から大阪正教会に、宝石飾り付手描き聖像一対(ハリストスと生神女)が下賜され、ゾシマ西澤執事長とエカテリナ柿倉清子婦人会長が捧持する両聖像に参祷者は感謝の心を以て接吻しました。その後、聖堂隣に建設された石造りの『納骨堂』の成聖式が、ダニイル府主教座下により執行されました。

  午後一時四十五分から信徒会館ホールにて公会本会議。副議長にパワェル及川師、ミハイル佐藤孝雄兄が選任され、議事が進められました。

  公会訓示(開会の言葉)に際しダニイル府主教座下は、聖大ワシリイによる聖体礼儀から『聖、聖、聖なる哉、主サワオフ〜』が歌われる時の祝文(黙誦祈祷文)を取り上げ、『聖体礼儀のベース』と題した資料で脚注と用語解説メモにより祝文の内容を詳しく解説することを通して、教会・教区の活動のあるべき姿と指針を示して下さいました。

  資料では、この祝文が「序」「旧約」「預言」「新約」「聖奉事」の構成でまとめられていることを図示。「『神の像』をもって尊くされ『地堂(楽園)』に置かれながらも神に背き地堂から追い出された『人』が、領聖を通して『神(霊)』を回復し、ハリストスの中に復生(『始め』に回復)することこそ聖体礼儀の根底・核心であることが祝文に込められている。教会は、壊した神の像の回復、『神(霊)』の回復である『領聖』のための場であり、教会の存在意義はそこにある。それをよく認識して各教会・教区の活動を進めて行こう」と指針を示されました。

  続いて「業務報告・計画」、「教団設置委員会報告(全国宣教委、献金委、諸規則検討委)」、「決算報告・予算案上程」があり、全て原案通り承認されました。

新年度活動と役員

  当教区恒例となった「OCJ西日本・冬季セミナー(二月)」は、来日中のゲラシム・シェスツォフ修道司祭を来賓講師としてロシア正教会の霊性に関する講演を頂く予定です。(教区神品講話は、イサイヤ酒井師)。また、過年度好評頂いた『参加型企画』として「誦経・聖歌研修会」を四月に大阪教会を会場として開催。また、福岡で『九州信徒懇談会』を開催します。

  信徒奉仕者の学びの機会として二〇〇二年に開講した「正教基礎講座」は、大阪教会を会場とした関西講座は『正教基礎講座・特講(特別講座)』を加えて三クラスとし、二〇〇四年に開講した東海講座と共に、二地域計四クラス体制に発展させます。「定例学びの会」は各教会で計六回開催します。

[定例学びの会。開催月、会場教会、講師]

  九月二十三日、名古屋、小野。十月、豊橋、及川師。十一月(聖歌の会)、人吉、松島姉。一月、柳井原、水口師。三月、神戸、松島師。五月、京都、松井伝教師。

  印刷物関係では、全頁カラー印刷A四版の教区報年二回発行の他、「正教基礎講座」テキスト二冊(「正教要理」「奉神礼」)、「日本正教会・明治史」を印刷刊行します。

西日本教区宗務局役員は全て留任となった他、昨夏のエリセイ渡邊正三兄永眠に伴い一名欠員となっていた会計監査に新たにニコライ山川正彦兄(大阪)が選任されました。[教務…松島師。庶務…水口師。宗務総局信徒役員…パワェル小田島嘉一郎兄(名古屋)。教区財務…ミハイル佐藤孝雄兄(京都)。会計監査…アルセニイ三井治郎兄(豊橋)、山川兄(大阪)。局長…小野]

「九州北地域」管轄変更

  旧小倉正教会の名残としての「九州北地域」は、大阪管轄や九州管轄を経て近年は神戸管轄として教職者が訪問し家庭集会等を行って来ました。昨今、熊本正教会等に参祷する福岡市周辺在住信徒や留学生が増えて及川師が家庭訪問を行う事例が増加したことにより、九州北地域の管轄を人吉正教会に変更する請願が及川師からありました。府主教座下決裁により、九州北地域を人吉正教会(及川師)管轄とする旨発表されました。

「宣教資金(積立金)」趣旨

  二〇〇五年度教区公会でも質問があった「宣教資金(教区積立金)」のあり方については、教区内各教会への貸付や、教区主教を将来推戴する時に安定した活動が行えるよう当面五千万円を目標として積み増す方向を教区教職者会で申し合わせたことが報告され、各教会に理解と協力が求められました。

質疑応答を経て、夕四時半に本会議終了。信徒会館玄関ホールに会場を移し、大阪教会婦人会心尽くしの手料理による立食形式での夕食懇談会では、旧交を暖めつつ新年度教会活動の情報交換や各教会信徒間交流についての話に花が咲き、夕六時に今年の西日本主教教区公会の全日程を終えました。この場を借り、大阪正教会関係者各位に御礼申し上げます。

(司祭イオアン小野貞治記)