なごや「聖歌」だより 14  2003年5月号


目で見る聖歌 

聖堂と聖歌
 正教会の聖堂は、外よりも中が豪華です。天に向かってそびえ立つ西洋のゴシック建築と比べると、ドームを冠した姿は、全体にまるくやさしい印象で、ちょうどプラネタリウムのように天空を作り出しています。司祭の声、聖歌の歌声、会衆の応答が丸天井に響きあい、壁には金箔のイコン、芳しい乳香がたちのぼり、ろうそくの光が明るく輝きます。しかし、なぜこんな大げさな舞台装置が必要なのでしょうか。
 世界各地、また各時代には、様々な聖堂が建てられ、歌われる聖歌も様々です。右の写真はビザンティンで6世紀ごろ建てられたアギアソフィア大聖堂です。大ドームは直径30メートル、高さ地上60メートル、途方もない大きさです。
 各国では、形も材質も様々な聖堂で、言語や歌い方や音楽は様々ですが、私たちと同じ復活祭が行われています。




 
名古屋の復活祭を見学に来られた他教派の方が「教会ってこういうものだったんですね。」と感想をもらされていました。

 聖堂にも、そこで歌われる聖歌にも「神の国を顕わし」「神の福音を体験する」という重大な使命があるのです。すべての信者は小さな一角をにないつつ、ハリストスの生命を体験します。丸天井はそこに在るすべての者を包み込み、私たちは、溢れる「復活のいのち」の光をあび、「神のいのち」の力に満たされ、人々をこの天の国に招き入れるために世に出て行きます。
 ひとりひとりの信者すべてに与えられたつとめです。