西日本主教教区 冬季セミナー 開催 2月11日


二月十一日、毎年恒例になりました冬季セミナーが大阪教会で開催されました。西日本主教区の各教会から80名の方々が参加され、午前と午後の講演を熱心に聴講されていました。

 午前は大阪教会管轄司祭の水口神父様が「正教会訳聖書のすばらしさ」という題でお話くださいました。現在、日本正教会が使用している新約聖書は、明治時代にニコライ大主教様と中井木菟磨師が六年を費やして翻訳されたものです。講演では、お二人が良い物を作るために、出来る限りの知恵と体力を惜しみなく捧げた様子を当時の正教新報や中井木菟磨師の日記から解説していただきました。    
また、正教会訳聖書の言葉はとても難解なように思えますが、実は原語のリズムにたいへん似たように訳されていることを教えていただきました。聖人となられたニコライ大主教様が、心血を注いで日本に数々の祈祷書を残してくださったことを、改めて感謝しました。

 昼食をはさみ、午後は東京復活大聖堂(ニコライ堂)付き輔祭パゥエル中西裕一師の講演がありました。輔祭様はギリシャのアトス山に何度も行かれており、今回は五ヵ月間の滞在から学んだことを写真や資料を使ってお話し下さいました。滞在期間は大斎であったため、食事の制限や祈祷時間の長さは半端ではなかったようです。修道院の一日の様子や修道士たちの日常の生活、そして彼らの一生の最後などを輔祭様の見たまま、感じたままをお話いただき、私たちの心にも強く印象的に残りました。(写真下)

 講演の最後には、参加者からのご意見や質問がたくさんあがりました。正教会訳の聖書が大事なことはわかっても、印刷の読みづらさや難解な漢字をどうにかして欲しいという率直なご意見もあり、これに関しては全国宣教委員会のレベルで検討していただくことになりました。また、アトス山は女性の入山が禁止されているため、代りになるような所はないかという女性の方からのご質問もありました。滞在中に一番印象に残ったことを聞かれ「始めのうちは聖堂の入り口で立っていたのが次第に中のほうに立つようになり、最後には輔祭として宝座の前で領聖することが出来たこと」と熱い思いを思い出すように話して下さり、その素晴らしさを私たちも少し感じることが出来た気がします。各教会の方々とも交流でき、有意義で楽しい一日でした。

(大阪教会 オリガ水口敦子姉 ご寄稿)