2005年度「通常全国公会」開催

去る七月九・十日(土・日)、日本ハリストス正教会教団「通常全国公会」が東京ニコライ会館ホールにて開催されました。

ダニイル府主教座下は、始めの訓示で「神・聖神(聖霊)の導き」について取り上げ、次のように指針を示されました。 

「聖神には、四つの働きがある。@神の霊。救いの道を示す力。A生命のこもったもの。Bある目的に仕える力。既にある倫理に照らし、不正を正す「忠告の風」。C霊の力。善に働く力。

イイススは、『わたしが去って行かなければ、あなたがたのところに撫恤者(なぐさむるもの、助け主)はこないであろう(イオアン167)』と撫恤者について預言された。撫恤者(o παρακλητο?,ホ・パラクリトス)の語源には諸説あるが、 動詞παρακαλεω(パラカレオ)『呼び寄せる』との関連は密である。イイススが昇天された後、『呼び寄せる』撫恤者の恵みを受けた使徒たちは、伝道者として『呼び寄せ、伝える』者となったのである。

教会は『聖神の団体、救いの団体』として聖神に満たされ、聖神の恩寵(恵み)の中に、『呼び寄せ、伝える』者とならなければならない。宣教のあるべき姿は、そこにある。『天の王、慰むる者や〜』という祈りの言葉をかみしめ、聖神の導きの下、神品・信徒共に福音伝道に努力して行こう(要旨)」と呼びかけられました。また、ダニイル府主教座下は、公会の開催頻度について、三〜四年に一回であるロシア正教会やアメリカ正教会の例を挙げ、日本正教会の公会の持ち方も、今後具体的に検討したいとの考えを示されました。

加えて、一昨年教団境内地主教館内に整備された男性独身者(修道志願者)修養施設に、現在二名の修道見習いが生活していること。ロシア正教会・至聖三者・聖セルギイ修道院から修道指導者としてゲラシム修道司祭(31歳)を招聘予定であること。同師は東京滞在経験のあるアレクセイ・ポタポフ兄から既に一年以上に渡って日本語を学んでおり、今年九月頃から一年間来日する予定であることが発表されました。

宗務総局報告はじめ、教団設置三委員会「全国宣教」、「教区献金」、「諸規則検討」の報告、決算・予算案の承認と議事が進みました。

閉会訓示でセラフィム主教座下は、「日本正教会の公会は、明治初期には『布教会議』であった。教会の歩みと共に運営面での議題が増えていったが、『布教会議』としての公会の本質を我々は忘れてはならない。伝道活動が一朝一夕になし得ないことは衆知のことである。しかし、我々は伝道の困難に立ち向かい前進して行かねばならない。聖神降臨の大切な主題に『一致と多様性』がある。日本正教会の一致の象徴は、首座主教である。聖神の導きを祈りながら、ダニイル府主教座下のもと、三教区力を合わせて教会活動に臨んでいこう(要旨)」と呼び掛けられ、亜使徒・聖ニコライへの小感謝祷を献じて、本年度の公会が結ばれました。

各地教会修復新築

 過年度完了分 

○涌谷正教会会堂新築・成聖(1017
○釧路正教会会館新築・成聖(103
○修善寺正教会台風罹災、聖堂・会館修復。

 工事中、今秋竣工予定 

○函館正教会、会館新築工事。
○盛正教会、会館新築工事。

 教役者人事(過年度一年間) 

◎ステファン桑原建夫師、輔祭・司祭叙聖3613)小田原正教会管轄。東京復活大聖堂教会補助司祭。
◎アファナシイ盛田賢三師、輔祭叙聖(125)。東京復活大聖堂教会。
◎ディミトリイ田中仁一神学生、輔祭叙聖(626
◎公会に際しての新たな異動・転任はなし。

 昇叙・祝福 

  金十字架祝福 

○ダワィド水口優明師(大阪)
○ゲオルギイ松島雄一師(名古屋)

  長輔祭昇叙 

○キリイル生方和彦師(横浜、自給)。