大斎第1週
第一週間の月曜日の早課
幇堂者は昧爽鐘を撞き、衆常の如く堂に集まる。夜半課を拜なくして歌ふ、但終に三大拜を爲す、「主吾が生命の主宰よ」の祝文と共に。此れ唯第一日のみ。聖大齋の他の日には全夜半課を十六拜と共に歌ふ、常例の如し。次に司祭起ちて首長に常例の拜を爲して、至聖所に入り、香爐を取りて聖寶座の前に立ち、十字形に爐儀を行ひて高唱す、「我等の神は恒に崇め讃めらる」。誦經者答ふ、「アミン」。司祭出でて爐儀を行ふ。誦經者は聖三祝文を拜なくして誦す。「天に在す」の後に司祭高唱す、「蓋國と權能」。「アミン」の後に、主憐めよ、十二次。「來れ我等の王」、三次、拜なし。第十九及び第二十聖詠を誦す。畢りて後聖三祝文、拜なし。「天に在す」の後に常例の讃詞。右の聖詠を誦する時、司祭至聖所及び全堂に爐儀を行ふ。
次に聯禱、「神よ、爾の大なる憐に因リて」。「又吾が皇帝」。「又敎曾を司る至聖なる會院」。高聲、「蓋爾は仁慈にして」。誦經者、「アミン」。又誦す、神父よ、主の名を以て祝讃せよ。司祭直に「光榮は一性にしに生命を施す」。當番の兄弟定位に立ちて
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深き注意と神を畏るる畏とを以て、直に見えざる神と對話するが如く、静に六段の聖詠を誦す。
何人も囁き、或は唾し、或は謦咳すべからず、卽手を膺前に交へ、首を垂れ、目を下に俯せ、心の眼を東方に向け、死と永苦と永生とを記憶し、己の罪の爲に禱りて、聖詠者の言ふ所を聽くべし。
第百二聖詠を誦し始むる時、司祭早課祝文を黙誦す。諸聖詠畢りて、光榮、今も、「アリルイヤ」、三次。次に大聯禱及び高聲。次ぎて爾詠隊更大聲にして傷感の情を以って「アリルイヤ」を歌ふ。句左の如し。第一句、神よ、我が神は夜中より爾を慕ふ、蓋爾の誡は地に在りて光なり。第二句、地に居る者は義を學べ。第三句、爾の民を憎む者は辱を承けん。第四句、主我が神よ、我等に平安を與へ給へ。毎句の後「アリルイヤ」を歌ふこと三次。次に聖三の讃歌を歌ふ、第一調に据る。第二章の前に光榮、第三章の前に今も。
【注意】
次に聖詠經の一の「カフィズマ」を誦文す。段の後「アリルイヤ」に我等三小拜を爲す、皆齊しく院長或は聖務長に從ひて之を行ふ。第一の「カフィズマ」の後に八調經の傷感の坐誦讃詞。次に聖エフレムの誦讀。蓋此の日より聖エフレムを始めて花の週間の金曜日に至る。
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第二の誦文の後に三歌經の坐誦讃詞、イオシフ師の作。第二調。
我等齋の神聖なる初實として傷感を獲て、靈を全うして呼ばん、主宰ハリストスよ、祈る、我等の祈禱を馨しき香爐の香として受け、我等を惡臭の腐敗と畏るべき苦惱より脱れしめ給へ、爾は獨寛容の主なればなり。
光榮、同上。今も、生神女讃詞。
慈憐の泉なる生神女よ、我等に憐を垂れ給へ、罪なる人人を顧みて、恒の如く爾の力を顯し給へ。蓋我等は爾を恃みて、昔無形軍の首ガウリイルの呼びし如く爾に呼ぶ、慶べよ。
又聖エフレムの誦讀。
第三の誦文の後に坐誦讃詞、フェオドル師の作。第二調
我等欣ばしく最尊き節制を始めて、ハリストス我が神の聖なる誡の光線、愛の光明、祈禱の光照、潔浄の美麗、勇毅の能力を以て輝かん、光を衣たる者として世界に不朽を輝かす三日目の聖なる復活に至らん爲なり。
光榮、同上。今も、生神女讃詞。
嗚呼神の母よ、我患難の中に爾の勝たれぬ祈禱を獲て、我を攻むる者より望に踰えて奇妙に釋かる。蓋爾は信を以て爾に求むる者に常に格りて多罪の暗を散じ給ふ。---------------------[大齋第一週間月曜日 早課 187頁]---------------------
故に我等感謝の心を抱きて爾に呼ぶ、女宰よ、僅なる感謝を受けて、之に易へて凡の事に於て我の助と爲り給へ。
次に「ラウサイク」の誦讀。第五十聖詠、及び常例の祝文、「神よ、爾の民を救ひ」。司祭高聲。其後「主に歌はん」を月課經の本日の聖人の規程の調に据りて始めて、「大水は壁の如く凝り」に至るまで、各詠隊歌頌の己の句を疾く誦す。是より諸句を十四段に分唱す。月課經の規程を「イルモス」と共に六段に歌ふ。次第左の如し。右列詠隊、「大水は壁の如く凝り」の句を誦して「イルモス」を歌ひ、左列詠隊第二の句「敵曰へり」を誦して、規程の讃詞を歌ふ。是より更序を逐ひて「其時、エドム」の句に至る。斯の句よりイオシフ師の三歌頌を始めて、四段に歌ふ。「主は王と爲りて」より又フェオドルストゥディト師の三歌頌を歌ふ。一の詠隊は讃詞を歌ひ、他の詠隊は第二の句及び讃詞を歌ふ。後兩詠隊合唱して、高調を以て光榮、三者讃詞、今も、生神女讃詞を歌ひ、次に最高調を以て、我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す、及びフェオドル師の他の讃詞を歌ふ、蓋讃詞は歌頌毎に五段あり。終に共頌に第二の規程の「イルモス」を歌ふ。
斯くの如く第八及び第九の歌頌を歌ふ。
第三歌頌は歌ふこと左の如し。
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右列詠隊「主は天に升りて」の句及び月課經の規程の讃詞を歌ふ。左列詠隊「彼は力を以て」及び月課經の規程の第二の讃詞を歌ふ。次に光榮、今も、規程の讃詞と共に。其後一の詠隊月課經の第三歌頌の「イルモス」を歌ひ、終に他の詠隊規程のイルモスを歌ふ。
第六歌頌も亦是くの如し。
第四第五及び第七歌頌を歌ふこと左の如し。
先ず月課經の規程のイルモスを歌ふべし。次に歌頌の末の二句を規程の讃詞に附唱す、并びに光榮、今も。歌頌の後に「イルモス」を歌はず、蓋之を歌頌の前に歌ふ。月課經の「イルモス」を規程の後に歌ふは唯第三及び第六歌頌のみ、蓋此の歌頌の始には「イルモス」を歌はず。月曜日を除く外、週間の他の日には第一の歌頌も歌ふこと第四及び第五歌頌の次第の如し。
三歌頌のある歌頌には規程の後共頌に三歌頌の「イルモス」を歌ふ、右に記ししが如し。
知るべし。全四旬齋には主日の外に八調經を用いずして唯月課經及び三歌經を歌ふ。三歌頌のなき歌頌には月課經のみを用いる。
第三歌頌の後に小聯禱を誦す。次に坐誦讃詞は聖人の一次、光榮、今も、生神女讃詞。
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及び「ラウサイク」の誦讀。第六歌頌の後に小聯禱。次に致命者の坐誦讃詞。
若し聖人の小讃詞あらば、之を此に誦して、致命者の坐誦讃詞を第一の「カフィズマ」の後の坐誦讃詞と共に誦す、神よ、爾は爾の聖所に於て嚴なりの附唱と共に。及び「シナクサリ」の誦讀。
規程及び三歌頌、イオシフ師の作。第二調。
第一歌頌、「人人よ來りて」。
此に預言者の第一歌頌を誦文す、
我今如何にして我が堕落を泣くべきか、我放蕩に日を送りし者は如何なる我が救の始を建つべきか。仁慈なる主よ、爾が知る所の法を以て我を救ひ給へ。
視よ、痛悔の時なり、視よ、救の日、齋の門なり。靈よ儆醒し、諸慾の門を閉ざして主を仰げ。
諸罪の狂瀾は起りて、我を失望の深處に引けども、我爾が憐の淵に趨り附く。主よ、我を救ひ給へ。
寛容なる言よ、我獨罪の奴隷となり我獨諸慾の爲に門を開けり。救世主よ、爾の仁愛を以て我を返し給へ。
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生神女讃詞、無慾の泉を生みし獨神の恩寵を蒙れる童貞女よ、諸慾に傷つけられたる我を醫して、永遠の火を免れしめ給へ。
又三歌頌、フェオドル師の作。同調、同イルモス。
人人よ、來りて、今日齋の賜を神より賜はりたる痛悔の時として受け、此の中に於て救世主の憐を得ん。
今勤勞の時臨み、齋の途開けたり。我等皆勇みて此に就き、諸徳を獻物として主に奉らん。
光榮、三者讃詞、單一にして三光なる惟一者、獨萬有の宰にして、能はざる所なく、萬物に生命を施す者、神及び主、全能なる父と子と聖神よ、爾を尊む者を救ひ給へ。
生神女讃詞、我等神の聖山たる無玷のマリヤを歌はん。彼より闇冥に居る者の爲に義の日ハリストス、萬有の生命は輝けり。
我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。
火の車は齋を装ひたる奇異なるイリヤを取り、齋はモイセイを言ひ難き事を見る者と爲せり。我等も之を受けてハリストスを見ん。
我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。
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アダムが食を食ひしに、不節制は彼を樂園より出せり。人を愛する主よ、我等齋を受けし者を悔改に合ふ者と爲し給へ。
イルモス、人人よ、來りて、海を分ちて、エギペトの奴隷より引き出しし民を過らせしハリストス神に歌を歌はん、彼光榮を顯したればなり。
第六歌頌に本調の致命者讃詞。
第六歌頌、「火の爐の中に」。
ハリストスよ、我快樂にて焚かれ、靈の目の昏まされし者を、爾を畏るる畏の火を以て新にして、救の光にて照し給へ、我が爾を萬世に讃榮せん爲なり。』
我が卑しき靈よ、諸慾に饜くことを惡み、諸善の甘美なる糧を以て己を養へ、快樂の苦きを避け、齋の甘きを樂しみて世世に存へよ
我靈の盲となり、諸慾の醉に昏まされて、爾惟一の神を仰ぎ見るを得ず。故に憐を垂れて我を照し、我が爲に痛悔の門を開き給へ。
生神女讃詞、地に屬する我等の朽ち易き性を天に屬する者と爲しし潔き者よ、爾の熱切なる祈禱を以て、我が祈我が願を爾と萬有との神及び王に向はしめ給へ。
又、イルモス、「昔火焰の中にエウレイの少者」。
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信者よ、我等喜ばしく齋の入るを迎へて、憂はしき容を爲さず、卽無慾の水を以て我が面を洗ひ、ハリストスを崇め讃めて、世世に讃め揚げん。
我等慈惠の膏を靈の首に塗り、言を多くせずして、天に在す我等の父に祈禱を獻げ、彼を崇め讃めて、世世に讃め揚げん。
我等主なる父と子と聖神とを崇め讃めん。
信者よ、我等永在にして無原なる父、同無原の子、父より同無原に光りたる聖神、惟一の全能なる原因及び權柄たる三位の一性を歌はん。
生神女讃詞、神に召されたるマリヤよ、爾は實に信者の潔浄の泉なり、蓋爾に因りて罪の赦は豊に衆人に賜はる。爾を歌ふ者の爲に爾の子及び主に息めずして祈り給へ。
我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。
兄弟よ、主は四十日の數を齋して、今の日を聖にして浄め給へり。我等此に至りて呼ばん、ハリストスを崇め讃めて、世世に讃め揚げよ、
我等主を讃め、崇め、伏し拜みて、世世に歌ひ讃めん。
イルモス、昔火焰の中にエウレイの少者に露を注ぎ。奇異にしてハルデヤ人を其中に爇きし主を歌ひて云はん、彼を崇め讃めて、世世に讃め揚げよ。
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「ヘルワィムより尊く」を誦文す。
第九歌頌、「食に縁りて甚しく」。
靈よ、齋の日は爾の爲に罪を絶ちて、神に傾き、之に親しむ者と爲るべし、爾が惡の淵を遁れて、唯夫の安息に至らしむる途を愛せん爲なり。
我意念にて躓き、肉體にて罪を犯して、欷き、呻ひ、呼ぶ、主よ、我を救ひ給へ、獨寛忍なる者よ、我を救ひ給へ、我定罪に當る者を彼の地獄の火に定罪する毋れ。』
我等齋の明なる衣を衣て、醉の暗くして最重き服を脱ぎ、神聖なる徳にて明なるを得て、信を以て救世主の光れる苦を見ん。
生神女讃詞、至浄なる女宰よ、兇惡なる魔鬼の諸の攻に因りて弱りし我が苦しめる靈を醫し給へ。蓋爾は醫師なるハリストス、爾無玷なる童貞女を承け認むる我等の救贖を生み給へり。
又、イルモス、「我等信者は父より永遠に」。
今聖なる齋の時來れり、我等善良なる行を以て是を始めん。蓋曰ふ、議するを以て、争ふを以て齋する毋れ。
イリヤはホリフ山に在りて齋に浄められて神を見たり。我等も齋を以て心を浄むべし、然らばハリストスを見ん。
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光榮、三者讃詞、我惟一の神性に叩拜し、三位を歌ひ、惟一の萬有の神、父、子、聖神、永在の原因を歌ふ。
生神女讃詞、潔き者にして子を生み、童貞女にして乳を飲ます、生みて童貞を守るに、如何にして斯の二の者あるか。是を爲しし者は神なり、其の如何なるを我に問ふ毋れ。
我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。
地に生れし者の生命は一日なりと曰へり、愛を以て勞する者の爲には四十日の齋あり、我等喜びて之を送らん。
イルモス、我等信者は父より永遠に光れる言を身にて測り難く孕みし者を、息めざる歌を以て崇め讃む。
次に「常に福にして」、一拜。聯禱、「我等復又」。光耀歌は本調の聖三の讃歌の「凡そ呼吸ある者」に諸句を歌はず、乃常例の三聖詠。「天より主を讃め揚げよ」等を誦す。若し月課經の順序に二聖人あらば、一人には晩課の讃頌を歌ひ、一人には「凡そ呼吸ある者」の讃頌を歌ふ、四句に。若しなくば、聖詠の後に誦經者誦す、
主我等の神よ、光榮は爾に歸す、我等光榮を爾父と子と聖神に獻ず、今も何時も世世に、「アミン」。
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光榮は爾我等に光を顯しし主に歸す。
「至高きには光榮神に歸し」其他。三小拜を爲す。次に聯禱、「我等主の前に吾が朝の禱」。并に高聲。
其後兩詠隊列を合せて共に歌ふ、
挿句に自調の讃頌、第五調。
齋至れり、此は貞潔の母、諸罪を責むる者、痛悔を傳ふる者、天使等の度生、人人の救なり。我等信者は呼ばん、神よ、我等を憐み給へ。
句、「主よ、夙に爾の憐を以て我等に飽かしめよ。」
復右の讃頌を歌ふ、
句、「願はくは主吾が神の惠は我等に在らん」。
致命者讃詞、
天の王の軍は祝讃せらるる哉、受難者は地に生まれし者なれども、天使の位に至らんことを勉め、肉體を顧みずして、苦に因りて無形の者の尊貴を獲たり。
主よ、彼等の祈禱に因りて我等の靈を救ひ給へ。
光榮、今も、生神女讃詞、我等歌の聲を以て爾神の母、潔き童貞女ヘルワィムよりも聖なる者を崇め讃む。蓋爾を承け認めて靈形に生神女たる者と爲す、爾は
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實に人體を受けし神を生みたればなり。至浄なる者よ、我等の靈の爲に祈り給へ。
次に誦す、「至上者よ、主を讃榮し」。二次。聖三祝文、及び三小拜。「至聖三者」。「天に在す」。司祭高聲「蓋國と權能」の後に讃詞を誦す、「生神女、天の門よ」。主憐めよ、四十次。光榮、今も、「ヘルワィムより尊く」。神父よ、主の名を以て祝讃せよ。司祭、「永在の主ハリストス我等の神」。誦經、「天の王よ」。次ぎて司祭聖エフレムの祝文を誦す。「主吾が生命の主宰よ」、并に三大拜。又小拜十二次、毎次黙誦して曰く、神よ、我罪人を浄め給へ。後聖エフレムの祝文全章を復誦して一大拜を爲す。右畢りて後誦經者誦す、「來れ、我等の王神に叩拜せん」、三次、并に三小拜。是に於て第一時課を誦す。第三の聖詠を誦し畢りて、「アリルイヤ」、及び三小拜。
知るべし。聖四旬齋内の凡ての月曜日の第一時課には「カフィズマ」を誦文せず。其他の日には「カフズマ」を誦文して、段毎に三小拜を爲す。同じく金曜日にも第一及び第九時課に「カフィズマ」なし。
次ぎて司祭左の讃詞を誦す、第六調、吾が王吾が神よ、晨に我が聲を聽き給へ。
右列詠隊歌ふ、吾が王吾が神よ、晨に我が聲を聽き給へ。司祭第一句、主よ、我が言を聽き、我が思を悟れ。左列詠隊、「吾が王吾が神よ」。司祭第二句、主よ、我爾
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に禱ればなり。右列詠隊、「吾が王吾が神よ」右の諸句を歌ふ時我等句毎に伏拜を爲す。』
司祭、光榮は父と子と聖神に歸す。誦經、今も何時も世世に、「アミン」。生神女讃詞、「鳴呼恩寵に満たさるる者よ」。并に三小拜。
次ぎて兩詠隊歌ふ、
右列、我が足を爾の言に固め給へ、諸の不法の我を制するを許す毋れ。左列、同上。右列、我を人の迫害より救ひ給へ、然せば我爾の命を守らん。左列、同上。右列、爾が顔の光にて爾の僕を照し、爾の律を我に誨へ給へ。左列、同上。右列、大聲を以て緩唱す、主よ、願はくは我が口は讃美に満てられて、我爾の光榮を歌ひ、日日に爾の威嚴を歌はん。左列、同上。右列、復同上。誦經、聖三祝文、并に三小拜。「至聖三者」。「天に在す」。司祭高聾、「蓋國と權能」。「アミン」の後に讃詞。月曜日と火曜日と木曜日とには生神女讃詞を誦せよ、「我等黙さず、心と口にて」。水曜日と金曜日とには誦せよ、「ハリストス吾が神よ、疾く先じて」。主憐めよ、四十次。祝文、「何の日何の時にも」。主憐めよ、三次。光榮、今も、「ヘルワィムより尊く」、及び一拜。神父よ、主の名を以て福を降せ。司祭、神よ、我等に恩を被らせ、我等に福を降し、爾が顔を以て我等を照し、並に我等を憐み給へ。誦經、「アミン」。次に司祭聖エフレムの祝文を誦す、大拜及び小拜と共に、上に記ししが如し。畢りて後、聖三祝文及び三小拜。「天に在す」。主憐めよ、十二次。司祭祝文、「眞の光なる
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ハリストス」。詠隊、「生神女よ、我等爾の僕婢」。司祭、ハリストス神、我等の恃よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。
詠隊、光榮、今も、主憐めよ、三次。福を降せ。司祭發放詞を誦す。詠隊萬壽詞を歌ふ。次に前院に出でて「リティヤ」を行ふ。克肖なるフェオドルストゥディトの敎訓の誦讀あり。第一時課を誦す、并に最後の發放詞。
全聖大齋の早課及び第一時課の式は都て上述の如し。
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第一週間月曜日時課式
第三時課
定刻に及びて鐘を撞く。衆此に随ひて聖堂に参集し、奉事の始まる前に聖門に向ひて三拜を爲し、聖像に接吻し、左右に立てる者に各一小拜を爲す。司祭始めて誦す、「我等の神は恒に崇め讃めらる」。誦經、「天の王」。聖三祝文及び三小拜「天に在す」の後に司祭、「蓋國と權能」。誦經、「アミン」。主憐めよ十二次。「來れ、我等の王、」
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三次、及び三小拜。是に於て第三時課を誦すること常例の如し。第三の聖詠の後、「アリルイヤ」に三小拜。次に順序ノ「カフィズマ」を誦す、其段毎に三小拜。其後司祭王門の前に立ちて讃詞を誦す、第六調、第三時に爾の至聖神を爾の使徒に遣はしし至善の主よ、之を我等より取り上ぐること毋れ、尚我等爾に祈る者の衷に之を新にせよ。右列詠隊、「第三時に」。司祭第一句、神よ、潔き心を我に造れ、正しき靈を我の衷に改め給へ。左列詠隊、「第三時に」。司祭第二句、我を爾の顔より逐ふこと毋れ、爾の聖神を我より取り上ぐること毋れ。右列詠隊、「第三時に」。右歌ふ時我等毎次一大拜を爲す。光榮、今も、生神女讃詞、及び三小拜、「生神女よ、爾は實の葡萄の枝」階梯者の誦讀。「主は日日に崇め讃めらる」。聖三祝文及び三小拜。「天に在す」。司祭高聲、「蓋國と權能」。「アミン」の後に讃詞、第八調、「崇め讃めらるる哉ハリストス我等の神よ」。光榮、「イイススよ、我等の靈の悶ゆる時」。今も、「至浄なる生神女よ、爾は「ハリスティアニン」等の憑恃」。主憐めよ、四十次、及び祝文、「何の日何の時にも」。主憐めよ、三次。光榮、今も、「ヘルワィムより尊く」。神父よ、主の名を以て福を降せ。司祭、「神よ、我等に恩を被らせ」。次に聖エフレムの祝文を誦して大小拜を爲す、上に記ししが如し。畢りて後誦經者祝文を誦す、「主宰神父全能者」。
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---------------------[大齋第一週間月曜日 第三時課 200頁]---------------------
第六時課
点燈者祝福を受けて打鐘すること六次。誦經者右の祝文畢りて後第六時課を始む。「來れ、我等の王」、三次、及び三小拜。第三の聖詠畢りて後、光榮、今も、「アリルイヤ」、三次、及び三小拜。是に於て「カフィズマ」を誦す、其段毎にアリルイヤ」、三次、及び三小拜。次に讃詞、第二調、「アダムが地堂にて犯しし罪を第六日の第六時に」。第一句、神よ、我が禱を聆き、我が願より匿るる毋れ。第二句、我神に籲ばん主乃我を救はん。三大拜を爲す、上述の如し。光榮、今も、「生神童貞女よ、我等夥しき罪ありて」。及び三小拜。
次に預言の讃詞、第五調。
主よ、主よ、萬物は爾を畏れ、爾が能力の前に慄く。不死なる者よ、我等爾に俯伏し、聖なる者よ、爾に祈る、爾が諸聖人の祈禱に因りて我等の靈を救ひ給へ。
光榮、今も、同上。
提綱、第四調、第一聖詠、主は義人の途を知る、惡人の途は滅びん。句、惡人の謀に行かず、罪人の途に立たざる人は福なり。
イサイヤの預言書の讃。第一章。
アモスの子イサイヤの見し所の異象、乃イウデヤとイエルサリムとの事なり、其
---------------------[大齋第一週間月曜日 第六時課 201頁]---------------------
イウデヤの諸王オジヤ、イオアファム、アハズ、エゼキヤの日に於て見し所なり。天よ、聽け、地よ、耳を傾けよ、蓋主之を言う、我子を養い、之を高くせり、然れども彼等我に叛けり。牛は其の飼主を識り、驢は其の主の槽を識る、然れどもイズライリは我を知らず、我が民は悟らず。嗟乎罪惡の民、不法の盈つる人人、惡者の族、沈淪の諸子よ、爾等主を棄て、イズライリの聖者を侮り、轉じて之を離れたり。逆いて息まざる者よ、何の處か復爾等を撻つべき、首は徧く痍を負ひ、心は全く衰へたり。足の跖より首の頂に至るまで彼に全き所なし、唯傷損、腐潰、膿みたる瘡のみ、洗はず、束ねず、膏を以て柔げざる者なり。爾等の地は荒らされ、爾等の邑は火に焚かれ、爾等の田は爾等の目前に於て外人之を食ふ、皆荒れたること、外人に敗られし後の如し。シオンの女は遺れること、葡萄園の廬の如く、菜園の舎の如く、圍み攻めらるる城の如し。若し主サワオフ我等に少許の殘余を留めざりしならば、我等はソドムに似、ゴモラの如く爲りしならん。ソドムの諸侯よ、主の言を聽け、ゴモラの民よ、我が神の律法に耳を傾けよ。主云く、爾等の多くの犠牲は我に於て何をか爲さん、牡羊の燔祭と肥えたる家畜の膏とは、我之に饜きたり、牡牛と羔と牡山羊との血は、我之を欲せず。爾等我が面の前に來る時、誰か爾等に促して我が庭を踐ましむる。復虚しき獻物を攜ふる毋れ、焚ける香は、我之を憎む、新月
---------------------[大齋第一週間月曜日 第六時課 202頁]---------------------
と安息日と祭日の集會とは、我之を忍ばず、祭祀には何ぞ不法を兼ぬべけん。爾等の新月と爾等の祭日とは、我が靈之を憎む、是れ我が爲に重負なり、我之を堪え難しとす。爾等手を舒ぶる時、我我が目を爾等より掩う、爾等祈りを益す時、我聽かず、爾等の手には血盈ちたり。己を洗い、己を浄めよ、爾等の惡業を我が目の前より去れ、惡を行ふを罷めよ、善を行ふを學べ、義を求めよ、虐げらるる者を救へ、孤子を護れ、寡婦の訟えを理めよ。主云く、其時來たりて論議せん、爾等の罪若し紅の如くならば、我之を雪の如く白くせん、若し丹の如く赤くば、羊の毛の如く白くせん。爾等若し肯ひて順はば、地の善物を食はん、若し肯はずして逆はば、劍爾等を噛まん、蓋主の口之を言う。
提綱、第七調、第二聖詠、畏れて主に勤めよ、戰きて其前に喜べよ。句、諸民何爲れぞ騒ぎ、諸族何爲れぞ徒に謀る。
階梯者の誦讀。次に讃詞、「主よ、願はくは爾の慈憐は速に我等を迎へん」。聖三祝文及び三小拜。「天に在す」の後に司祭高聲「蓋國と權能」。次に讃詞、第二調、「ハリストス神よ、爾は地の中に救を施し」。光榮、「仁慈なるハリストス神よ、我等爾が至浄の聖像に伏拜し」。今も、「慈憐の泉なる生神女よ」。
水曜日及び金曜日には十字架生神女讃詞を誦す、「讃榮せらるる生神童貞女よ、我等
---------------------[大齋第一週間月曜日 第六時課 203頁]---------------------
爾を歌ふ」。主憐めよ、四十次。「何の日何の時にも」。主憐めよ、三次。光榮、今も、「ヘルワィムより尊く」。神父よ、主の名を以て福を降せ。司祭、「神よ、我等に恩を被らせ、我等に福を降し」。次に聖エフレムの祝文及び大小拜、常例の如し。其後誦經者終の聖三祝文及び三小拜。「天に在す」。主憐めよ、十二次。次に司祭誦す、ハリストス神我等の恃よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。乃發放詞を誦す。
全聖大齋の第三及び第六時課の式都て是くの如し。
【注意】
散會することなくして奉事する時は「神天軍の主」の祝文の後直に誦す、「來れ、我等の王」、三次、及び第九時課。
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第九時課
第六時課の後に散會することあらば、定刻に及びて點燈者打鐘すること九次。衆堂に参集して、司祭祝讃の後に誦經者聖三祝文及び三小拜。「天に在す」の後に司祭高聲、「蓋國と權能」。「アミン」の後に主憐めよ、十二次。「來れ、我等の王」、三次及び三小拜。是に於て三聖詠の第九時課を誦す。第三の聖詠の後、「アリルイヤ」に三小拜。次に「カフィズマ」の誦文を始む。段毎に三小拜。誦文の後に讃詞、第八調、「第九時に我等の爲に身にて死を嘗めし」。第一句、「主よ願はくは我が籲ぶ聲は
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爾が顔の前に邇づかん」。第二句、「願はくは我が禱は爾が顔の前に至らん」。并に毎次大拜を爲す。光榮、今も、「我等の爲に童貞女より生れ」、三小拜。階梯者の誦讀。「爾の名に因りて我等を終まで棄つる勿れ」。聖三祝文、及び三小拜。「至聖三者」。「天に在す」。司祭高聲す、「蓋國と權能」。「アミン」の後に諸讃詞を誦す、第八調、「盗賊は生命の首が十字架に懸れるを見て」。光榮、「爾の十字架は二人の盗賊の間に在りて」。今も、「爾を生みし者は爾羔にして牧者たる世界の救主」。主憐めよ、四十次。「何の日何の時にも」。主憐めよ、三次。光榮、今も、「へルワィムより尊く」。神父よ、主の名を以て福を降せ。司祭、「神よ、我等に恩を被らせ」。次に克肖者エフレムの祝文を誦して三大拜を爲す。他の十二拜を爲さずして、祝文を誦す、「主宰イイススハリストス吾が神よ」。畢りて後、兩詠隊更眞福詞を歌ふ、第八調に依る。右列、主よ、爾の國に於て我等を憶ひ給へ。神の貧しき者は福なり、天國は彼等の有なればなり。主よ、爾の國に來らん時我等を憶ひ給へ。左列、「泣く者は福なり」。其他の句。光榮は父と子と聖神に歸す。「主よ、爾の國に來らん時」。今も何時も世世に、「アミン」。「主よ、爾の國に來らん時」。是の後兩詠隊共に傷感の情を以て大聲に歌ふ、主よ、爾の國に來らん時我等を憶ひ給へ。一大拜。主宰よ爾の國に來らん時我等を憶ひ給へ。一大拜。聖なる者よ、爾の國に來らん時我等を憶ひ給へ。一大拜。
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次に誦す、「天軍爾を歌ひて曰ふ」。句、「目を挙げて彼を仰ぐ者は」。復、「天軍爾を歌ひて曰ふ」。光榮、「諸天使及び天使首の群は」。今も、「我信ず一の神父全能者」。「神よ、我が自由と自由ならざると」。「天に在す我等の父よ」。
本日の小讃詞、第二調。
神の天軍首、神聖なる光榮の役者、諸天使の首、人人の敎導者よ、我等の爲に益あることと大なる憐とを求め給へ、爾等は無形の軍の首なればなり。
次に本堂の小讃詞を誦す。若しハリストスの堂ならば、先づ本堂の、次に本日の小讃詞、及び若し之あらば、当日の聖人の小讃詞を誦す。光榮、「ハリストスよ、爾が僕婢の靈を諸聖人と偕に」。今も、生神女の堂の小讃詞、或は「「ハリスティアニン」等の辱を得ざる轉達」。主憐めよ、四十次。光榮、今も、「へルワィムより尊く」。神父よ、主の名を以て福を降せ。司祭、「神よ、我等に恩を被らせ」。次に聖エフレムの祝文を誦して、上述の如く十六大小拜を爲す。幇堂者は聖務長より祝福を受け、往きて鐘を鳴らして晩課の始まるを報ず。誦經者誦す、「來れ、我等の王」、三次及び三小拜。次に緩和の聲を以て首誦聖詠「我が靈よ、主を讃め揚げよ」を誦す。司祭聖門の前に立ちて常例の晩の祝文を誦す。聖詠の後に光榮、今も、「アリルイヤ」、三次及び三小拜。次に大聯禱。畢りて第十八「カフィズマ」を誦文す。「我我が憂の中
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に主に呼びしに」、段毎に光榮、今も、「アリルイヤ」、三次及び三小拜。
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第一週間の月曜日の晩課
「主よ、爾に籲ぶ」に讃頌、六句を立つ。
イオシフ師の作。第二調。
我凡の罪を犯し、放蕩を以て衆人に超えたり、悔いんと欲すれども涙の流なし、今猶怠りて日を度らば苦に服せん。獨仁慈なる神よ、我に悔改を賜ひて、我を憐み給へ。
ハリストスよ、齋の美しき日に於て我に涙の雨を與へ給へ、我が泣きて快樂に由る汚を滌はん爲、且、審判者主よ、爾が獨義なる審判者として、人人を審判する爲に天より臨まん時、潔まりたる者として爾の前に顯れん爲なり。
又、フェオドルストゥディト師の作。第五調。
信者よ、熱心にして來り、齋の堅固なる武器を盾の如くに執りて、敵の誘の諸
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の欺詐を防がん。諸慾の快樂に焚かるるなく、試の火を畏るるなからん、蓋人を愛するハリストスは此の試に依りて我等に寛忍の榮冠を冠らしむ。故に我等勇みて祈り、伏して呼び、平安及び我等の靈の爲に大なる憐を求めん。
又、月課經の三章。光榮、今も、生神女讃詞。「穏なる光」。
次に提綱、第三聖詠、第六調、救は主に依る、爾の降福は爾の民に在り。句、主よ、我が敵は何ぞ多き、多くの者は我を攻む。
創世記の讀。第一章。
元始に神天地を造れり。地は形なく虚しくして、暗は淵の面に在り、神の神水の面に覆育せり。神曰へり、光あるべし。卽光成れり。神光を觀て善とせり、神光を暗より判てり。神光を晝と名づけ、暗を夜と名づけたり。夕あり、朝あり、是れ一日なり。神曰へり、水の中に、穹蒼ありて、水を水より判つべし。卽斯く成れり。神穹蒼を造りて、穹蒼の下の水を穹蒼の上の水より判てり。神穹蒼を天と名づけたり。神之を觀て善とせり。夕あり、朝あり、是れ第二日なり。神曰へり、天下の水は一區に匯りて、陸顯るべし。卽斯く成れり。天下の水其區に匯りて、陸顯れたり。神陸を地と名づけ、水の匯を海と名づけたり。神之を觀て善とせり。神曰へり、地は青草と種を、其類其肖に從ひて蒔く草と、地上に其類に從ひて、己の内に核を懐く實を結ぶ所の果の木とを生ずべし。卽斯く成れり。地は青草と、種を其類其肖
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に從ひて蒔く草と、地上に其類に從ひて、己の内に核を懐く實を結ぶ所の果の木とを生ぜり。神之を觀て善とせり。夕あり、朝あり、之れ第三日なり。
提綱、第四聖詠、第五調、我籲べば、主は之を聽く。句、吾が義の神よ、我が籲ぶ時、我に聽き給へ。
箴言の讀。第一章。
ダワィドの子、イズライリの王、ソロモンの箴言。是れ人に智慧と敎訓とを識らしめ、明哲の言を曉らしめ、智略と公義と公判と正直との規を承けしめ、愚蒙の者に明察を與へ、少者に知識と思慮とを與へん爲なり。智者は之を聞 きて知識を益し、明者は明謀を獲ん、喩言と解し難き言、智者の説と其隠語を明にせん爲なり。智慧の始は主を畏るる畏なり、凡そ之に導かるる者は明智なり、神に於ける敬虔は識の始なり、唯愚なる者は智慧と敎訓とを藐ず。我が子よ爾の父の訓を聽け、爾の母の誡を棄つる毋れ、蓋此れ爾の首の爲に美しき冠、爾の項の爲に飾なり。我が子よ、若し罪人爾を誘はば、從ふ毋れ、若し爾に勸めて、請ふ我等と偕に行け、我等兇殺の爲に埋伏所を設け、伏して故なきに無辜の者を狙ひ、彼等を生け
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るまま地獄の若くに呑み、健全なるまま墓に下る者の如くに呑まん、諸の價貴き産業を奪ひ、掠物を以て我等の家を充たさん、爾我等と偕に爾の籤を取らん、我等に一の嚢あらんと云はば、我が子よ、彼等と偕に路を行く毋れ、爾の足を彼等の径より避けよ、蓋彼等の足は惡に走り、血を流す爲に急ぐ。凡そ鳥の目の前に羅を張るは徒然なり。彼等は己の血の爲に埋伏し、己の生命を伏して狙ふ。凡そ利を貪る者の途は此くの如し、是れ其物主をして生命を喪はしむ。慧は街に呼び、其聲を衢に揚ぐ。
「主よ我等を守リ、罪なくして此の晩」。及び三小拜。聯禱、「我等主の前に吾が晩の禱」。
高聲の後兩詠隊共に歌ふ、
挿句に本日の自調の讃頌、第三調。
我等主に悦ばれ善く受けらるる齋を守らん。眞の齋は乃惡事を離れ、舌を慎み、怒を釋き、諸慾を斷ち、毀謗と、詐譌にと、誓に背くこととを除く。此等を去るは眞の齋にして善く受けらるべき者なり。
句、「天に居る者よ、我目を擧げて爾を望む」。
右復唱す。
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句、「主よ、我等を憐み、我等を憐み給へ」。
致命者讃詞、ハリストスよ、爾の致命者の力は大なり、蓋彼等は墓に臥して惡鬼を逐ふ、聖三者に於ける信を以て正敎の爲に戰ひて、敵の權を虚しくしたればなり。
光榮、今も、生神女讃詞、生神女、爾に祈る衆人の轉達者よ、我等爾に因りて勇を得、爾を以て誇と爲す、我が悉くの倚頼は爾に在り。爾より、生れし者に爾の不当なる諸僕の爲に祈り給へ。
次に、「主宰よ、今爾の言に循ひて」。聖三祝文、及び三小拜。其他。司祭、「蓋国と權能」。「アミン」の後諧和の聲を以て歌ふ、第四調、「生神童貞女よ、慶べよ」。一大拜。光榮、「ハリストスの、授洗者よ」、一大拜。今も、「聖使徒と諸聖人よ」、一大拜。次に、「生神女よ、我等爾が慈憐の下に趨り附く」。拜なし。主憐めよ、四十次。光榮、今も、「へルワィムより尊く」。神父よ、主の名を以て祝讃せよ。司祭、「永在の主ハリストス我等の神は恒に崇め讃めらる」。誦經、「天の王よ」。次に聖エフレムの祝文、「主吾が生命の主宰よ」、及び常例の十六大小拜。聖三祝文。主憐めよ、十二次、并に祝文、「至聖なる三者、一性の權柄」。次に、願はくは主の名は崇め讃められて今より世世に至らん。三次、及び三小拜。光榮、今も、第三十三聖詠、「我何の時にも主を讃め揚げん」。司祭、睿智。詠隊、「常に福にして」、及び一小拜。司祭、
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至聖なる生神女よ、我等を救ひ給へ。詠隊、「へルワィムより尊く」。司祭、「ハリストス神我等の恃よ」。詠隊、光榮、今も、主憐めよ、三次。
福を降せ。司祭發放詞を誦す、常例の如し。
全聖大齋の晩課式は先備聖體禮儀のなき時都て上述の如し、蓋水曜日に至るまで先備聖體禮儀を行はざるを規とす。
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第一週間の月曜日の晩堂大課、
定刻に及びて點燈者は聖務長より降福を受け、往きて打鐘すること十二次。
衆堂に参集して、司祭始めて誦す、我等の神は恒に崇め讃めらる、今も何時も世世に。誦經、「アミン」。我等の神よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。「天の王」。聖三祝文、及び三小拜。同じく「來れ、我等の王」、にも三小拜。其後直に第六十九聖詠を誦す、「神よ、速に我を救へ」。
次に大規程を始む。之を「イルモス」と共に四分して、月火水木の四曜日に配當す。
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我が聖神父イエルサリムのアンドレイクリトの大主敎の作。
第一歌頌、第六調、イルモス二次。
讃詞毎に小拜を爲す。
イルモス、佑け護る者顯れて、我が救と爲れり、彼は吾が神なり、我彼を讃め揚げん、彼は我が父の神なり、我彼を尊み頌はん、彼嚴に光榮を顯したればなり。』
附唱、神よ我を憐み、我を憐み給へ。(右左の詠隊讃詞毎に更此の附唱を歌ふ)
我が不當なる度生の行を泣くは何より始むべきか、ハリストスよ、我が今の歎は何を以て起すべきか、惟求む、爾慈憐なるに因りて、我に諸罪の赦を與へ給へ。
禍なる靈よ、體と偕に來りて、萬有の造成主の前に罪を認め、今より後先の無知を斥けて、痛悔の涙を神に獻げよ。
我誡を犯すを以て首めて造られしアダムに效ひて、我が諸罪の爲に、己が神と永遠の國と福樂より遠ざけられしを覺えたり。
哀しい哉我が禍なる靈よ、爾何爲れぞ首めて造られしエワに肖たる者と爲りし、爾は邪に視、太しく傷つけられ、樹に觸れて、敢て無知の食を食へり。』
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見るべきエワに代へて見るべからざるエワは我の内に起れり、是れ肉慾の情なり、我に甘きを進むれども、我味ふ時常に苦きを覺ゆ。
救世主よ、アダムは爾が一の誡を守らずして、義に依りてエデムより逐はれたり。我は常に爾が生命を施す誡を犯して、何の罰を受くべきか。
光榮、三者讃詞、永久の三者、一性に於て伏拜せらるる者よ、罪の重き負を我より卸して、慈憐なるに因りて、我に感涙を與へ給へ。
生神女讃詞、生神女、爾を歌ふ者の憑恃及び轉達よ、罪の重き負を我より卸して、潔き女宰たるに因りて、我悔ゆる者を納れ給へ。
第二歌頌
イルモス、天よ聽け、我傳へて、童貞女より身を取りて來りしハリストスを歌はん。
天よ、聽け、我傳へん、地よ、我が神の前に痛悔して、彼を歌ふ聲を納れよ。神吾が救世主よ、爾が慈憐なる目を以て我を視、我が熱心なる告解を納れ給へ。
救世主よ、我衆人に超へて罪を犯し、我獨爾の前に罪を犯せり、然れども爾神なるに因りて、爾の造物を憐み給へ、
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我諸慾の醜きを我が中に寫し、快樂を恣にして智慧の美しきを殘へり。慈憐なる主よ、諸惡の烈風は我を繞れり、然れども爾ペトルに於けるが如く、我にも手を舒べ給へ。
救世主よ、我我が肉體の衣を汚し、爾の像と肖とに因りて造られし者を緇ませり。我諸慾の樂にて靈の美しきを黯くし、我が智慧を全く塵と爲せり。
我は我が始の衣、造物主が初に我が爲に織りし者を裂けり、故に裸體にして臥す。我は襤褸の衣、蛇が詐を以て我が爲に織りし者を着て、自ら耻づ。仁慈なる者よ、我も淫婦の如く涙を流す、救世主よ、爾の慈憐に因りて我を憐み給へ。
我樹の美しきを見て、心惑へり、故に裸體にして臥して、自ら耻づ。
諸慾の魁は悉く我が背に耕して、我が身に其不法を植えたり。
光榮、三者讃詞、我爾三位にして惟一なる萬有の神、父と子と聖神とを歌ふ。
生神女讃詞、至浄なる生神童貞女、獨衆人に讚頌せらるる者よ、我等が救を得んことをを切に祈り給へ。
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第三歌頌
イルモス、ハリストスよ、爾が誡の動かざる石に我が意思を固め給へ。
主は昔主よリ火を降らして、ソドムの地を焚けり。
靈よ、彼のロトの如く山に遁れ、急ぎてシゴルに匿れよ。
靈よ、燄を避けよ、焚かるるソドムを避けよ神の火に滅さるるを避けよ。ハリストス救世主よ、我獨爾の前に罪を犯し、衆人に超えて罪を犯せり、我を棄つる勿れ。
爾は善き牧者なり、我羔なる者を尋ねよ、我迷ひし者を棄つる勿れ。
爾は慕ふべきイイスス、爾は我の造物主なり、救世主よ、我爾に依りて義とせらるるを得ん。
救世主よ、我爾の前に罪を認む、我罪を犯せり、爾の前に罪を犯せり、然れども爾慈憐なるに因りて、我を宥め、我を赦し給へ。
光榮、三者讃詞、鳴呼三者、惟一者、神よ、我等を誘惑と試誘と危難より救ひ給へ。』
生神女讃詞、神を容れし腹よ、慶べ、主の寶座よ、慶べ、我が生命の母よ、慶べ。
第四歌頌
イルモス、主よ、預言者は爾の降臨の事を聞き、爾が童貞女より生れ、人人に顯
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れんと欲するを懼れて曰へり、我爾の風聲を聞きて懼れたり、主よ、光榮は爾の力に歸す。
義なる審判者よ、爾の造工を斥くる毋れ、爾の造物を遺つる毋れ、蓋我獨人として衆人に超えて罪を犯したれども、爾は、人を愛する者よ、萬有の主として、罪を赦す權を有ち給ふ。
靈よ、終は近づく、近づけども爾は慎まず、己を備へず、時は蹙まる、興きよ、審判者は己に近し、門に及べり、生命の日の過ぐるは夢の如く、花の如し、我等何爲れぞ徒に心を煩はす。
鳴呼我が靈よ、醒めよ、爾が行ひし所爲を想ひ、之を爾が目の前に立てて、爾が涙の滴を注げ、勇みて爾の行と思とをハリストスに告げて、義とせられよ。』
救世主よ、凡そ世にある罪、或は行爲、或は惡は、我思と言と希望にて與らざるなし、卽志を以て、意念を以て、行を以て犯ししこと衆人に超えたり。
故に我罪せらる、我禍なる者は己の良心にて定罪せらる、世界に此より嚴しきはなし。吾が審判者、贖罪者、及び明察者よ、我爾の僕を宥め、釋き、救ひ給へ。』
我が靈よ、昔太祖の大なる者が見たる梯は、行を以て登り、知識を以て上る表なり。故に行と知識と明悟とを以て住はんと欲せば、自ら改まれ。
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太祖は必要に依りて晝の暑を堪へ、夜の寒を凌ぎて、日日に利を求め、群を牧し、勞を取り、勤を盡せり、二人の妻を獲ん爲なり。
二人の妻が行と明悟の知識とを示すを知れ、リヤは多くの子ある者として行を示し、ラヒリは多くの苦勞を以て獲られし者として知識を示す。蓋靈よ苦勞に非ずしては、行も明悟も成らず。
光榮、三者讃詞、我爾、同王にして同座たる、三位にして惟一なる神性、性に於て分れず、位に於て混合せざる者を承け認め、爾に大なる歌、最高き居所に三次唱へらるる者を呼び歌ふ。
生神女讃詞、爾は生むにも、童貞を守るにも、二ながら天性の童貞女なり。爾より生れし者は天性の法を改め、生まざる腹は生む、神の欲する所には天性の順序渝へらる、彼欲することを行へばなり。
第五歌頌
イルモス、人を愛する主よ、祈る、夜より寤むる者を照し、我をも爾の誡に導き、救世主よ、我に爾の旨を行ふを訓へ給へ。
我常に我が生命を夜の中に送れり、蓋罪の夜は我が爲に闇冥と深き霧たりき。然れども救世主よ、我を顯して晝の子と爲し給へ。
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我不當の者はルワィムの如く、至上なる神の前に不法にして道に悖ることを行ひ、我が榻を汚ししこと彼が父の榻を汚ししが如し。
ハリストス王よ、我爾の前に痛告す、我罪を犯し、昔潔浄と貞潔との結果たるイオシフを賣りし兄弟の如くに罪を犯せり。
義なる靈は親族に縛られ、愛すべき者は主を象りて奴隷に賣られたり。惟爾靈よ、自ら己を全く罪惡に賣れり。
禍なる不當の靈よ、義なるイオシフ及び其貞潔の智慧に傚ひて、己を汚す毋れ、無知なる思を以て常に不法を行ふ毋れ。
主宰よ、昔イオシフは穽に在りたれども、爾の葬と復活とを象れり。我は何の時に何をか斯くの如きを爾に獻げん。
光榮、三者讃詞、三者よ、我等爾惟一の神を讃榮す。聖、聖、聖なる哉、爾父と子と聖神、單一の性、永遠に伏拜せらるる惟一者や。
生神女讃詞、無玷にして夫を知らざる母童貞女よ、世世を造りし神は爾の内に於て我が靈體を衣て、人性を己に合せ給へり。
第六歌頌
イルモス、我心を盡して、仁慈なる神に籲ベり、彼は我が最深き地獄より呼ぶを聆き、
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我が生命を淪滅より援け給へり。
救世主よ、我切に我が目の涙と中心の歎とを爾に獻げて呼ぶ、神よ、我爾の前に罪を犯せり、我に憐を垂れ給へ。
靈よ、爾はダファン及びアワィロンの如く爾の主に離れたり、然れども最深き地獄より宥め給へと呼べ、地の淵が爾を覆はざらん爲なり。
靈よ、爾は牝牛の如くに暴れて、エフレムに似たる者と爲れり、鹿の如く爾の生命を網より救ひ、行と明悟とを以て智慧の翼とせよ。
靈よ、モイセイの手は、神が如何にして能く癩病の生命を白くし潔くするを我等に信ぜしむべし。爾癩病を患ふと雖、自ら望を失ふ毋れ。
光榮、三者讃詞、我は單一にして分れざる三者、位に於て分れたる者なり、又我は惟一者、性に於て合一なる者なり、父、子、聖神之を言ふ。
生神女讃詞、生神女よ、爾の腹は我等の爲に我が形を受けし神を生めり。其萬有の造成主なるを以て、彼に祈り給へ、我等が爾の祈禱に依りて義とせらるるを得ん爲なり。
小讃詞、我が靈よ我が靈よ、起きよ、何ぞ眠る、終わりは邇づく、爾擾れん、故に寤めよ、在らざる所なく充たざる所なきハリストス神が爾を宥めん爲なり。
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第七歌頌
イルモス、列祖の神よ、我等罪を犯し、不法を行ひ、不義を爾の前に爲し、爾が我等に誡めしことを守らざりき、行はざりき、然れども終に至るまで我等を棄つる毋れ。
我罪を犯し、不法を行ひ、爾の誡に背けり、蓋我罪の中に生まれ、且我が瘡に復痍を加へたり。然れども爾列祖の神よ、慈憐なるに因りて、親ら我を憐み給へ。』
我我が心の秘密を爾我が審判者の前に顯せり。我が、謙を視、我が憂を視よ、我が今己を罪するを顧みて、爾列祖の神よ、慈憐なるに因りて、親ら我を憐み給へ。
昔サウルは其父の驢を亡ひて、是に關する音信と共に俄に國を獲たり。靈よ、慎め、己を忘れて、畜類の慾を重ずること、ハリストスの國に超ゆる毋れ。
昔神の先祖ダワィドは姦淫の矢に傷つけられ、且殘忍なる殺害の槍を用いて、二倍の罪を犯せり。然れども爾は、我が靈よ、自ら恣なる慾を疾むこと此の行よりも甚し。
昔ダワィドは不法に不法を加へたり、蓋殺害に姦淫を合せたり、然れども彼は速に二倍の痛悔を爲せり。靈よ、爾は猶大なる罪を行ひて、未だ神の前に痛悔
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せざりき。
昔ダワィドは畫を描くが如くに歌を記し、其中に己が犯しし行を顯して呼ベり、我を憐み給へ、蓋我爾獨萬有の神の前に罪を犯せり、親ら我を浄め給へ。』
光榮、三者讃詞、單一にして分れざる一體の三者と惟一の性、三光と一光、三聖と一聖なる神三者は歌を以て歌はる。靈よ、爾も三一の生命なる萬有の神を歌ひて讃め揚げよ。
生神女讃詞、神の母よ、我等爾を歌ひ、爾を崇め讃め、爾に伏拜す。蓋爾は分れざる三者の一なるハリストス神を生みて、親ら我等地に居る者の爲に天の住所を開き給へり。
第八歌頌
イルモス、凡そ呼吸ある者と造物は、天軍の讃榮し、へルワィムとセラフィムの戰く者を歌ひ、崇め讃めて、萬世に讃め揚げよ。
救世主よ、我罪人を憐み給へ、我が智慧を起して正しきに反らせ、悔ゆる者を容れ、呼ぶ者に慈憐を垂れ給へ。我爾の前に罪を犯せり、我を救ひ給へ、我不法にして世を送れり、我を憐み給へ。
車に乗るイリヤは昔諸徳の車に上りて、天に擧げらるるが如く、地の一切の
---------------------[大齋第一週間月曜日 晩堂大課 222頁]---------------------
物より上に升れり。我が靈よ、彼の升りしことを思へ。
昔エリセイはイリヤの衣を受けて、主よリ二倍の恩寵を獲たり。然れども爾我が靈よ、節制なきに因りて、此の恩寵に與らず。
昔エリセイはイリヤの衣を以てイオルダンの流を左右に分てり。然れども爾我が靈よ、節制なきに因りて、此の恩寵に與らず。
昔ソマンの婦は誡の心を以て義人を饗せり。爾靈よ、他邦の者をも旅行する者をも爾の家に入れざりき。故に哀哭して婚筵の宮より逐はれん。
不當なる靈よ、爾は常にギエジイの不潔の風に傚へり。已に老ゆるに及びても彼の貪を去れ、爾の惡業を離れて、地獄の火を脱れよ。
光榮、三者讃詞、無原の父、同無原の子、仁慈の撫恤者、義なる神、神言の父、無原の父の言、生活にして造成する神、三者惟一者よ、我を憐み給へ。
生神女讃詞、至浄なる者よ、紅の組織を以て錦の衣を織るが如く、エムマヌイルの肉體は爾が腹の中に織られたり。故に我等實に爾を生神女として尊み崇む。
第九歌頌
イルモス、種なき胎の産は言ひ難し、夫を知らざる母の果は朽ちず、神を生む
---------------------[大齋第一週間月曜日 晩堂大課 223頁]---------------------
産は天性を改むればなり、故に我等萬族爾を神の聘女なる母として、正しく崇め讚む。
智慧は傷つけられ、肉體は衰へ、靈魂は疚み、言は弱り、生命は殺され、終は門に在り。我が禍なる靈よ、審判者來たりて爾の行を糾さん時、爾何をか爲さん。
靈よ、我爾にモイセイが創世の傳を示し、之に次ぎて義者と不義者との事を述ぶる聖約の書を悉く示せり。吁靈よ、爾は此の中前の者に傚はず、後の者に傚ひて、神の前に罪を犯せり。
靈よ、爾の爲に律法は力なく福音經は效なく、悉くの聖書は益なく、預言者と凡そ義人の事を述ぶる言とは徒然なり、爾の瘡は愈加はりて、此を療す醫師なし。
靈よ、我新約の書より爾の傷感を起こす例を引く。故に義人に傚ひ、罪人を避け、祈禱、禁食、潔浄、無玷を以てハリストスの憐みを迎へよ。
ハリストスは人と爲りて、盗賊と淫婦とを痛悔に招けり。靈よ、痛悔せよ、國の門は已に啓けて、痛悔するファリセイと税吏と姦淫者とは爾に先ちて此に入る。
ハリストスは我が肉體を取りて人と爲り、罪の外は凡そ人性に適ふことを自由に試
---------------------[大齋第一週間月曜日 晩堂大課 224頁]---------------------
みて、靈よ、爾に己の寛容の例と表式とを示せり。
ハリストスは博士を救ひ、牧者を召し、衆くの嬰児を致命者と爲し、翁と老いたる嫠とを榮せり。靈よ、爾は彼等の行と生命とに傚はざりき、嗟審判に逢はん時爾禍なる哉。
主は四十日野に齋し、遂に飢えて己の中に人の性を顯せり、靈よ、敵爾を攻めば、悶ゆる毋れ、乃祈禱と齋とを以て之を爾の足下より退かしめよ。
光榮、三者讃詞、我等父を讃め揚げ、子を崇め歌ひ、信を以て聖神を尊み拜み、分れざる三者、性に於て惟一なる者、一光と三光、三一の生命、四極に生命を施して之を照す者を崇め讃めん。
生神女讃詞、至りて潔き神の母よ、爾の城邑を衛り給へ、蓋彼は信を以て爾の力にて建ち、爾に依りて堅固にせられ、爾を以て凡の誘に勝ち、諸敵を敗りて之を從わしむ。
聖アンドレイに、尊きアンドレイ至りて福たる神父、クリトの牧者よ、爾を讃め歌ふ者の爲に常に祈りて、我等凡そ爾の記憶を中心より尊む者を忿怒と、憂愁と傷害と、數へ難き罪過より脱れしめ給へ。
次ぎて兩詠隊「イルモス」を歌ふ、「種なき胎の産は言ひ難し」
---------------------[大齋第一週間月曜日 晩堂大課 225頁]---------------------
規程畢りて後第四聖詠を誦す、「吾が義の神よ、我が籲ぶ時、我に聽き給へ」。其他晩堂課の聖詠。「アリルイヤ」に三小拜。直に第二の誦文を始む、「主よ、爾に我が靈を擧ぐ」。其他の二聖詠、終に「アリルイヤ」、及び三小拜。次ぎて諧和の聲を以て朗に左の諸句を歌ふ、
右列詠隊、神は我等と偕にす、異邦人よ、此を知りて從へよ、神我等と偕にすればなり。
左列詠隊同句、神は我等と偕にす、異邦人よ、此を知りて從へよ、神我等と偕にすればなり。
以下兩詠隊次序を以て各其句を歌ふ。「無形の性のへルワィム」を歌ひ畢りて、低聲を以て「我信ず一の神父、全能者」。其後詠隊、至聖なる生神女よ、我等罪人の爲に祈り給へ、及び以下の祈禱の諸句を歌ふ。一の詠隊己の句を歌ふ時、他の詠隊大拜を爲す。次に聖三祝文、拜なし。左の諸讃詞を第二調に依りて歌ふ、「ハリストス神よ、我が目を明にして」。光榮、「神よ、我が靈を扞ぎ衛る者となり給へ」。今も、「生神童貞女よ、我等夥しき罪ありて」。火曜日と木曜日とには左の讃詞を歌ふ、第八調、「主よ、爾は我が見えざる敵の眠らざるを知り給へり」。句、主我が神よ、顧みて我に聽き給へ。「主よ、爾の審判は何ぞ畏るべき」。光榮、「神よ、昔罪ある女に涙を賜
---------------------[大齋第一週間月曜日 晩堂大課226頁]---------------------
ひし如く」。今も、「生神女よ、我爾を辱を得ざる憑恃」。主憐めよ、四十次。光榮、今も、「へルワィムより尊く」。神父よ、主の名を以て福を降せ。司祭、主イイススハリストス我等の神よ、吾が諸聖神父の祈禱に依りて我等を憐み給へ。誦經、「アミン」。聖大ワシリイの祝文、「主よ、主よ、我等を晝の諸の流矢より脱れしめし者よ」。次に、「來れ、我等の王」、三次及び三小拜。第五十聖詠、及び第百一聖詠、「主よ、我が禱を聽き給へ」を誦す。イウデヤ王マナッシヤの祝文、「主全能者、吾が先租アウラアム」。聖三祝文、及び三小拜。司祭、「蓋國と權能」。「アミン」の後左の諸讃詞を歌ふ、第六調、「主よ、我等を憐め」。光榮、「主よ、我等を憐めよ」。今も、「讃美たる生神女よ、我等の爲に憐の門を開け」。主憐めよ、四十次。光榮、今も、「へルワィムより尊く」。神父よ、主の名を以て福を降せ。司祭、「主イイススハリストス我等の神よ」。祝文、「主宰神父全能者」。「來れ、我等の王」、三次及び三小拜。第六十九聖詠、「神よ、速に我を救へ」。第百四十二聖詠、「主よ、我が禱を聆き」。次に、「至高きには光榮神に帰し」。「主よ、爾は世世に我等の避所たり」。「主よ、我等を守り、罪なくして此の夜」、聖三祝文。「至聖三者よ、我等を憐め」。「天に在す」、司祭、「蓋國と權能」。次に朗聲を以て右列詠隊、第六調に依りて、左の讃詞を歌ふ、「萬軍の主よ、我等と偕にせよ」。左列詠隊、同讃詞。右列詠隊第一句、神を其聖所に讃め揚げよ、彼を其有力の穹蒼に讃め揚げよ、及び同讃詞。以下毎句の後に同讃詞を歌ふ。
---------------------[大齋第一週間月曜日 晩堂大課 227頁]---------------------
五句を歌ひ畢りて、兩詠隊共に第一句及び讃詞を歌ふ。次に歌ふ、光榮、「主よ、若し我等の爲に祈る爾の聖者」、今も、「生神女よ、我が罪は甚多し」。「至聖なる生神女よ」。「神の母よ、我が恃を以て」。主憐めよ、四十次。祝文、「何の日何の時にも」。主憐めよ、三次。光榮、今も、「へルワィムより尊く」。神父よ、主の名を以て福を降せ。司祭、「神よ、我等に恩を被らせ」。次に聖エフレムの祝文、及び十六大小拜、常例の如し、畢りて後聖三祝文、及び三小拜。「天に在す」主憐めよ、十二次。祝文を誦す、「穢なく、誘はるるなく」。又「主宰よ、我等眠らんとする者に」。「至榮なる永貞童女」。「我が憑恃は父」。光榮、今も、主憐めよ、三次。福を降せ。是の時衆人地に俯伏し、司祭之に向ひて左の祝文を高誦す、「主宰大仁慈なる主イイススハリストス我等の神よ」。祝文畢り、衆人起立して後、修道院に於ては、司祭衆兄弟に向ひて伏拜して曰ふ、尊貴なる諸父よ、我罪人が言と行と思と諸感覚とを以て犯しし諸罪を赦し給へ。衆答へて曰ふ、尊貴なる神父よ、神は爾に赦し給はん。其後兄弟相續きて一一司祭の前に至り、伏拜して同じく赦を乞ひて曰ふ、尊貴なる神父よ、我罪人に降福して、我を赦し給へ。畢りて後、司祭聯禱を誦す、吾が今上皇帝の爲に禱らん。其他。終に司祭誦す、主イイススハリストス我等の神よ、吾が諸聖神父の祈禱に因りて我等を憐み給へ。詠隊、「アミン」。
---------------------[大齋第一週間月曜日 晩堂大課 228頁]---------------------
全聖大齋の晩堂課の式は都て上述の如し。
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第一週間の火曜日の早課
第二の誦文の後に坐誦讃詞、第二調。
最尊き齋の恩寵は至りて祝福せられたり。蓋モイセイは之に因りて光榮を獲て、石版に録されたる法を受け、年少の童子は火よりも強き者と顯れたり。故に我等此を以て肉體の燃ゆる慾を滅して、ハリストス救世主に呼ばん、我等衆人に悔改を賜ひて、「ゲエンナ」を免れしめ給へ。
光榮、同調
痛悔の時至れり、鳴呼我が靈よ、節制の果を顯せ、前に痛悔せし者に目を注ぎて、ハリストスに呼ベ、我罪を犯せり、仁慈なる主宰、獨憐多き者よ、中心より歎息せし税吏を救ひしが如く、我を救ひ給へ。
---------------------[大齋第一週間火曜日 早課 229頁]---------------------
今も、生神女讃詞。
「ハリスティアニン」等の熱心なる轉達、生神童貞女母よ、常に爾の子に祈りて、我等が爾の祈禱を以て、其仁慈の恩澤に依りて、仇敵の悉くの惡業と惡謀より救はれて、犯しし諸罪の赦を賜はらんことを得しめ給へ。
第三の誦文の後に坐誦讃詞、第五調。
主よ、我等救を施す節制の二日に於て爾に呼ぶ、我等爾の諸僕の心を感動せしめ、畏を以て獻ぐる我等の祈禱を納れて、我等に善く齋の途を經、潔浄と大なる憐とを蒙るを得しめ給へ。
光榮、同上。
今も、生神女讃詞。
神聖なる花を生ぜし根、約匱と燈臺、純金の壷と生命の糧を載する聖なる筵よ。聖前驅と偕に主に、其爾の子及び神たるに因りて祈りて、爾を生神女と承け認むる者を宥めて救はんことを求め給へ。
規程は月課經及び三歌經の。第二歌頌、第二調。
此に預言者の第二歌頌を誦文す。
イルモス、見よ、見よ、我はイズライリの民を海に救ひ、野に飽かしめ、人人の爲
---------------------[大齋第一週間火曜日 早課 230頁]---------------------
に水を石より出しし者なり、昔滅亡に陷りし者を抱きて、言ひ難き慈憐に因りて我に就かしめん爲なり。
靈よ、眠覺め儆醒し、歎息し、流涕し、齋を以て罪の重負を悉く卸し、熱心の痛悔を以て火を避け、哭泣を以て諸慾の憂ふべき衣を裂きて、神聖なる衣裳を受けよ。
我等皆齋を以て善行の山に近づき、逸樂の下の圍を脱して、貴き異象の昏黒に入り、神妙なる上升を以て奥密に神成せられて、ハリストスの愛すべき惟一の美麗を觀ん。
鳴呼我如何にならんか、罪を行ひて主宰を畏れず、良心を失ひし者は何を爲さんか、故に我審判の前に定罪せられたり。仁慈にして義なる審判者よ、我衆人に超えて爾を憂ひしめし者を正しきに反らしめて救ひ給へ。
生神女讃詞、耕されざる地、手を開きて其神妙なる力にて惠を以て悉くの生ける者に飽かせ給ふ萬有の養成者を生ぜし者よ、我が罪惡に飽きて弱りたる心を生命の糧を以て固め給へ。
又。第五調。イルモス、「見よ、見よ」。
來りて、靈の密室に入り、主に祈禱を獻じて呼ばん、天に在す我等の父よ、我が
---------------------[大齋第一週間火曜日 早課231頁]---------------------
債を釋きて之を赦し給へ、爾獨慈憐なればなり。
齋の時我が靈の清爽なるを顯して、適意の日の變じたるを憂ふるなからん、蓋我等の爲に敬虔を修むる時は輝けり。
光榮、三者讃詞、無原にして造られざる三位の惟一者、主宰、萬世の王よ、天使の群と悉くの人の性とは爾父と子と聖神を讃榮す。
生神女讃詞、童貞女よ、我等爾我が族の萬徳の光榮なる者を歌ふ、蓋我等は爾に依りて神成せられたり、爾我等の爲に救世主及び神ハリストス、我等を詛より釋きし者を生みたればな