12月6日/12月19日

我が聖神゜父リキヤのミラの大主教
奇蹟者ニコライの祭日


若し聖務長之を望まば、徹夜堂課を行ふ。

小晩課
「主よ、爾にぶ」に讃頌、四句を立つ、第四調。
成聖せられしニコライよ、聖神゜の恩寵は神聖なる香膏を爾に抹りたるに、爾はミラ城に首座と為り、諸徳の香膏を以て世界の四極を薫らせ、爾の芳しき祈祷を以て恒に臭気の諸慾を拂ふ。故に我等信を以て爾を崇め讃めて、爾の至聖なる記憶を行ふ。
聖ニコライよ、我等爾を滅えざる燈、全世界の光體、教會の穹蒼に輝き出でて、世界を照し、烈しきさい害の黒闇を逐ひ、不虔の猛風を斥けて、深き平穏を施す者として、宜しきに合ひて崇め讃む。
至聖なる神゜父ニコライ、諸天使の同住者、使徒及び預言者と儔しき者よ、爾は正しく在りても、夢に現れても、非義に由りて死に定められし者を救ひ給へり、蓋爾は慈憐なり、善を愛する者なり、忠信に爾の保護を乞ふ者の熱切なる救者なり、眞の轉達者なり。
神智にして至聖なる神゜父、成聖者の美飾、克肖者の飾よ、爾の神妙なる度生はあまねく爾を光榮なる者と為せり。至りて福たるニコライよ、爾は日の如く光線を地に布きて、爾の光明にして神聖なる記憶を行ふ信者の心を照し給へり。
  光榮、第六調
成聖者よ、爾の記憶は日の如く輝きて、霊妙に信者の心を照す。我等も今日欣ばしく之を行ひて、祈りて爾に呼ぶ、貞潔の権能よ、慶べ、爾は節制の盾を執りて、霊の嗣業を奪はるるなく護れり。ハリストスの名を蒙れる爾の民の牧師及び教師よ、慶べ、教会の飾、司祭首の美飾、修道士の誉よ。慶べ。成聖せられしニコライ、至りて福たる神゜父よ、世界に平安を賜ひ、我等の霊を救はんことを常にハリストス神に祈り給へ。
  今も、生神女讃詞
至浄なる生神童貞女よ、爾に趨り附く者は一人も耻を得て爾より出づるなし、即恩寵を求めて、益ある求に適ふ賜を受く。

  挿句に讃頌、第六調。
福たるニコライよ、爾に祈る、我趨り附く者を憐み給へ。睿智者よ、我が霊の目を照し給へ、我が明に光を施す仁慈なる主を見ん為なり。
句、聖人の死は主の目の前に貴し。
聖なる司祭首、至りて福たるニコライよ、神の前に勇敢を有つ者として、我に悪を為さんと謀る諸敵より我を脱れしめ、血を流す者より救ひ給へ。
句、爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悦ばん。
司祭首よ、我等信者は爾を穏なる湊と壊られぬ垣、堅固なる柱と悔改の門、霊の嚮導師及び保護者として獲たり。
  光榮、今も、生神女讃詞。
至浄なる者よ、凶悪なる敵は爾の牧群に對して貪を燃して、毎日糧と為さんと謀る、然れども爾、生神女よ、我等を其害より脱れしめ給へ。
  讃詞、第四調。
行實は爾を牧群の為に信仰の則、温柔の模、節制の教師と顕せり、故に爾は卑きを以て高きを得、貧しきを以て富を得たり。成聖者神゜父ニコライよ、ハリストス神に我等の霊の救はれんことを祈り給へ。
  光榮、今も、生神女讃詞、「是れ古世より隠されて」。

大晩課
第一「カフィズマ」の第一段を歌ふ。
「主よ、爾にぶ」に八句を立てて讃頌を歌ふ、第二調。

聖神゜父ニコライ、ハリストスの成聖者よ、爾は有形にしてミラに生を度り、無形の香膏(ミロ)を抹られて、實に香膏(ミロ)と現れ、信と愛とを以て常に爾の至榮なる記憶を行ふ者の面を薫らせて、神に獻る爾の祈祷を以て彼等を危難、害、憂愁より釋き給ふ。
聖なるニコライ、ハリストスの成聖者よ、爾は實に勝利と同名にして、信ずる民には誘惑に於て有力なる保護者なり、蓋爾は遍き處に呼ばれて、愛を以て爾の、おほひの下に趨り附く者を速に助く、爾は晝に夜に信者に現れて、彼等を誘惑及びわざわいより救ひ給ふ。
爾はコンスタンティン王及びアウラワィイに夢に現れて、彼等を懼れしめて、斯く云へり、速に獄に繋がれたる者を釋け、彼等は不法なる刑罰に當らざればなり、若し爾王よ、我に聴かずば、我主に祈祷して、爾を訴へん。
光榮なる聖ニコライ、ハリストスの成聖せられし宣傳者よ、爾は災難に遇ふ者、陸に在り或は航海し、遠に在り或は近きに在る者の為に大にして熱切なる扶助者なり、蓋爾は至りて慈憐に且有力なる祈祷者なり。故に我等集まりて呼ぶ、我等が諸の危難より救はれんことを主に祈り給へ。

  又讃頌、同調
我等何の讃美の榮冠を以てか身にてミラに在り、神゜にて凡そ實に彼を愛する者に格る成聖者に冠らせん。彼は衆の轉達者及び保護者なり、凡そ悲しむ者の慰藉者、凡そ患難に遭ふ者の避所、敬虔の柱、信者の守護者なり。彼に由りてハリストス大なる憐を有つ主は諸敵の驕慢を倒し給へり。二次。
我等何の美しき歌を以てか不虔の防禦者及び敬虔の守護者たる成聖者を崇め讃めん。彼は教会の前立者、大なる保護者及び教師、凡の邪教の者を辱しめ、アリイ及び其徒を破る者なり。彼に由りてハリストス大なる憐を有つ主は此等の驕慢を倒し給へり。
我等何の預言者の歌を以てか、遠に在る者を預見して、近に在る者の如く明に預言する成聖者を崇め讃めん。彼は遍く全地を視、凡そ迫害せらるる者を助け、夢に神智なる王に現れて、縲絏に在る者を不義の刑罰より救ひ、又大なる憐を賜ふ。

  光榮、第六調
吁祭を敬愛する者よ、集まりて、讃歌を以て成聖者の飾及び諸神゜父の光榮、奇蹟の泉及び信者の大なる保護者を歌ひて曰はん、ミラの人の守護者、尊き座主、動かざる柱よ、慶べ、最明なる燈、奇蹟を以て世界の四極を照す者よ、慶べ、哀しむ者の神聖なる歓喜、侵害せらるる者の熱切なる轉達者よ、慶べ。至りて福たるニコライよ、今も信と愛とを以て常に爾の喜ぶべく祝ふべき記憶を尊む者の為に絶えずハリストス神に祈り給へ。
  今も、祭前期の讃頌、同調。
洞よ、自ら飾れ、蓋牝羊はハリストスを腹に懐きて行く、芻槽よ、言を以て地に生るる我等を無知の行より釋きし者を戴け。牧者よ、笛を吹きて、畏るべき奇蹟を證せよ、ペルシダよりする博士よ、黄金、乳香、没薬を王に獻げよ、蓋主は童貞女母より現れたり。母は婢として彼に傾きて伏拝し、己の手に抱かるる者に語れり、我が贖罪主及び神よ、如何にして爾は我の内に播かれたる、或は如何にして我の内に生じたる。

  聖入。本日の提綱。喩言三篇。
第一、箴言の讀、義人の記憶には誉伴ひ、其首には主の降福あり。
第二、箴言の讀、義者の口は智慧を流し、悪者の舌は断たれん。
第三、ソロモンの智慧書の讀、義人は早く死すとも安息に居らん、(三篇共に本書の末に載す)。

  「リティヤ」に本堂の讃頌。
  次に聖ニコライの讃頌、第二調。(ワィザンティイの作)。
成聖者ニコライよ、ハリストス神は爾の牧群の為に爾を信仰の則、温柔の模と顕せり。孤とやもめとの保護者よ、爾がミラに薫れるに、爾神妙なる功徳は四方に光り輝けり。故に息めずして我等の霊の救はれんことを祈り給へ。
神゜父ニコライよ、爾の聖躯の香合はミラを富ます、爾は彼處に在りて、非義に縛られて定罪せられし者を、夢に王に現るるを以て、死と械と獄より釋き給へり。祈る、其時の如く、今又常にハリストス王の前に轉達して、我等の霊の為に祈り給へ。
神゜父ニコライよ、ミラ城は黙すとも、爾に照されし全世界と、香膏の香気と、奇蹟の多きと、爾に依りて救はれたる冤罪者とは讃美の歌を以てぶ。我等もミラの者と偕に歌ひて曰ふ、我等の霊の救はれんことを祈り給へ。
  第四調
神゜父ニコライよ、爾は至聖神゜の香膏の器にして、嬉ばしき春の如くハリストスの神聖なる香を以て薫る、蓋爾は使徒等に效ふ者と為りて、爾の奇蹟の聲は全地に傳はる。爾は遠き者にも近きに在るが如く夢に現れて、非義の刑罰に定めらるる者を死より脱れしめ、爾を呼ぶ者を神妙に諸のわざわいより救ふ。故に我等常に爾を讃め揚ぐる者をも、爾の祈祷を以て我が遇ふ所の憂患より釋き給へ。
  第八調
克肖なる神゜父よ、爾の諸徳の果は信者の心を楽しませたり.蓋孰か爾の至極の謙遜、爾の忍耐、貧者に對する厚情、艱難に遭ふ者に對する慈憐を聞きて驚かざらん。成聖者ニコライよ、爾は衆人を宜しきに合ひて教へたり。今爾は凋まざる榮冠を冠れり、我等の霊の為に祈り給へ。
聖なるニコライよ、爾は暫時の生命に於て主の誉を望みて趨りしに、主は天の眞の生命に於て爾を榮せり。故に彼の前に勇敢を獲て、我等の霊を救はんことを祈り給へ。
  光榮、第六調。
善にして忠なる僕、ハリストスの葡萄園の工人よ、爾は終日の苦労をも忍び、爾に託せられし「タラント」をも益せり、又爾より後に来りし者を猜まざりき、故に天の門は爾の為に啓かれたり。聖なるニコライよ、爾が主の歓楽に入りて、我等の為に祈り給へ。
  今も、同調。
シオンよ、祝へ、イエルサリムよ、楽しめ、ハリストス神の城よ、洞及び芻槽に入り給ふ造物主を戴け。我の為に門を啓け、我此に入りて、襁褓に裹まるる赤子にして、其手に造物を保ち、天使等に絶えざる聲を以て歌はるる者、我が族を救ふ施生主を見ん。

  挿句に讃頌、第五調。
慶べよ、成聖せられし首長、諸徳の潔き堂、神聖なる神゜品職の模範、大なる牧者、最光明なる燈、勝利の名を負へる者、祈る者に慈憐を以て應へ、弱りたる者の求を速に納るる扶助者、凡そ信を以て爾の至榮なる記憶を尊む者の救を施す守護者、至りて福たる神゜父よ、世界に大なる憐を賜はんことをハリストスに祈り給へ。
句、聖人の死は主の目の前に貴し。
慶べよ、成聖せられし智慧、聖三者の潔き居處、教会の柱、信者の固、弱る者の扶助、嘉く納れらるる祈祷の光を以て常に誘惑と憂愁との闇を拂ふ星、度生の狂風に打たるる者の趨り附きて救を得る穏なる湊、成聖者ニコライよ、我等の霊に大なる憐を賜はんことをハリストスに祈り給へ。
句、爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悦ばん。
慶べよ、神聖なる熱心に満てられて、夢に現れ、恐るべき禁戒を以て非義の刑罰に定められし者を援けしニコライ、ミラに於て豊に香膏を流す泉、霊を潤して、諸慾の臭気を遠ざくる者、迷の稗を薙ぐ剣、アリイのからの教を吹き散らす箕よ、我等の霊に大なる憐を垂れんことをハリストスに祈り給へ。
  光榮、第六調。(修士イオアンの作)。
神の人及び忠なる僕、主の役者、慈愛を蒙れる者、選ばれたる器、教会の柱及び堅固、國の嗣よ、我等の為に主にびて黙す毋れ。
  今も、同調。(ワィザンティイの作)。
聘女ならぬ聘女、童貞女よ、爾は何れより来たる、爾を生みし父は誰ぞ、爾の母は誰ぞ、如何ぞ爾は造物主を手に抱く、如何ぞ爾の胎は害はれざりし。嗚呼至聖なる者よ、我等爾に於て至榮にして大なる恐るべき秘密の地に行はるるを見て、爾に適切なる事を備ふ、地には洞を、天よりは星を賜はんことを求む、博士は地の東より西に来る、芻槽の中に襁褓に裹まるる人の救を見ん為なり。
餅の祝福に讃詞、第四調、「行實は爾を牧群の為に」、二次、(小晩課に載す)。及び「生神童貞女よ、慶べよ」、一次。
【注意】徹夜堂課を行はざる處には大晩課に「主宰よ、今爾の言に循ひ」の後に讃詞を誦すること一次。光榮、今も、主日の生神女讃詞。

早課
「主は神なり」に讃詞、「行實は爾を牧群の為に」。二次
  光榮、今も、生神女讃詞、「是れ古世より隠されて」。
  「カフィズマの第一の誦文の後に坐誦讃詞、第一調。

成聖者神゜父ニコライよ、爾は有形にミラに居りて、無形に属神゜の香料を抹られたる者と現れたり。故に爾の奇蹟の香料を以て世界を薫らせ、爾に於ける芳しき歌頌と爾の記憶とを以て永遠に流るる香料を注ぎ給ふ。
  光榮
睿智なるニコライよ、爾は地に奇蹟の光明を輝かして、凡の舌を地上に爾を榮せし主に光榮と讃美とを歸せん為に動かす。神゜父の中に選ばれたる者よ、信と愛とを以て爾の記憶を尊む者が凡の危難より救はれんことを彼に祈り給へ。
  今も、生神女讃詞
至りて無てんなる者よ、爾は聖神゜に藉りて萬有の造成主神を胎内に孕み、そこなはれずして生み給へり。潔き童貞女よ、我等彼を讃榮して、爾を萬有の王の宮及び世界の保護として崇め歌ふ。
  第二の誦文の後に坐誦讃詞、第四調。
司祭首の最麗しき光榮及び令誉、福たる神゜父、克肖なるニコライよ、爾は信者の前に立ちて、彼等を庇ひ、護り、確に凡の憂患より脱れしめ給ふ。
  光榮、第八調
睿智にして福たる神゜父よ、爾は主より奇蹟の泉を受けて、衆信者に最甘き水を流す、蓋牧師及び教の宣傳者にして眞の牧者の言を守れり、故に彼の前に勇敢を有ちて、人々を死より救ひ給へり。福たる司祭首ニコライよ、愛を以て爾の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。
  今も、生神女讃詞。
我罪の泥に陥りて、起つ能はず、諸罪の狂風は大く我を溺らせり。生神女よ、爾は人を愛する惟一の主、言を生みし者として、我爾の僕を眷みて、諸の罪、霊を滅す諸慾、凶悪なる殺害者の凡の残害より脱れしめ給へ。純潔なる者よ、我に諸罪の赦を給はんことをハリストス神に祈り給へ、我爾の僕は爾を倚頼とすればなり。

  多燭詞の後に坐誦讃詞、第五調。
我等信者皆敬虔の心を懐きて、睿智なる司祭首、捧神なるニコライを、艱難憂愁に於て神より賜はりたる熱切なる扶助者及び保護者として、崇め讃めん、蓋彼は信を以て其神聖なる記憶を行ひて讃め歌ふ者の為に主に祈り給ふ。
  光榮、第四調
聖なるニコライよ、爾はハリストスの教会の最熱切なる前立者と現れて、毅然として諸異端の不虔なる教を破り、衆に正教の模範と為りて、凡そ爾の神聖なる教理と教訓とに遵ふ者の為に祈り給ふ。
  今も、生神女讃詞。
至浄なる女宰よ、速に我等の祷を納れて、之を爾の子及び神に獻げ給へ。至りて無てんなる女君よ、爾に趨り附く者を諸難より脱れしめ、爾の諸僕を害せんと欲する不虔者の謀を破り、狂暴を倒し給へ。

讃歌 成聖者の記憶に總ての讃揚詞(連接歌集から)
  右列詠隊始めて歌ふ。
成聖者神゜父(某)よ、我等爾を讃揚して、爾の聖なる記憶を尊む、爾は我等の為にハリストス我が神に祈り給へばなり。

  次ぎて同詠隊又歌ふ。
右、萬民之を聴け、全地に居る者皆之に耳を傾けよ。
左、我が口は睿智を出し、我が心の思は智識を出さん。
右、小子よ、来りて我に聴け、主を畏るる畏を爾等に訓へん。
左、我爾の義を大會の中に傳へたり、/爾の誠と爾の救とを宣べたり。/我爾の名を我が兄弟に傳へ、爾を會中に詠はん。/讃揚の聲を宜べ、爾が悉くの奇迹を傳へん。/主よ、我爾が居る所の室と、爾が光榮の住所の處とを愛せり。/我悪を謀る党を疾めり、不虔の者と偕に坐せざらん。/蓋我主の道を守り、我が神の前に悪者たらざりき。/義人の口は睿智を言ひ、其舌は義を語る。/其義は永く存す。/爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悦ばん。/爾の家に住む者は福なり、彼等は世々に爾を讃め揚げん。
  光榮、今も、「アリルイヤ」三次。



  品第詞、第四調の第一倡和詞。
  提綱、第四調。

聖人の死は主の目の前に貴し。句、我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。
「凡そ呼吸ある者」。福音經はイオアン三十六端。
  第五十聖詠の後に讃頌、第六調
神の嗣、ハリストスの友、主の役者たる聖ニコライよ、爾の度生は爾の名に適へり、蓋白髪と偕に智慧は光り、爾が面の麗しきは霊の順良を證し、言の慎やかなるは温柔を顕せり。爾の生命は光榮なり、寝も聖者と偕に在り、我等の麗の為に祈り給へ。

規程は生神女の、「イルモス」と共に六句に、及び聖人の二規程、八句に。
  生神女の規程、第一調。

  第一歌頌
イルモス、我等皆凱歌を以て、高き手にて神妙なる奇蹟を行ひて、イズライリを救ひし神に歌はん、彼光榮を顕したればなり。
睿智の淵を生みし潔き者、恩寵を流す泉よ、智慧の點滴を我に降し給へ、我が爾の諸恩の海を歌はん為なり。
讃美たる者よ、我は爾天使の諸品の歌頌する者を歌ふ、蓋爾は至りて讃美たる神を生み給へり、萬物は彼を讃め歌ふ、彼光榮を顕したればなり。
聖人の第一の規程、其冠詞は、ニコライよ、爾に神聖なる歌を奉る。フェオファンの作。第二調。
  第一歌頌
イルモス、
全く備はれる力は昔フアラオンの全軍を深水に敷き、人體を取りし言、讃榮せらるる主は萬の悪を致す罪を滅し給へり、彼厳に光榮を顕したればなり。
戴冠者、睿智なるニコライ、天軍と偕にハリストスの寶座の前に立てる至りて福たる者よ、我が霊の黒闇を照す光照を我に與へ給へ、我が喜びて爾の記憶を讃め揚げん為なり。
至榮なるニコライよ、主を讃榮する者を榮する主は、爾のおほひに趨り附きて、信と愛とを以て爾を呼ぶ者を誘惑より脱れしむる避所として、爾を信者に與へ給へり。  生神女讃詞
至りて凶悪なる蛇は我に造物主と儔しくならん望を入れて、我を虜として取れり。純潔なる者よ、我爾に喚び起されて、實に神成せられたり、蓋爾は、神の母よ、我を神成せし者を生み給へり。

  聖人の第二の規程、第一調。
  第一歌頌
イルモス、
ハリストス生る、崇め讃めよ、ハリストス天よりす、迎へよ、ハリストス地に在り、上れよ、地挙りて主に歌へよ、人々と、楽しみて讃め揚げよ、彼光榮を顕したればなり。
聖ニコライよ、我未熟なる舌と口とを以て僅なる讃美と祈祷とを神に效ひたる爾の秀徳に捧げん為に来れり。祈る、爾富を施す者として、我に救世主及び神の慈憐を與へ給へ。
やもめの速なる保護者、侵害せらるる者の防禦者、凡そ艱難に在りて憂ふる者の扶助者たる神゜父ニコライよ、爾は天の人にして、地に在りて天使と儔しき者と現れ給へり。
三重に福なるニコライよ、普天下は爾の諸徳の奇蹟の最多きを誥ぐ、貧者は爾を扶助者と為し、孤とやもめとは養育者と為し、瞽者は相と為し、衆人は守護者と為す。  聖三者讃詞
我は、造られざる聖三者、父、子、聖神゜、単一の神性を尊みて、敢て性を分たずして、位を三位に分つ。  生神女讃詞
至りて無てんなる者よ、爾は種なくして聖三者の一なる言を孕み、身にて之を生みて、産の後に舊の如く童貞女に止まる。彼を爾の子及び神として、我等の為に常に祈り給へ。
共頌、「ハリストス生る、崇め讃めよ」。

  第三歌頌
イルモス、
第二の天を水の上に固め、地を水に基づけし全能のハリストス神よ、願はくは我が心は爾の旨に固められん。
天よりも最潔き王の居處、眞に恩寵を噴き出す芳しき楽園、「ハリスティアニン」等の倚頼、我が神の母を我崇め歌ふ。
至りて祝讃せらるる者よ、爾は霊智及び無智なる萬有を言を以て無より有と為し、人々を無智より脱れしむる言を言に縁りて生み給へり。

  聖人の
イルモス、
主よ、荒地の如く實を結ばざる異邦の教会は、爾の来るに因りて、百合の如く華さけり、我が心は此に縁りて固められたり。
福たるニコライよ、爾は主宰の親しき門徒と為りて、爾に趨り附く者を甚しき禍及び苦しき死より救ひ給ふ。
慈憐の深き主よ、爾の役者ニコライの爾に於ける轉達に因りて、爾の諸僕を浄め、仁愛なるに因りて、彼等に諸罪の赦を賜へ。  生神女讃詞
至浄なる者よ、我が霊の煩悶を鎮め給へ、我が心の固と為る神を生みし至聖なる者よ、我が生命を治め給へ。

  
イルモス、
世の無き前に分離なく父より生れし子、末の日に種なく童貞女より身を受けしハリストス神に呼ばん、我等の角を高くせし主よ、爾は聖なり。
神智なるニコライよ、爾は心の中に多くの徳の石板、ハリストス神の不死なる至浄の指にて銘されたる者を獲て、爾の口より蜜に愈り、房より滴る蜜に愈る甘味を流し給ふ。
聖なるニコライよ、恩寵は爾に於て神妙に奇蹟を顕せり、蓋爾の潔き度生は實に純金よりも輝きて、神聖なる神゜の光を以て人々の闇き霊を照す。
爾は死の後にも生く、夢に現れて、爾は王に對ひて、猜忌に因りて讒言せられし者を侵す勿れと明に呼びて、神妙に少者を死より救ひ給へり。
  聖三者讃詞
至聖三者我が神よ、我無量の罪に因りて生命を汚しし者に慈憐を垂れ給へ。父、子、生活を施す神゜よ、我を諸方より護りて、常に憂に傷つけられぬ者と為し給へ。  生神女讃詞
生神女よ、爾は我等爾の諸僕に救の望を與へ給ふ。祈る、危難さいがいの時にも爾の亟なる祈祷を以て轉達して、我等を護りて助け給へ、爾は、永貞童女よ、我等信者の誉なればなり。
共頌、「世の無き前より分離なく」。

  坐誦讃詞、第八調。
神゜父ニコライよ、爾は諸徳の高きに登り、彼處より奇蹟の神聖なる光に耀きて、實に世界には最光明なる牧師、我等には勇敢に於て勝たれぬ轉達者と現れたり。故に爾は神妙に敵に勝ち、虚偽を斥けて、人々を死より救ひ給へり。愛を以て爾の聖なる記憶を尊む者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。
  光榮、又坐誦讃詞、同調。
ニコライよ、慈憐の淵は爾を豊に醫治を流す川、盡きざる奇蹟の泉と顕せり、蓋重き病を劇しく患ひ、度生の災難に甚しく艱まさるる者は、爾の熱切なる保護に於て、實に凡の憂愁を醫す良薬を獲るなり。故に我等爾に呼ぶ、愛を以て爾の聖なる記憶を祭る者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。
  今も、生神女讃詞。
我等全人類は爾を種なく神を身にて生みし童貞女、女の中に惟一なる者として讃美す、蓋神性の火は爾の内に入り、爾は赤子として造成者及び主を乳にて養ひ給へり。故に天軍及び人類は宜しきに合ひて爾の至聖なる産を讃榮して、同心に爾に呼ぶ、信を以て爾の至聖なる産に伏拝する者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。

  第四歌頌
イルモス、預言者アウワクムよ、爾は神゜にて言が人體を取るを預見して、傳へて呼べり、年の邇づく時爾は識られん、期の届る時爾は顕れん、主よ、光榮は爾の力に帰す。
エワは蛇の勧に由りて地上の者に死の縁由と為れり、爾は、潔き童貞女よ、言に由りて言を生みて、不死と生命との原因者と現れたり。故に我等宜しきに合ひて爾を歌ふ。
潔き者よ、諸預言者は神゜にて爾を山、門、案、聖なる約匱、燈、生命の寶座、壺及び榻と預見して、預象の中に爾を神の母と現せり、我等今此等の應ひしを見る。
  聖人の
イルモス、
童貞女藉りて来りし者は使者に非ず、天使に非ず、主親ら人體を取りて、我全き人を救ひ給へり。故に我爾に呼ぶ、主よ、光榮は爾の力に帰す。
爾は聖神゜の光線に近づきて、誠に光る者と為りて、世界の四極を照し、衆の為に轉達して、凡そ信を以て爾に趨り附く者を救ひ給ふ。
克肖なるニコライよ、爾が先に現れて少者を死より脱れしめし如く、斯く今も、至りて福たる者よ、我を諸の危難、誘感、さいがいより救ひ給へ。
至りて福たる者よ、爾は極めて善く主宰に效ふ者と為りて、諸徳の光を以て輝けり。爾は呼び上げられて、敬と愛とを以て爾を讃榮する者を救ひ給ふ。
  生神女讃詞
造物の主宰は爾に臨みて肉體を取り、仁慈なるに因りて我全き人を救ひ給へり、故に我等信者は爾生神女を讃榮す。
  

イルモス、
イエッセイの根より生ぜし枝及び其花なる讃美たるハリストスよ、爾は童貞女より出で給へり。形なき者且神よ、爾は夫に適かざる者より身を取りて、樹蔭繁き山より来給へり。主よ、光榮は爾の力に帰す。
成聖者ニコライよ、誠實に呼ばるる爾の名のみ熱心に爾に呼ぶ者を速に諸敵の悪謀より脱れしむ。先に軍将を救ひし如く、我等をも凡の烈しき艱難より救ひ給へ。
睿智にして奇異なるニコライよ、神の寶座の前に立ちて、我等衆爾の忠信なる僕の為に熱切に祈るを息むる毋れ、我等が永遠の火、又諸敵と、凶悪の舌と、諸難より救はれん為なり。
最光明なるニコライよ、爾は諸方に於て信を以て爾に趨り附く者に醫治を流し、衆を械より脱れしむ。故に神に納れらるる爾の祈祷を以て、我等の悲を喜に變じて、我が諸敵の驕慢を倒し給へ。  聖三者讃詞
我は無原なる神性の原始たる父、及び子を尊み、至聖なる神゜を崇め、萬有の造成者なる惟一の截られざる性、常に三位に分たるる一の分れざる権能を讃榮す。  生神女讃詞
神の母よ、爾は實に地上及び天上の者より最尊き者と現れたり、蓋種なく萬有の造成主を胎内に孕みて、實體の身を衣たる者として生み給へり、嗚呼新なる顕現や。
共頌、「イエッセイの根より生ぜし枝」。

  第五歌頌
イルモス、
人を愛する主宰、ハリストス我が神よ、朝に爾が誡の定の事を考ふる我等を永遠の明なる光にて照し給へ。
尊き女宰よ、爾は成聖の約匱、火の状の聖なる寶座、聖にせられし宮として、神全能者を容れ給へり。
惟一至浄なる者よ、爾は童貞女の内に婚姻に與らざる母、又母の内に童貞女として現れたり、蓋性を變易する神を言ひ難く生み給へり。
  聖人の
イルモス、
幽闇に居る者の光照、失望する者の救贖たるハリストス我が救主よ、我爾平安の王に朝の祈祷を奉る。爾の光を以て我を照し給へ、我爾の外に他の神を識らざればなり。
三重に福なる者よ、爾は最敬虔なる度生に輝きて、爾の現るるを以て不義の命に因りて死に定められし者を救ひ給へり、蓋彼等は主宰ハリストスに呼べり、我爾の外に他の神を識らず。
ハリストスの克肖なる最尊き役者よ、爾今天に永在の光榮を仰ぎ、言ひ難き神聖なる光の至りて光明なる輝煌を楽しみて、爾の轉達を以て我を庇ひ給へ。  生神女讃詞
救世主よ、爾は慾の中に葬られたる爾の像を求めん為に、天軍に隠れて、童貞女より身を取り、現れて人々に呼ばしめ給ふ、我等爾の外に他の神を識らず。
  
イルモス、
和平の神、仁慈の父よ、爾我等に和平を賜ふ爾の大なる議事の使者を遣し給へり。故に我等神を知る光に導かれて、夜過ぎて朝に爾人を愛する主を崇め讃む。
至りて福たる神゜父ニコライよ、今ミラの大城、リキヤの府主教区、及び諸族は爾の休徴、爾の奇蹟を傳ふ、爾は此等を以て衆を諸病諸憂より解き給ふ。
やもめの養育者、孤子の父、憂患に在る者の最懇切なる扶助者、泣く者の慰藉、凡そ迷ふ者の牧師及ビ嚮導者たるニコライよ、我等をも爾の祈祷を以て諸難より救ひ給へ。
神゜父ニコライよ、爾は地より無形の居處に移りて、彼處にハリストスの言ひ難き華麗を観、天軍と對話する者と為れり。故に使徒及び致命者と偕に喜びて、萬有の主宰に我等の為に切に祈り給へ。  聖三者讃詞
我同無原なる三者、一座にして分れざる惟一の神性の各位を崇め讃む、彼に由りて我は無より有に出されて、諸天使と偕に呼ぶ、聖、聖、聖なる哉主や。
  生神女讃詞
人々の拯救、衆の倚頼、疾く現れて助を予ふる潔き者よ、今も我等爾に呼ぶ者を憐みて、烈しき攻撃の中に於て常に我等を護り給へ、我等には神の前に爾の外他の轉達者なければなり。
共頌、「和平の神、仁慈の父よ」。

  第六歌頌
イルモス、
我預言者イオナに效ひてぶ、仁慈なる者よ、我が生命を淪滅より援けよ。世界の救主よ、我光榮は爾に帰すとぶ者を救ひ給へ。
信者の保護、悲しむ者の歓喜よ、我等爾の保護を慕ふ爾の諸僕を属神゜の楽と喜とに富ましめ給へ。
霊智なる天、最潔き堂、聖なる約匱、我が生命の樹の植えられたる最美しき神の楽園は歌はるべし。
  聖人の
イルモス、
我罪の淵に溺れて、爾が憐の量り難き淵に呼ぶ、神よ、我を淪滅より引き上げ給へ。
ニコライよ、勝利の榮冠は宜しきに合ひて爾の首に置かれたり、最有力なる勝利者として、爾を呼ぶ者を救ひ給へ。
福たる者よ、我諸罪に殺され、諸慾の狂風にて溺らさるる者を、現れて神の旨の湊に向はしめ給へ。  生神女讃詞
母永貞童女よ、我救の望を爾に負はしめ、爾を我が生命の堅固にして動かされぬ轉達者と為す。
  又
イルモス、
海の猛獣はイオナを受けしまま産児の如く腹より出せり。童貞女に入りて身を受けし言は其傷なきを守りて通れり、蓋自ら壊に従はず、生みし者をも、そこなはずして守り給へり。
神゜父ニコライよ、爾は新なるアウラアムと現れたり、蓋爾の智慧を獨生の子として爾の主宰に攜へて、常に無血の祭を獻げたり。故に懇に遠人を待ふ者として祝福せられて、聖三者の神聖なる無てんの居處と為れり。
ニコライよ、爾は全地及び遠く海に難に遭ふ者の為に速なる祈祷を以て轉達して驚くべく畏るべき奇蹟を行ふ。爾は病める者には醫師、貧しき者には養育者、衆信者には敵に對して勝利と同名なる者と現れ給ふ。
爾は智慧の目を以て将来を預見して、四極を正教の定理に満たしめ、子が父と一性なるを我等に傳へて、アリイの狂妄を滅し、正教会の柱と為りて、己の尊き功徳を模範として我等に進め給へり。  聖三者讃詞
分れざる聖三者、恒に三位に分たれ、神性に於て一に合せらるる父、子、聖神゜、全能を以て萬有を宰り、萬有を己の旨に循ひて護り給ふ神を我尊み崇む。
  生神女讃詞
至浄なる者よ、ハリストス神は爾の胎内に全うして入り、種なく身を取りて生れたり、蓋己の手の造物が凶悪者より苦しめらるるを見るに忍びずして、僕の形を以て人類を救はん為に来り給へり。
共頌、「海の猛獣はイオナを」。

  小讃詞、第三調。
聖なる者よ、爾はミラ城に在りて聖なる務を行へり、克肖者よ、爾はハリストスの福音に遵ひて、爾の生命を爾の人々の為に捐て、罪なき者を死より救ひ給へり。故に聖にせられて神の恩寵の大なる秘密者と為れり。
  同讃詞
人々よ、我等歌を以て今ミラの成聖者、牧者及び教師を歌はん、彼の祈祷に由りて光照せられん為なり。蓋視よ、彼は霊と體との潔められたる司祭首として、全く潔く神゜に疵なき者、無てん至浄にして神に嘉く納れらるる祭をハリストスに獻ぐる者と現れたり。故に實に教会の轉達者及び守護者として、神の恩寵の大なる秘密者と為れり。

  第七歌頌
イルモス、
救世主よ、爐は露を注がれ、少者は楽しみて歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
潔き者よ、至上者は爾を霊ある楽園、恩寵を備へたる宮、金飾の王衣及び天と現し給へり。
母童貞女よ、爾の庇護を以て我が變り易き智慧を堅固にし、亂れ易き思念を動かざる石に固め給へ。
  聖人の
イルモス、
黄金の偶像がデイルの野に奉事せられし時、爾の三人の少者は神に逆ふ命を顧みずして、火の中に投げられ、涼しくせられて歌へり、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
我劇しき誘惑に陥りて、大く傷つけられ、地獄の門に近づきて、甚しく悲しむ。福たる者よ、爾の祈祷を以て我を起して救ひ給へ、蓋、我歌ふ、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
暮れざる光の無形の光線に照さるる者よ、憂愁の闇に悩める者を引き出して、欣喜の光照に導き給へ、蓋彼等歌ふ、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
  生神女讃詞
童貞女神の母よ、ハリストス爾の子及び神に、甚しき罪と蛇の誘惑とに害せらるる者が彼の尊き血に由りて脱されんことを祈り給へ、蓋彼等歌ふ、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
  又
イルモス、
偕に敬虔に養はれし少者は、不虔の命を顧みずして、火の嚇を恐れず、乃の中に立ちて歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
凡の劇しき病の極めて有能なる醫師、神゜父ニコライよ、現れて我が霊の衰弱を醫し、我に健康を與へて、呼ばしめ給へ、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
聖なる者よ、爾は昔軍将を死より救ひて、之れをして熱き信を以て救世主ハリストスを歌ひて讃榮せしめたり、彼等呼べり、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
神゜父ニコライよ、爾は秘密に爾の口を睿智の器に近づけて、彼處より蜜に愈り、房より滴る蜜に愈る不死の水を斟みて、人々に呼ばしむ、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。  聖三者讃詞
聖三者、三光にして一性なる惟一者よ、我等爾を歌頌す。父、子、聖神゜よ、我等皆爾の名に因りて洗を受けて歌ふ、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
  生神女讃詞
一切の造物より上なる生神女よ、實に爾を尊む我等が苦より救はれんことを爾の子及び神に祈り給へ、蓋我等歌ひて呼ぶ、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
共頌、「偕に敬虔に養はれし少者は」。

  第八歌頌
イルモス、
諸天使と悉くの軍とが造物者及び主として畏るる者を、司祭よ、歌頌し、少者よ、讃榮し、人々よ、崇めて萬世に讃め揚げよ。
童貞女よ、爾は生ける宮、又萬有の王の活ける紅の衣と現れて、神人言の身は此の裏より輝き出でたり。
至浄なる者よ、爾は造成者及び神として其手に萬物を持つ主を妊み給へり。彼は言ひ難く暁り難く我等の為に我等と儔しき人と為りて、原性に離れざりき。
  聖人の
イルモス、
火の爐の中にエウレイの少者に降りて、焔を露に變ぜし神を、造物は主として歌ひて、萬世に崇め讃めよ。
福たるニコライよ、爾は仁慈慈憐なる者として、甚しき誘感の深處に圍まるる者を釋き給へ。聖なる秘密者よ、救世主ハリストスに獻ぐる爾の祈祷を以て彼等を危難より脱れしめ給へ。
智慧に超ゆる事の秘密者、天に属する聖務の役者、光明なる神智者、忠信なる司祭首よ、我等の救世主に我が諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
  生神女讃詞
我が智慧は今耻辱の深處に陥りて弱る、諸方より諸の悪に圍まれたればなり、祈る、童貞女よ、爾我を醫して、無慾の光を被らせ給へ。
  
イルモス、
露を出す爐は天然に超ゆる奇蹟の象を顕せり、蓋受けし所の少者を焚かず、神性の火が入りし所の童貞女の腹を焚かざる如し。故に我等歌ひて呼ばん、悉くの造物は主を崇めて、萬世に讃め揚げよ。
列祖及び使徒の品位、神゜品致命者の群、預言者の會、修齋者の隊は爾の神聖なる度生を讃美す。彼等と偕に我等も呼ぶ、悉くの造物は主を崇めて、萬世に讃め揚げよ。
至上なる萬有の王、至大なる権能者、言よ、克肖なる牧者の祈祷に因りて衆「ハリスティアニン」の生命を平安にし、我等の皇帝に敵に對する勝利を賜へ、我等皆爾ハリストスに呼ばん為なり、悉くの造物は主を崇めて、萬世に讃め揚げよ。
近づき難き光に照されたる神゜父よ、爾は憂の中に在る霊を輝かして、誘惑の悉くの闇を拂ひ、欣喜の光線を以て我等の心を明し給ふ、我等之に光照せられて呼ぶ、悉くの造物は主を崇めて、萬性に讃め揚げよ。
  聖三者讃詞
我等忠信に一生と三生、一光と三光なる聖三者、父、子、聖神゜を歌頌して、諸神゜父の神聖なる教に従ひ、彼等と偕に敬虔に歌はん、悉くの造物は主を崇めて、萬世に讃め揚げよ。  生神女讃詞
潔き少女よ、昔棘はシナイ山に於て焚かれずして燃えて、爾の産の奇異なる秘密の状を預象せり、蓋爾の内に入りたる神性の火は爾をそこなはるるなく護れり、故に我等爾を萬世に歌ふ。
共頌、「露を出す爐は」。

  第九歌頌
イルモス、
生命を容れし常に流るる泉、恩寵の光を施す燈、活ける殿、無てんなる幕、天地より廣き者たる生神女を我等信者は崇め讃む。
恩寵を流す泉、飲みて世々に渇かざる諸恩の川を生みし者よ、我諸悪の焔に焚かれて、甚しく弱りたる者に爾の恩寵の流を注ぎ給へ。
萬有の女宰よ、我爾を新娶者の美しき殿、主宰の活ける宮、精金の王衣、極めて華麗なるハリストスの居處として祈る者を救ひ給へ。
  聖人の
イルモス、
無原の父の子、神と主は、童貞女より人體を取り、我等に顕れて、昧されし者を明かし、散らされし者を集め給へり。故に我等讃美たる生神女を崇め歌ふ。
恩寵の光に輝かされて、敬虔の明なる燈と為りし至りて福たる神智者よ、爾は霊妙にして誘惑に遭ふ者を助け、海の深處に在る者を救ひ、饑うる者を養ひ給ふ。
今楽しき楽園に居り、明に言ひ難き光榮を仰ぎ見る至りて福たる捧神者よ、爾は天の穹蒼より爾を歌ふ者を瞰みて、之を諸難より救ひ給ふ。
  生神女讃詞
潔き神の母よ、爾は父の睿智、能力、實在の言を爾の至浄なる血より生み給へり、爾に藉りて彼の神性は我が人性に分離なく一位に合せられたり。
  又
イルモス、
我奇異にして至榮なる秘密を瞻る、洞は天と為り、童貞女はヘルワィムの寶座と為り、芻槽は容れ難きハリストス神の臥し給ふ置き所と為れり、我等歌ひて、彼を崇め讃む。
祭を敬愛する者は皆神゜を以て祝へ、天は楽しめ、山と丘、諸教会と童貞女及び修齋者の會は至りて福たる者の記憶に於て歓べ、我等斯の日に集まりて、救世主を崇め讃む。
四極は常に歌を奉りて、讃美の榮冠を以て欣ばしくハリストス神の役者ニコライの首を飾るべし、願はくは我等は彼の祈祷に依りて諸慾諸難より救はれん。
三重に福たるニコライよ、ハリストスがやもめの二「レプタ」を受けし如く、爾は此の些少なる勤労の詩賦を宜しきに合ふ者として受けて、作しし所を忌む勿れ、蓋浮誇に由るにあらず、熱愛を以て敢て之を為せり。
  聖三者讃詞
聖三者は一性の旨に合せられ、又各位に分離なく分たれ、常に同一の権柄を有つ父、子、及び生活の神゜、惟一にして三位なる神なり。我等彼を崇め讃む。
  生神女讃詞
潔き生神女、婚姻に與らざる者よ、爾の産に由りて悉くの愁は解かれ、主は凡そ地上の者の面より哭泣と悲歎と涕涙とを除き給へり。故に我等職として爾を崇め讃む。
共頌、「我奇異にしい至榮なる秘密」。

  光耀歌
我等皆大なる牧師長及び司祭首ミラリキヤの座主ニコライを讃め揚げん、蓋彼は非義に死罪に定められし多くの人を救ひ、王及びアウラワィイに夢に現れて、非義の定罪を釋き給へり。
  光榮
成聖者ニコライよ、爾が存命の時及び逝世の後に、主は奇蹟を以て大に爾を榮せり、蓋孰か信を全うして唯爾の聖なる名を呼びて、直に聆き納れられて、爾を熱切なる轉達者として獲ざる者あらん。
  今も、生神女讃詞。
實在の智慧、永在の言、及び衆の醫師たるハリストスを生みし童貞女よ、我が霊の甚しき多年の疵と傷とを醫し、我が心の慾の念を殺し給へ。
「凡そ呼吸ある者」に讃頌、六句を立つ、第一調。
神゜父よ、爾は動きなく至高なる智慧を仰ぎ、奥密なる睿智の深處を瞻て、爾の教を以て世界を富ませり。成聖者ニコライよ、我等の為に常にハリストスに祈り給へ。
神の人及び忠なる役者、其機密の宰、神の慈愛を蒙れる者、活ける柱、聖神゜に感ぜられし克肖者よ、ミラの教会は爾を奇とし、爾を神聖なる寶及び我が霊の祈祷者として受けたり。
  又讃頌、同調。
三重に福たるニコライよ、爾は上なる天使等の巣の雛として、教会の花を飛び繞りて、常に我等衆、艱難誘感に在る者の為に神に呼びて、爾の祈祷を以て救ひ給ふ。
捧神なる神゜父よ、爾は實行の諸徳を以て聖にせられし衣の美しきを至りて輝く者と為せり。故に光榮なる奇蹟の聖なる行為者よ、爾は我等の為に奇異なる事を行ひて、我等を諸難より救ひ給ふ。
聖なる者よ、爾は無形の者の美徳を抱きて、諸聖者の夫の驚くべき光榮を暁れり。故に至りて聖にせられし神゜父よ、爾は天上の永久なる霊現の事を我等に顕し給ふ。
神゜父よ、爾が夢の中に敬虔なる王に現れて、囚人を死より救ひし如く、今も我等宜しきに合ひて爾を讃美する者が爾の祈祷に由りて誘惑と災禍と疾病より救はれん為に常に祈り給へ。
 
 光榮、第五調。
捧神なる神゜父の周年の祭に於て我等は歌のラッパを吹き、楽しみて祝ひ、歓びて慶賀せん。諸王諸よ、疾く来りて、夢の中に畏るべき現れを以て王に無罪にして執はれたる三人の軍将を赦さんことを説得せし者を歌頌すべし。諸牧師諸教師よ、共に集まりて、善き牧者に熱心に效ひたる牧師を讃め揚げん。病を負ふ者は醫師を、艱難に在る者は救助者を、罪人は轉達者を、貧者は財寶を、悲しむ者は慰むる者を、旅する者は嚮導者を、航海する者は舵手を、衆人は諸方に於て熱心の扶助者たる大なる司祭首を讃め揚げて、斯く言はん、至聖なるニコライよ、勤めて我等を現世の諸難より脱れしめて、爾の祈祷を以て爾の牧群を救ひ給へ。
  今も、生神女讃詞。(總主教ゲルマンの作)。
我等歌の角(らっぱ)を吹かん、蓋萬有の女王、母童貞女は上より臨みて、祝福を以て之を歌頌する者に冠らせ給ふ。諸王諸よ、疾く来りて、先に死に縛られたる者を仁慈に因りて釋き給ひし王を生みたる女王を歌を以て歌頌すべし。諸牧師諸教師よ、共に集まりて、善き牧者の至浄なる母を讃め揚げん。輝ける燈、光れる雲、天より廣き者、活ける約匱、主宰の火の状の寶座、「マンナ」を納るる金の壺、言の闔したる門、衆「ハリスティアニン」の避所を属神゜の歌を以て崇め讃めて、斯く言はん、言の宮よ、我等卑微なる者を天國に堪へさせ給へ、爾の轉達には能はざる所なければなり。
 
 大頌詠。發放詞。

  第一時課。

聖體禮儀

眞福詞は、第一の規程の第三歌頌及び第二の規程の第六歌頌。
  提綱、第七調

義人は主の為に楽しみて、彼を恃まん。句、神よ、我が祷の時我が聲を聴き給へ。
使徒の誦讀はエウレイ書三百三十五端。「アリルイヤ」、第四調、爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悦ばん。
  福音經の誦讀はルカ二十四端。
領聖詞、義人は永く記憶せられ、悪評を懼れざらん。(111聖詠)