8月16日/29日

我が主イイススハリストスの自印聖像を

エデスよりコンスタンティノポリに移しし祭日


晩課

「主よ、爾にぶ」に讃頌、六句を立つ。就寝祭の三、及び聖像の三。

  就寝の讃頌、第二調。

我等何の不當の口を以てか生神女を讃美せん、彼は造物より最尊く、ヘルワィム及び衆天使より最聖なり、彼は天の王の宝座、至上者の住み給ひし宮、世界の拯救、神の至聖所なり。彼は信者に其神聖なる記憶に於て豊に大なる憐を賜ふ。

童貞女よ、言の使徒等が其の時爾の牀を繞りて立ちて、爾に奉りし歌は如何に荘厳なる。彼等は奇として呼べり、王の宮は離る、成聖のは挙げらる、門よ、挙がれ、神の門は歓楽に入りて、世界の為に常に大なる憐を求めん。

至聖なる者よ、我等今何の属神゜の歌をか爾に奉らん、蓋爾は己の不死の就寝を以て全世界を聖にして、天上に移り給へり、全能者の純美を仰ぎて、彼と偕に母として悦ばん為なり。潔き者よ、天使の品位び義人等の霊は爾を舁ひ奉る。彼等と偕に我等の為に平安及び大なる憐を求め給へ。

  又聖像の讃頌、同調。

ハリストスよ、我等地に生るる者は何の目を以てか神聖なる光にて輝ける爾の聖像、天軍も輙く見るを得ざる者を見ん、蓋此は今日神の指麾に因りて不信者の地より出でて、王城及び敬虔なる民に臨む。諸王は其来るを迎へ、畏と信とを以て是に伏拝す。

言よ、我等諸罪に汚れたる地上の者は何の手を以てか爾罪なき我が神の聖像に触れん、爾は汚れたる者の為に近づき難し。ヘルワィムは爾の前に戦きて目を蔽ひ、セラフィムは爾の光栄を見るに勝へず、造物は畏懼を以て爾に役す。ハリストスよ、我等信を以て慄きて不當に爾の聖像に接吻する者を罪する勿れ。

復主宰の祭の神聖なる日は至れり、蓋視よ、最高きに坐する者は今其尊き聖像に由りて明に我等に臨み給へり。彼は最高きに於てヘルワィムに見られざれども、我等の像を受くる者として、印像に因りて我等に見らる、蓋彼は父の像にして、父の至浄なる指を以て言ひ難く像られたり。我等は信と愛とを以て其聖像に伏拝して、聖にせらる。

  光栄、第八調。

人を愛する主宰よ、爾の摂理の淵は大なる哉、蓋爾は代代に爾の造物に恩を施さんと欲して、己の至浄なる面の姿を形りて、爾神性に由りてはヘルワィムにも見られざる主を見んことを望みし信なるアウガリに遣し給へり、我等が爾身を取りて甘じて我等の為に苦を受けし主の像を見て、爾が我等に注ぎたる大なる慈憐に因りて、爾を愛する愛を燃さん為なり。

  今も、同調。

今日童貞女の會は奥密に童貞女及び母の牀の周辺に立ち、義人等の霊も繞りて女王を讃栄す。彼は香料の代に禮物として童貞を捧げ、此は徳と共に無形の歌を奉る、蓋神の母に、其女王たるに因りて、輝ける王たる諸徳の獻ぜらるるは宜しきに合へり。彼等と共に我等も潔き度生を具へて、我が神の母の葬りに會して、心を合せて属神゜の歌頌と詩賦とを以て彼を讃揚せん。

  挿旬に就寝の讃頌、第四調。

火の状の車が、義なるイリヤに於ける如く、爾を地上より移ししにあらず、即義の日親ら爾の至聖なる霊を、至りて無てんなる者として、其手に接けて、己の内に安息せしめ、霊妙に爾潔き者を尊みて、智慧に超ゆる歓喜に移し給へり。

句、主よ、爾及び爾が能力の匱は爾が安息の所に立てよ。

嗚呼祭祀を敬愛する者よ、来りて、今日神の母の聖なる逝世を楽しみて祭らん。蓋彼は實に喜びて、其神聖なる至りて潔き霊を先には永在の父より、後には彼の胎より輝きしイイスス我が神の手に付して、我等の救はれんことを祈り給ふ。

句、主は真實を以てダワィドに誓ひて、之に背かざらん。

至りて驚くべき奇蹟や、容れ難き王を胎内に宿しし者は柩に置かれ、天使の會は使徒等と偕に其神を容れし尊き体を敬畏を以て葬る、イイスス彼の子、我が霊の救主は之を挙げて、天に升せ給へり。

  光栄、第六調。

主よ、爾は望みし如く身を取り、甘じて我等の貧しきを受け、爾の慈憐の富を顕して、我塵なる者を神成し給へり。人を愛する主よ、我等爾の容貌の像を見て、爾を讃栄す。救世主よ、此に因りて爾の諸僕の罪過を顧みずして、彼等に妨げなくエデムに入るを得しめ給へ。

  今も、第八調。(帝レオの作)。

生神女よ、イイスス爾の子我が神は其二性を信ぜしめて、人として死し、神として復活す。神の母よ、彼は爾にも性の法に循ひて死するを容せり、不信の者が爾を幻像と思はざらん為なり。爾天の聘女は地上なる爾の住居の殿より挙げられて、天の方に移り給へり。嘗て地が爾の誕生を以て照されし如く、空気は爾の登遐に由りて聖にせられたり、諸使徒は爾を送り、諸天使は接く。故に爾の至浄なる体を蔵め、輓送の歌を歌ひ、驚きて見、畏れて言へり、是れ至上者の右の手の變易なり、彼は爾の中に在りて爾撼かざらん。嗚呼讃美たる母よ、求む、我等を眷みて、離るる毋れ、蓋我等は爾の民、爾の草場の羊なり、爾の名を呼びて、爾に依りて救と大なる憐とを求む。

  聖像の讃詞、第二調。

仁慈なるハリストス神よ、我等爾が至浄の聖像に伏拝して、我が諸罪の赦を求む、蓋爾は己の造りし者を敵の奴隷より救はん為に、甘じて身にて十字架に升り給へり。故に我等感謝して爾に呼ぶ、世界を救はん為に来りし我が救世主よ、爾は衆人を欣喜に満て給へり。

  光栄、今も、生神女祭の讃詞、第一調。

生神女よ、爾は産む時童貞を守れり、寝る時世界を遺さざりき。爾は生命の母として生命に移れり、爾の祈祷を以て我等の霊を死より脱れしめ給ふ。

 

早課

「主は神なり」に聖像の讃詞、二次。光栄、今も、生神女祭の。

  「カフィズマ」の第一の誦文の後に坐誦讃詞、第一調。

測り難き救世主よ、爾見らるる者と為りしに、爾の恩寵は我等に注がれて、幽暗の迷は滅えたり。故に爾の顔の光に我等の足を向はしめ給へ、我等が爾の誡を履みて、爾近づき難き光を見るを得ん為なり。二次。

  光栄、今も、第四調。

至聖至浄なる女宰、祝福せらるる讃美たる生神女よ、天軍は敬みて爾の逝世を仰ぎ、門徒の會は爾より生れし者の旨に由りて集まり、楽しみて爾の尊き体を楽園の為に備へて、世々に生命を施すハリストスを歌へり。

  第二誦文の後に坐誦讃詞、第五調。

主宰よ、爾は父と同無原なる永遠の子、性に由りて見るべからず触るべからざる者にして、言ひ難き慈憐に因りて時に遵ふ者と為りて、我等に爾が形るべき肉体の敬愛なる聖像を遺し給へり、我等の霊の救の為なり。二次。

  光栄、今も、祭日の、第四調。

爾は我等の為に爾より身を取りし者の手に霊を付し、其爾の造成主及び神なるに因りて不朽の生命に移り給へり。故に我等皆爾惟一清浄無垢なる者を實に生神女と承け認めて、爾を尊敬讃美して呼ぶ、爾が移りし所のハリストスに我等の霊を救はんことを祈り給へ。

規程は、生神女祭の、「イルモス」と共に六句に、(第784頁を看よ)又聖像の、六句に。

聖像の規程.其冠詞は、救世主よ、我爾の印せられたる像を尊む。總主教ゲルマンの作。第六調。

  第一歌頌

イルモス、イズライリは陸の如く淵を踏み渡り、追ひ詰めしファラオンの溺るるを見て呼べり、凱歌を神に奉らん。

先に身なき者にして、父の恩恵に由りて我等に似たる身を衣るを辭せざりし主は、其容貌の神聖なる印像を我等に賜へり。

變易なき性、父の純全なる像は人の身を受けて、天に升らざる先に、地に於て其身の肖像を我等に貽し給へり。

ハリストスよ、爾は諸敵の誘惑に動かさるる爾の嗣業を直くして、爾の尊き苦難と容貌の印像とを以て之を固め給へり。

天地の王の印像、身を取りし主の自ら造りし者が王城に遷さるるは宜しきに合へり、是れハリストスを愛する王及び信者の勤勉に因りて今行はれたり。  生神女讃詞

至りて無てんなる者よ、我等を人として造りし主は爾の潔き胎より性に超えて親らも身を取りて、天の父の懐を離れざれども、我等に見らるる者と為り給へり。

祭日の共頌、「童貞女よ、神妙の光栄に妝はれたる」。

  第三歌頌

イルモス、爾が信者の角を高うし、我等を爾が承認の石に堅めし仁慈の主、吾が神よ、爾と均しく聖なるはなし。

救世主よ、爾は王の心を爾の肖像を求めん為に動かして、尊き教會に諸徳の衣を衣せ給へり。

猜忌の父は善美なる物を奪ひ、時の久しきを以て残はんと欲して、妄に之を穢はしき手に付したれども、空しく謀る者と現れたり。

昔ダワィドは欣然として喜びて、聖なる約匱の前に躍れり、今王の帝笏を執れる者は神聖なる像の為に更に多く喜ぶ。

ハリストスよ、爾先には人を己の像に従ひて造れり、後には慈憐に由りて自ら人の像を受け給へり。故に我等は諸天使と偕に爾實に變易なき像を受けし者を讃栄す。  生神女讃詞

潔き童貞女よ、爾の子は原祖の犯罪を根より絶たんと欲して、爾の胎より全き人の性を取り給へり。

  生神女祭の小讃詞及び同讃詞、(第790頁を看よ)。

  次に聖像の坐誦讃詞、第一調。

エデスの王は爾を帝笏或は軍にあらず、乃多くの奇蹟を言にて顕す萬有の王と識りて、切に神人の記號を得んことを求めたり。遂に爾の肖像を見て呼べり、爾は我の神及び主なり。二次。

  光栄、今も、同調。

至浄なる生神女よ、神聖なる使徒の會は集まりて、恭しく爾を葬り、天使の品位も彼等と偕に爾の逝世を歌頌讃栄せり。潔き者よ、我等信者も彼等と偕に愛を以て喜び、讃美の歌を爾に奉りて呼ぶ、常に爾を尊む者の轉達者よ、慶べ。

  第四歌頌

イルモス、尊き教会は浄き心より主の為に祝ひ、神に適ひて呼び歌ふ、ハリストスは吾が力と神と主なり。

日の光は目の為に欣ばしハリストスよ、爾の肖像の顕現は更に欣ばし、蓋彼は物質の者を照し、此は霊智の者を照す。

イズマイル民の手の力は竭きたり、蓋睿智なる王は十字架の武器の垣を己の地に繞らせり。

諸王と地の諸有司、諸成聖者と萬民、今日ハリストスを見るを得たる者は彼を讃め揚げよ。  生神女讃詞

至浄なる者よ、切に求む、我等の都邑が諸敵の攻撃に悩まされずして護られんことを祈り給へ、衆くの者は我等を謀ればなり。

  第五歌頌

イルモス、至仁なる神の言よ、切に祈る、爾に朝の祈祷を奉る者の霊を爾が神の光にて照して、爾罪の暗より呼び出す真の神を知らしめ給へ。

ハリストスよ、昔アウガリ王は愛を以て其小き邑を爾の居處に進めたり。此の懇誠の為に爾の書と爾の面の神聖なる肖像と、又ファデイの来るを以て体の病及び霊の救を得たり。

ハリストスよ、爾の慈憐の恩賜は加はれり、蓋先にエデスが有ちて其美誉と為しし者を、今新なるロマは受けて喜ぶ。

主の目は義なる王を顧み、其耳は宜しきに合ひて其自印の肖像を尊む敬虔なる王の祈祷を聆く。  生神女讃詞

童貞女よ、諸敵の攻撃を遏め、其謀を破り、爾の嗣業を助け給へ、我等が諸難に圍まるるを見ればなり。

  第六歌頌

イルモス、イオナは鯨の腹に包まれたれども、長く留められざりき。蓋爾苦を受け、ほうむりに付されし者を像りて、猛獣より出でしこと宮より出づる如く、爾の墓を守る者に呼べり、徒に虚しく守る者よ、爾等己の矜恤者を棄てたり。

人の諸子より最美しき救世主よ、苦難の時に爾の容貌の顕現は華栄もなく、美麗もなかりきと雖、實に萬有を照して明にせり。斯の容貌の形像は古びたる布に於て我等に宝として賜はりたり。

ハリストスよ、昔約匱が異邦民より還されし如く、今爾の面の肖像はアガリ民より新なるイズライリに還されたり、蓋聖物を犬に與ふるは宜しからざりき。

仁慈なるハリストスよ、爾無形なるヘルワィムの近づき難き者は地獄にまで降り、朽ちて下に臥せる我等を天の國に升せ給へり。此の國の事を知らざりしアウガリに爾の使徒は遣されて、秘密を明す。  生神女讃詞

救世主よ、我爾の強き手より離れたれども、婚姻に與らずして爾を生みし者の祈祷に由りて、爾は、言よ、爾の打撃を我より去り給へり。惟一の贖罪主よ、祈る、我が諸罪の暴風に由りて溺らされて亡ぶるを容す勿れ。

  小讃詞、第二調。

像られぬ父の言よ、我等は人々に於ける爾の言ひ難き神聖なる摂理を熱信に承け認め、爾が實に人体を取りしことを像れる神印の聖像を勝利を與ふる者と知りて、之を尊みて接吻す。

  同讃詞

主は其人体を取りしことの驚くべき奥密を人々に信ぜしめん為に、己の神人の像を自ら布に印し、其の原像を橄欖山より升せ、父と偕に宝座に坐せしめて、無形なる天使等に伏拝せしめ、原像の形象を我等に賜ひて、伏拝せしむ。我等は霊と心とを以て之を抱きて尊みて接吻す。

  第七歌歌頌

イルモス、少者はワワィロンに於て爐のを懼れざりき、乃火の中に投げられて、霑されて歌へり、主吾が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

神の言よ、爾は地に歩む時、言を以て凡の病を退けたり、父の宝座に升りては、聖像を以て我等の病を醫し給ふ。

言にて萬物を造りし主は人の形を受けて、其容貌の肖像を我等に貽し給へり、我等之を戴きて、喜びて楽しむ。

主よ、信なる王は霊を全うして爾の容貌の形像を求めしに、其求めし如く之を受けて、神聖なる望の應ふを得たり。

我等は神を見る為に目を具へ、宜しきに合ひて、ハリストスの最尊き聖像を仰ぎて、救を獲ることを務めん。  生神女讃詞

至りて無てんなる者よ、爾の産に由りて人類は古の定罪より釋かれたり、蓋神は爾独を天より廣き者と見て、爾の内に入り給へり。

  第八歌頌

イルモス、福たる少者はワワィロンに於て先祖の律の為に危を顧みずして、君の無知なる命を軽んじ、火に擲たれて其中に焚かれずして、全能者に適ふ歌を歌へり、造物は主を歌ひて、萬世に崇め讃めよ。

洪恩なる主よ、王城の最著しき人々は、皆面を合せて爾主を見んとするが如く、出でて厳に爾を迎へ、司祭長の神聖なる會は前行せり、爾は其肩に載せられて、爾の嗣業の中に入り、爾の母の聖堂に安息し給へり。

昔爾が預言者を殺す城に入る時、無垢なる幼童の口は爾を讃揚せしに、エウレイ民の不法の會は怒を含みて、爾に向ひて兇殺の手を備へたり。今王城の民は皆共に奔り出でて、爾を造成主と見て、喜びて爾の容貌の聖像を受く。

尊きアウガリ王よ、爾は神が書しし石板を受けたる見神者モイセイよりも著しき者と為れり、未奇蹟者を見ずして之を信ぜし爾を賞する神の言の尊き書を受けたればなり。  生神女讃詞

至浄なる生神女よ、父の大なる議事の使者は肉体を衣んと欲して、爾の腹の中に全く之を受けて、爾を母と為し、朽ちたる人性を新にし給へり。我等皆彼を造成主と尊みて世々に崇め讃む。

  第九歌頌

イルモス、信者よ、来りて、高きを仰ぐ智慧を以て、高き處に設けられたる主宰のもてなしと不死の宴とを楽しみ、我が讃め揚ぐる言に教へられて、来りし言を悟らん。

救世主よ、無智の民は爾に向ひてそしりを吐き、諸恩に易へて爾を苦に遭はせたり、然れども我等遠く離れたる者は此の苦に因りて神の子たるを得たり。

主宰よ、敬虔にして信なる諸王に敵に對して援を予へ給へ、彼等が爾の肉体の肖像を毀られぬ垣と有ちて、此を以て救を獲ん為なり。

父の易らざる像、永在の光栄なる光のW煌、至上者の印、言、力、及び睿智よ、我等爾を讃め揚ぐる者に慈憐を垂れ給へ。  生神女讃詞

至りて無てんなる者よ、爾に藉りて肉体を衣たる言は地に現れたり、彼は一位にして二性、變易なく混淆なく神の性に人の性を合せ給へり、我等彼を讃栄す。

  聖像の光耀歌

暮れざる光たるハリストスよ、爾の顔の姿容にて我等を照し給へ。各人に其行に循ひて報いん為に坐せん時、爾を生みし生神女の祈祷に由りて、我等を聖者の光に入るに勝ふる者と為し給へ。二次。

  光栄、今も、祭日の。

嗚呼権能者は爾に如何に大なる事を成したる、蓋爾潔き者は胎の荒れたる者より生れ、童貞女にして生み、又童貞女に止まり、死して後には死より上なる者と現れ、世界を遺さずして、世界の為に祈り給ふ。

「凡そ呼吸ある者」に聖像の讃頌、四句を立つ、第四調。

神父の像、其光栄の光なる永在の神言は、限なき慈憐に由りて、見ゆる形を受けんと欲して、僕の像を衣、独自ら知るが如く、己の顔の肖像を神妙に像り給へり。彼は其来るを以て人々を天使等に合せ、見ゆると見えざる世界を照し給へり。二次。

昔己の背を示すを以てモイセイの面を耀かし、彼に由りて神妙に書されたる律法を不信なるイズライリ民に與へし神は、視よ、今其光明なる容貌の神聖なる形像を以て、エギペトよりするが如く、異族の地より新なる民のハリストスの名を蒙れる城に臨み給へり。我等面を合せて彼を見るを得たる者は彼を讃栄す。

萬物の王たる者は甘じて貧しくなりて、彼を主と承け認むる者を其神性を以て富まし給ふ。故に拯救と醫治とを求めしアウガリにも神妙に書されたる書、及び己の神聖なる容貌の肖像を遣し給へり。我等今欣ばしく其来臨を祭りて、信を以て楽しみて光照を蒙る。

  光栄、同調。

雲は甘味を滴らすべし、山は躍りて、ハリストス我が神の至栄なる行為の為に喜ぶべし。蓋彼は昨日ファワォル山に於て、門徒の首たる者を信ぜしめん為に神性の光を輝かし、光栄の中にモイセイ及びイリヤを進めて、己が律法に権あり、生死者に主たることを證せしめ、今日地の中に光明なる肖像を燿かして、萬衆に己が人体を取りし我が神なるを信ぜしめ給ふ。我等彼に呼ぶ、ハリストスよ、光栄は爾の仁愛に帰す。

  今も、第一調。

言の實見者及び役者には、其肉体に依る母の就寝、之に於ける終の秘密を見ること宜しきに合へり、啻救世主の地より升るを見るのみならず、彼を生みし者の移さるることをも證せん為なり。故に彼等は神の力を以て諸方より集められて、シオンに至り、ヘルワィムより上なる者の天に往くを送れり。我等も彼等と偕に之に伏拝す、其我等の霊の為に祈ればなり。

  大頌詠

聖三祝文の後に讃詞は聖像の、光栄、今も、生神女祭の。

 

聖体禮儀

真福詞は、祭日の規程の第一歌頌四句に、及び聖像の、第六歌頌四句に。

  提綱、第四調。

新なる歌を主に歌へ、蓋彼は奇迹を行へり。句、凡そ地の極は我が神の救を見たり。使徒の誦読はコロサイ書250端。或はコリンフ書173端。次に順序の使徒誦読。「アリルイヤ」、第四調、主よ、我等は爾が顔の光の中に行き、世々爾の名に因りて歓ばん。

  福音經の誦読はルカ48端の半より。

領聖詞、主よ、我等は爾が顔の光の中に行き、世々爾の名に因りて歓ばん。