病者平癒の祈祷


病者平癒の祈祷

 我等の神は常に崇め讃めらる今も何時も世々に
 アミン
  我等の神や光栄は汝に帰す、光栄は汝に帰す
  天の王慰むる者や、真実の神、在らざる所なき者、満たざる所なき者や、萬善の寶藏なる者、生命を賜うの主や、来たりて我等の中に居り、我等を諸の穢より潔くせよ、至善者や我等の霊を救い給え
  聖なる神、聖なる勇毅、聖なる常生の者や、我等を憐めよ(三次)
  光栄は父と子と聖神に帰す、今も何時も世々に、アミン
  至聖三者や我等を憐めよ、主や我等の罪を潔くせよ、主宰や我等の愆を赦せ、聖なる者や臨みて我等の病を癒し給え、悉く爾の名に因る
  主憐めよ(三次)
  光栄は父と子と聖神に帰す、今も何時も世世に、アミン
  天に在す我等の父や、願わくは汝の名は聖とせられ、汝の国は来たり、汝の旨は天に行わるるが如く地にも行われん、我が日用の糧を今日我等に與え給え、我等に債ある者を我等免すが如く、我等の債を免し給え、我等を誘に導かず、猶我等を凶悪より救い給え
 蓋国と権能と光栄は汝父と子と聖神に帰す、今も何時も世々に
 アミン
  主憐めよ(三次)
  光栄は父と子と聖神に帰す、今も何時も世世に、アミン
  来たれ我等の王神に叩拝せん
  来たれハリストス我等の王神に叩拝俯伏せん
  来たれハリストス我等の王と神の前に叩拝俯伏せん

    第七十聖詠
  主よ我汝をたのむ願くは我世々に恥を得ざらん汝の義によりて我を助け我をのがれしめ汝の耳を我に傾けて我を救い給え。我が為に堅固なるかくれがとなりて我に常にかくるるを得しめ給え。汝は我を救わんことを命ぜり蓋爾は我が固め我が力なり。我が神よ我を悪者の手より不法者及び迫害者の手より救い給え。蓋主神よ汝は我の望なり我がいとけなきより我のたのみなり。我はらまるる時より汝に守られ汝我を母の腹より出せり我汝を讃め揚げてやめざらん。多くの者の為に我奇怪の如き者となれり。しかれども汝は我の堅き望なり。願くは我が口は讃美に満てられて我汝の光栄を歌い日々に汝の威厳を歌わん。我が老ゆる時我を棄つるなかれ我が力衰うる時我を残すなかれ蓋我が敵は我を論じ我が霊を伺う者は相謀りて言う、神は彼を棄てたり追いて彼を捕えよ、救う者なければなり。神よ我に遠ざかるなかれ我が神よ速やかに我を助け給え。我が霊に仇する者は願くははづかしめられて消えん、我を害せんと謀る者は願くははづかしめとあなどりとを被らん。唯我常に汝をたのみ益々汝を讃め揚げん。我が口は汝の義を伝え日々汝の恩を伝えん蓋我その数を知らず我主神の力を思い汝の義独り汝の義を記憶せん。神よ汝は我がいとけなきより我を教え給えり我今に至るまで汝の奇跡を伝う。神よ年老い髪白きまで我を棄てずして我が汝爾の力を此の世に汝の権能を凡そ将来の者に伝うるに及べ。神よ汝の義は極めて高し。汝大なる事を行えり神よ誰か汝にくらぶるを得ん汝は多く且つはげしき苦難を我につかわせりしかれども又我を生かし又我を地のふちより引き出せり。汝我を挙げて我を慰め我を地のふちより引き出せり。我が神よ我琴を以て汝と汝の真実とを讃栄せんイズライリの聖なる者よ我しつを以て汝を讃しょうせん我汝に歌う時我が口は喜び汝が救いし我が霊も喜ぶ我が舌は日々に汝の義を伝えん蓋し我を害せんと謀る者は恥を被りはずかしめを受けたり。
  光栄は父と子と聖神に帰す今も何時も世々にアミン
  アリルイヤ(三次)神よ光栄は汝に帰す、光栄は汝に帰す(三次)

  (次に信経を病者自ら読む、病者能わざる時は司祭此読む)
       信   経 
  我信ず一の神父全能者、天と地見ゆると見えざる萬物を造りし主を、又信ず一の主イイススハリストス神の独生の子、よろず世の先に父より生まれ、光よりの光、真の神よりの真の神、生れし者にて造られしに非ず、父と一体にして萬物彼に造られ、我等人々の為、又我等の救の為に天より降り、聖神及び童貞女マリヤより身を取り人となり、我等の為にポンテイピラトの時十字架に釘うたれ、苦を受け葬られ、第三日に聖書にかないて復活し、天に昇り父の右に坐し、光栄を顕して生ける者と死せし者とを審判する為にまた来たり、その国終なからんを、   又信ず聖神主生命を施す者父より出で、父及び子と共におがまれ讃められ、預言者を以てかつて言いしを、又信ず一の聖なる公なる使徒の教会を、我認む一の洗礼以て罪の赦を得るを、我望む、死者の復活、並に来世の生命をアミン

       大 聯 祷
 我等安和にして主に祈らん
 主憐めよ
 上より降る安和と我等が霊の救の為に主に祈らん
 全世界の安和と神の聖なる諸教会の建立、及衆人の合一の為に主に祈らん
 此の家と諸方とに於て諸教則を堅く信じ、守る者の為に主に祈らん
 汝の僕(婢)某の自由と不自由との悉くの罪を赦して、此に仁慈を賜わんことを主に祈らん
 汝の憐によりて彼の若き時の罪過と知ると知らざるの罪を記憶せず、仁慈を以て彼に壮健を賜わん事を主に祈らん
 我等今祈る所の汝の僕の熱心なる祈祷を軽んぜず仁慈を以て聞き入れ、その罪を寛恕し、此れに仁慈をたれて、壮健を賜わん事を主に祈らん
 かつて汝が恩寵を以て病者を癒せし如く、病の床にある汝の僕(婢)某を速かに床より起し、壮健の者と為さんことを主に祈らん
 汝の聖神を以て彼に臨み、彼の中にある諸の疾病を癒さんことを主に祈らん
 アナニヤの女の声を聞きたるが如く、仁慈を以て我等汝に呼べる当らざる僕婢の祈祷を聞き、彼の女の如く病の床に臥す汝の僕(婢)某を憐み、その病を癒さん事を主に祈らん
 我等諸の憂いと怒と危きとを免るるが為に主に祈らん
 神や汝の恩寵を以て我等を助け救い憐み守れよ
 至聖至潔にして、至つて讃美たる我等の光栄の女宰生神女、永貞童女マリヤと諸聖人とを記憶して、我等己の身、及び互いに各々の身を以て、並に悉くの我等の生命を以てハリストス神に委託せん
 主爾に
 蓋汝は至仁にして人を愛する神なり、我等光栄を汝父と子と聖神に帰す、今も何時も世々に
 アミン

 主は神なり我等を照せり、主の名によりて来る者は崇め讃めらる
 同
 主を尊み讃めよ、彼は仁慈にしてその憐みは世々にあればなり
 主は神なり云々
 工師が棄てし所の石は屋隅の首石となれり、此れ主の為す所にして我等の目に奇異なりとす
 主は神なり云々

       トロパリ(第四調)
  独り仁慈にして、人を助くるに速かなるハリストスや、天より速かに汝の病める僕(婢)某に臨み、此を病より救い、此を癒して汝を歌わしめ、独り仁慈なる生神女の祈祷によりて、常に汝を讃揚せしめ給え
       コンダク(第二調)
  かつてペトルのしうとめ及病の床に携え来られたる病者に救を顕せし如く、病の床にふせる者及び死に至るのきづを負い苦しむ者に臨み、此を癒せよ、蓋汝は独り仁慈にして、我等のわずらいと諸の病を負う者なればなり

 謹んで聞くべし
 衆人に平安
 叡智

 ポロキメン、主や我を憐み給え、我弱ければなり、主や我を医し給え、我が体は慄ぐ
 同
 蓋死の中には汝を記憶するなし
 主や我を憐み給え云々
 主や我を憐み給え、我弱ければなり
 主や我を癒し給え、我が体云々

 叡智
 聖使徒イアコフの公書の読み
 慎んで聞くべし
       書  札(イアコフ公書5:10〜20)
 兄弟よ、主の名によりて言いし諸預言者を以て、苦難とこう忍とののりとせよ。視よ我等は忍耐せし者を幸なりとす。汝等かつてイオフの忍耐を聞き、且主の如何にこれを終えしを見たり、蓋主は至仁にしてきょう恤なり。我が兄弟よ、首として誓を発するなかれ、或は天を以て、或は地を以て、或は他物を以て誓うなかれ、汝等ただぜを以てぜ是となし、否を以て否となすべし、恐らくは罪に陥らん。汝等の中に苦しむ者あらば祈祷すべし、楽しむ者あらば聖詠を歌うべし。汝等の中に病む者あらば教会の長老等を招くべし、彼等主の名によりて、彼に油をつけて彼の為に祈祷すべし。信による祈祷は病める者を救い、主は彼を起さん、もし彼罪を行いしならば赦されん。汝等互に己の過を認め、又互に祈れ、いやされん為なり。蓋義者の熱心なる祈祷は多くの力あり。イリヤは我等と同情の人なりしが雨降らざらんことを切に祈りたれば、地に雨降らずして三年六月をへたり、又祈りたれば天は雨を与え地はその産を生ぜり。兄弟よもし汝等の中に真実の道より迷える者ありて誰かこれを正しきにかえらしめば知るべし、罪人をその迷える道よりかえらしめし者は霊を死より救い、多くの罪をおおわん。

 アリルイヤ(三次)
 主や汝のいきどおりを以て我を責むるなかれ
 汝の憐によりて我を救い給え

 叡智、謹んで立て聖福音経を聞くべし
 衆人に平安
 汝の神にも
 マトフェイ伝の聖福音経の読み
 主や光栄は汝に帰し光栄は汝に帰す
 謹んで聞くべし
       福  音(マトフェイ伝8:5〜13)
 彼の時イイスス、カペルナウムに入りし時、百夫長彼につきて求めて言えり、主よ、我の僕ちゆうぶうにて家にふし、苦しむこと甚し。イイスス彼に言う我行きて之を医さん。百夫長答えて言えり、主よ汝が我の家に入るは我当らず、ただ一言を出せしからば我が僕癒えん蓋我人の権に属すれども我が下に兵卒ありて我これに行けと言えば行き、彼に来れと言えば来り、我が僕にこれを行えと言えば行う。イイススこれを聞きて寄となし、従う者に言えり、我まことにに汝等に告ぐイズライリの中にも我かくの如き信を見ざりき、我又汝等に告ぐ多くの者東より西より来りてアウラアム、イサアク、イアコフと共に天国に席座し而して国の諸子は外のくら暗におわれんかしこには泣きと歯がみとあらん。イイスス又百夫長に言えり、行け汝の信ぜし如く汝に成るべし、この時その僕癒えたり。
 主や光栄は汝に帰し、光栄は汝に帰す

       重 聯 祷
 神よ汝の大なる憐によつて我等を憐めよ、汝に祈る聆き入れて憐めよ
 主憐めよ(三次)
 霊と体とを癒す者や、悲しむ心を以て切に汝にゆき、傷感の情を以て汝に呼ぶ汝の僕(婢)某の病を癒し、霊と体の諸の苦を治め且つ仁慈なるによつて彼の自由と自由ならざる罪過を赦し、速かに病の床より起し給え、汝に祈る聞き入れて憐めよ
 罪人の死を欲せず、信じて生きん事を欲する者や、仁慈にして爾の僕(婢)某を赦し及び憐み、病を禁じて悉くの苦しみ及びわずらいを去り、かつてイアイルの娘を病より起せし如く、汝の全能なる手をのべて彼を壮健になし給え、汝に祈る聞き入れて憐めよ
 ペトルのしゆうとめにふれて熱病を癒せし者や、今も仁慈にして苦しめる汝の僕(婢)某の病を癒し、彼に速かに壮健を与え給え、平癒の泉や、切に汝に祈る聞き入れて憐めよ
 エゼキヤの涙とマナシヤ及びニネビヤ人等の痛悔とダビイドの痛悔を受けて、速かに憐みし至善なる主や、切に汝に献ずる祈祷をも受け、痛く病める汝の僕(婢)某を仁慈を以て憐み彼に壮健を与え給え、生命と不死の泉や、涙を以て祈る、聞き入れて速かに憐めよ
 神我が救世主、地の四方と遠く海に居る者とのたのみや我等に聞き給え、主宰や、我等の罪に憐みをたれ、憐みをたれて我等を憐み給え、蓋爾汝は慈憐にして、人を愛する神なり、我等光栄を汝父と子と聖神に献ず、今も何時も世々に
 アミン

 主に祈らん
 主憐めよ
 主全能者、罰して死に至らしめず、衰えたる者を堅め、卑しき者を挙げ、人の形体の愁傷をなおす聖なる王、我等の神や、汝に祈る、病める汝の僕(婢)某を仁慈を以て顧み、彼の悉くの自由と自由ならざる罪過を赦し給え、ああ主よ、汝の癒す力を天より降し、形体にふれて病の力を消し、苦しみと悉くの害ある病をしずめ汝の僕(婢)某を癒し、彼を病の床より起して悪しくならしめず、全治を与え彼を汝の教会に喜ばれ、汝の旨を致す者と為し給え、蓋我が神や、我等を憐み及び救う者は汝なり、故に我等汝父と子と聖神に光栄を帰す、今も何時も世々に
 アミン

         (原文には無いが「病者領聖式」を行う場合はここで行う)

 叡智
 至聖なる生神女や、我等の為に神に祈り給え
 ヘルビムより尊くセラヒムに並びなく栄え云々
 ハリストス神、我等のたのみや、光栄は汝に帰す、光栄は汝に帰す
 光栄は父と子と聖神に帰す、今も何時も世々にアミン
  主憐めよ(三次)福を降せ
 ハリストス我等の真の神はその至浄なる母、我が克肖捧神なる神父と諸聖人の祈祷によつて我等を憐み救わん、彼は仁慈にして人を愛する主なればなり
 アミン


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