マリア松島純子
6月22日から1週間、ニューヨークのウラディミル神学校で開かれた研修会に参加してきました。ここはダニイル府主教座下を始め、戦後多くの神品が学ばれたところで、この秋から名古屋教会出身のマリークラップサドルさんも入学されました。毎夏開かれるこの研修会には全米から70人ほどが参加し、牧会と宣教のためのグループと聖歌のグループに分かれ、朝7時半の早課の祈りに始まって、午前中の講義、食事と晩課をはさんで夜9時半までびっしり授業と講習がありました。初めての英語の聖歌、英語の授業にとまどうことも多かったのですが、実り多い1週間でした。
1.聖堂と祈り ウラディミル神学校はニューヨークから電車で30分ほどの閑静な住宅地にあり、広い敷地には小川が流れ、木々の間をリスが走り回っています。そのほぼ中央の小高い丘の上に聖大ワシリーと神学者グリゴリー、金口イオアンの三人を記念した聖堂があります。 聖所の広さは名古屋教会の1.5倍ほど、神学校自体は夏休みに入っているので学生はわずかで、研修会参加者の他には学内に住んでいる方や近隣の人々などでしたが、子供が多くなごやかな雰囲気でした。 正面のイコノスタスは日本の物に比べると、ほとんど素
通しで至聖所の様子がよくわかります。さらに、聖変化の部分は、聖歌隊が「主や爾を崇め歌い」を歌い終わってから司祭が祝文を読み始め、「爾の聖神によってこれを変化せよ」という祈りに対して「アミン」は全員で唱えました。 聖堂の両側に聖歌隊席があり、参加者はパート別に左右聖歌隊に別れて立ちました。アンティフォン形式で左右交互に、男声女声に分けて、あるいはトリオやソロの部分に続いて全員でリフレインを歌う、色々な歌い方を体験しました。木と白壁を基調にした聖堂のドームに歌が響きあい、至聖所とも一体感のある祈りが行われました。 曲目に関しては新しい作品も随分取り入れられているように思いましたが、聖体礼儀のアンティフォン、早課晩課のトロパリ、スティヒラなど八調のメロディをベースにしたものは日本で歌っているものとほとんど同じでした。不思議なことに、楽譜よりも歌詞だけを見て聞き覚えのあるメロディに当てはめて歌う方がよほど楽で、内容がよくわかりました。逆に一番難しかったのが単調な「信経」や終わりの「ヘルビムより尊く」で、早口言葉のようでついてゆけないのです。私たちも急がないように気をつけねば…と思いました。 (つづく)
もう少し詳しく東方正教会の聖歌http://www.orthodox-jp.com/maria
なごや聖歌だよりのホームページhttp://www.orthodox-jp.com/music
編集後記:ある時、お葬式の出棺の「聖天主、聖勇毅」が聖体礼儀の「聖なる神、聖なる勇毅」と同じ歌であることを知りました。花でいっぱいの棺の行進は天国への凱旋に、悲しい別れの歌は天の国への喜びの歌に変わりました。いつか復活の日にまた会える、そう信じられる、正教会でよかった!と思いました。
監修:ゲオルギイ松島雄一 編集:マリア松島純子