8月6日/8月19日
主神我が救世主イイススハリストスの
聖なる顕栄祭/変容祭


大晩課

若し「スボタ」の晩ならば、第一「カフィズマ」全文を誦す、若し主日の晩ならば、其第一段のみを歌ふ。他の諸日には「カフィズマ」の誦読なし。

「主よ、爾にぶ」に八句を立てて讃頌四章を歌ふ、各二次。第四調。(修士コスマの作)。
句、主よ、我深き處より爾に呼ぶ。主よ、我が聲を聴き給へ。
主よ、爾の十字架の先に、爾が変容して、父より證せらるる時、山は天に似、雲は幕の如く張れり。ペトルはイアコフ及びイオアンと偕に彼處に在りき、爾の賣らるる時にも爾と偕に在らんとするに因る、爾の奇蹟を見て、爾の苦を畏れざらん為なり。爾の大なる恵に因りて、我等に平安にして此の苦に伏拝するを得しめ給へ。
句、願はくは爾の耳は我が祷の聲を聴き納れん。
主よ、爾の十字架の先に、爾が変容して・・・
句、主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん。然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬まん為なり。

主よ、爾の十字架の先に、爾は門徒を高き山に攜へ、彼等の前に容を変へて、有能の光線にて彼等を照し給へり、一は仁愛を以て、一は権能を以て復活の光明を視さんと欲せしに因る。神よ、我等にも平安にして之を獲しめ給へ、爾は仁慈にして人を愛する主なればなり。
句、主を望み、我が霊主を望み、彼の言を恃む。
主よ、爾の十字架の先に、・・・
句、我が霊主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し。
主よ、爾の足の立ちし山、嘗て冥くして烟りたる者は、今尊くして聖なり、蓋爾の畏るべき変容は世のなき先より隠れたる秘密を遂にペトル、イオアン、イアコフに顕せり。彼等は斯くの如き爾の面の光及び爾の衣の耀に勝へずして、懼れて地に俯伏し、且駭き異しみて、モイセイ及びイリヤが爾に成らんとする事を爾と語れるを見たり。又父より出づる声は證して云へり、此は我の至愛の子、我が喜べる者なり、彼に聴け、彼は世界に大なる憐を賜ふ。
句、願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを 其の悉くの不法より贖はん。

主よ、爾の足の立ちし山、・・・
句、萬民よ、主を讃め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讃めよ。
救世主は首たる門徒を攜へ、高き山に変容して、光明に彼等を輝かし、此を以て諸徳に秀でたる者は神聖なる光栄を獲んことを顕し給へり。ハリストスと語れるモイセイ及びイリヤは其生死者の司たるを示し、又彼が昔律法と預言者とを以て語りし神なるを示せり。父の声も彼の為に光れる雲より證して曰へり、彼に聴け、彼は十字架にて地獄を囚にし、死者に永遠の生命を賜ふ者なり。
句、蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の真實は永く存す

救世主は首たる門徒を攜へ、・・・

光栄、今も、第六調。(アナトリイの作)。
ハリストス神よ、爾は預め爾の復活を像りて、爾の三人の門徒ペトル、イアコフ、イオアンを攜へて、ファワォルに登り給へり、救世主よ、爾が容を変ふる時、ファワォルの山は光にて蓋はれたり。言よ、爾の門徒は見る可からざる容を覩るに堪へずして、地に俯伏し、天使等は畏れ慄きて奉事し、天は戦ひ、地は慄けり、光栄の主を地に見たればなり。

聖入。「穏なる光」。

本日の提綱。

喩言(パリミヤ)。
  エギペトを出づる記の読。(24章)。

主はモイセイに謂へり、爾山に我の許に登りて、彼處に立て、我爾に石版、律法及び誡命、我の彼等を教へん為に書しし者を與へん。モイセイ及び其従者イイススは起ちて神の山に登れり。モイセイ長老等に謂へり、此処に止まりて、我等が爾等に返るを待て、視よ、アアロン及びオル爾等と偕に在り、若し人に訟事あらば、彼等に至るべし。モイセイ山に登りたれば、雲山を蔽へり。神の光栄シナイ山に降り、雲之を蔽へること六日なり、七日に至りて、主は雲の中よりモイセイを呼べり。主の光栄の状はイズライリの諸子の目前に在りて、山の巓に焚ゆる火の如くなりき。モイセイ雲の中に入り、山に登りて、四十日四十夜彼處に山に居たり。

  エギペトを出づる記の読。(33、34章)。
彼の日主はモイセイと面を合せて語りしこと、人が其友と語れる如し、後彼釈されて営に返り、其侍者、ナワィンの子イイスス、少き者は幕を離れざりき。モイセイ主に謂へり、視よ、爾我に謂ふ、斯の民を導き上れ、然るに誰をか我と偕に遣さんを未だ我に示さざりき。爾嘗て我に謂へり、我衆よりも爾を識る、爾我の前に恵みを獲たりと、若し我爾の前に恵みを獲たらば、求む、己を我に示せ、我が明に爾を見ん為、爾の前に恵を獲たる者として在らん為、亦此の大なる族の爾の民なるを知らん為なり。主彼に謂へり、我親ら爾の前に往き、爾を平安ならしめん。モイセイ彼に謂へり、爾若し親ら我等と偕に往かずば、我等を此より出だす毋れ。我及び爾の民が爾の恵を獲たることは、如何にして誠に知るを得べきか、爾が我等と偕に往くを以てするに非ずや、然らば我及び爾の民は凡そ地に在る諸民に超えて光栄を獲ん。主はモイセイに謂へり、爾が言ひし此の事をも我行はん、蓋爾は我の前に恵を獲たり、我衆よりも爾を識る。モイセイ曰へり、求む、爾の光栄を我に示せ。主曰へり、我我が光栄を爾の前に過ぎしめ、主の名を爾の前に宣べん。我恵まんとする者を恵み、憐れまんとする者を憐む、又曰へり、爾は我が面を観ること能はず、蓋人我が面を観て、猶生くるを得ず。主曰へり、視よ、我に此の所あり、爾此の磐の上に立て、我が光栄の過ぐる時、我爾を磐の穴に置き、我が過ぎ去るまで、手を以て爾を蔽はん、我が手を除く時は、爾我が背を視ん、我が面は爾に現れざらん。モイセイ夙に興きて、主の彼に命ぜし如くシナイ山に登れり、主は雲の中に降りモイセイ彼處に彼の前に立ちて、主の名を呼べり。主は其面前を過ぎて、宣べて曰へり、主神は洪恩にして慈憐、寛忍にして至仁、且眞實なる者なり。モイセイ直に地に俯伏して主を拝せり。

  列王紀第三巻の読。(19章)。
彼の日イリヤはイウダの地なるワィルサワィヤに来り、其僕を彼處に遺して、自ら曠野に入りしこと一日程、杜松樹の下に偃して寐ねたり。視よ、或者彼に捫りて曰へり、起きて食ひ飲め。イリヤ目を注ぎて、其首の側に大麦の餅と一瓶の水あるを見たり。彼起きて食ひ飲みて、復寐ねたり。主の使再来りて、彼に捫りて曰へり、起きて食ひ飲め、蓋爾の前に遠き途あり。彼起て食ひ飲み、其食の力に依りて四十日四十夜行きて、神の山ホリフに至れり。彼處に彼一の洞に入りて宿れり。視よ、主の言彼に臨みて、主彼に謂へり、出でて、主の前に山の上に立て、視よ、主は過ぎ行かん。主の前に當りて、大なる強き風、山を裂き、巖を砕く者ありしが、風の中には主在らず、、風の後に地震ありしが、地震の中には主在らず、地震の後に火ありしが、火の中には主在らず、火の後に微かなる風の声在りしが、彼處には主在り。イリヤ之を聞きて、うわぎを以て其面を覆ひ、出でて洞の側に立てるに、主彼に謂へり、往きて爾の途に返り、曠野を経てダマスクに至り、サファトの子エリセイに膏を沃ぎて、預言者と為せ。

  「リティヤ」に讃頌、第二調。
爾の光にて全地を聖にせし仁慈なる主よ、爾は高き山に変容して、爾の門徒に爾が世界を罪より救ふ能力を示し給へり。故に我等爾に呼ぶ、慈憐の主よ、我等の霊を救ひ給へ。

ファワォル山に於て光栄の中に変容して、爾の門徒に爾が神性の光栄を顕ししハリストス神よ、我等をも爾を識る智識の光にて照して、爾の誡の路を履ましめ給へ、爾は獨仁慈にして人を愛する主なればなり。

日の先より在す光なるハリストスは、肉體を以て地に住める時、十字架の前に凡そ其威厳なる摂理に属する事を神に適ふが如く行ひて、今日ファワォル山に於て奥密に聖三者の像を現す。蓋三人の選ばれたる門徒ペトル、イアコフ、イオアン獨を攜へて此に登り、僅に其受けたる肉體を隠し、彼等の前に変容して、本性の華麗を顕せり、然るに尚全からず、此れ彼等を確信せしめ、亦彼等を愛護するに因りてなり、恐らくは見ると偕に生命を喪はん、乃其肉體の目の勝ふる力に稱へて之を為せり。

又預言者の首たるモイセイ及びイリヤを攜へて、確に其神なる事、其父の性の眞の光、生死者を掌る者なるを證するを致せり。故に雲も幕の如く彼等を覆ひ、且雲より父の声朗に證して云へり、此は我が黎明の前に腹より生みたる至愛の子、我が遣して、父と子と聖神゜の名に因りて洗を受けて、神性の権柄は分離なくして惟一なりと確に承け認むる人々を救はしむる者なり、彼に聴けと。人を愛するハリストス神よ、爾親ら我等をも爾の近づき難き光栄の光にて照して、爾の終なき國の嗣と為るに堪ふる者と為し給へ、爾至仁なるに因る。

光栄、第五調。
来りて主の山に登り、我が神の家に入りて、其変容の光栄を見ん、父の獨生子の如き光栄なり。来りて光に由りて光を受け、神゜挙げられて、一體の三者を世々に歌はん。

今も、同調。
ハリストスよ、神を見しモイセイ、及び火の車に乗り、焚かれずして天に往きしイリヤは、爾を変容の時に雲の中に覩て、爾が律法及び諸預言者の立定者又實行者なるを證せり。主宰よ、彼等と偕に我等をも爾の光照に勝へさせ給へ、世々に爾を歌はん為なり。

挿句に讃頌、第一調。
昔シナイ山に於て表徴を以てモイセイと語りて、我は永在者なりと言ひし者は、己の内に人の性を受けて、今日ファワォル山に門徒の前に変容して、其本性の華麗を顕し、モイセイ及びイリヤを此くの如き恩寵の證者に立てて、楽に與る者と為し、十字架に因りて救を施す光栄の復活を預め示す者と為し給へり。

句、天は爾に属し、地も爾に属す。
神の先祖ダワィドは神゜にて爾獨生子が肉體を以て人々に来るを預見し、遠くより造物を歓楽に召して、預言して呼ぶ、ファワォルとエルモンとは爾の名に因りて欣ばんと。蓋救世主よ、爾は門徒と偕に此の山に登り、変容して、アダムの昧みたる性を爾が神性の光栄と光明とに易へて、復輝く者と為し給へり。故に我等爾に呼ぶ、萬有の造成者、主よ、光栄は爾に帰す。
句、ファワォルとエルモンとは爾の名に因りて欣ぶ。
無原なるハリストスよ、使徒の中の選ばれたる者は変容の山に爾が光の勝へ難く、神の性の近づき難きを見て、神聖なる驚奇に心を奪はれ、且輝ける雲に照されて、父の声を聞けり、是れ爾が人と為りしことの奥密、即人體を取りて後にも爾が獨獨生の子、及び世界の救者なるを確證する声なり。
  光栄、今も、第六調
主よ、爾は今日爾の選ばれたる門徒ペトル、イアコフ、イオアンに、ファワォル山に於て、爾の神聖なる容の光栄を視せり。蓋彼等は爾の衣の光の如く輝き、爾の面の日よりも勝れるを見て、爾の光明の勝へ難きを見るに堪へずして、地に俯伏し、敢て観るを得ざりき。且上より證する声を聞けり、曰ふ、此れ我の至愛の子、人を救はん為に世に来りし者なり。

五餅の祝福
讃詞、第七調。

ハリストス神よ、爾は山に於て変容して、爾の門徒に其力に稱ひて爾の光栄を顕し給へり。願はくは生神女の祈祷に因りて、我等罪なる者にも爾の永在の光は輝かん。光を施す主よ、光栄は爾に帰す。

并に祭日の誦読。

早課

「主は神なり」
祭日の讃詞、三次

ハリストス神よ、爾は山に於て変容して、爾の門徒に其力に稱ひて爾の光栄を顕し給へり。願はくは生神女の祈祷に因りて、我等罪なる者にも爾の永在の光は輝かん。光を施す主よ、光栄は爾に帰す。

「カフィズマ」の第一の誦文の後に坐誦讃詞、第四調。
救世主よ、爾が光栄と威厳とを以て再来らん時は、爾の人たる変易の何如なるを示して、ファワォル山に於て変容し給へり。イリヤ及びモイセイは爾と偕に語れり。爾又三人の門徒を召し給へり、主宰よ、彼等は爾の光栄を見て、爾の光耀に驚けり。其時彼等に爾の光を輝かしし主よ、我等の霊を照し給へ。
光栄、今も、同上

第二の誦文の後に坐誦讃詞、同調。
イイススよ、爾はファワォル山に於て変容し、光れる雲は幕の如く布きて、光栄を以て使徒等を覆へり。故に彼等は爾無原なる救世主ハリストス神の面の近づき難き光栄の光耀を見るに堪へずして、地に俯伏せり。其の時彼等に爾の光を輝かしし主よ、我等の霊を照し給へ。

光栄、今も、同上。

多燭詞

坐誦讃詞、同調。

爾が門徒と偕に山に登りて、父の光栄の中に耀きし時、モイセイとイリヤとは爾の前に立つ、蓋律法及び諸預言者は爾を神として爾に奉事す。父も爾が本性の子たるを證して爾を子と名づけ給へり。我等は彼を爾及び聖神゜と偕に讃め歌ふ。
  光栄、今も、第八調。
ハリストス恩主よ、爾は聖なる山に於て爾と偕に在りし門徒の前に耀きて、肉體の下に隠れたる爾の性の光耀と神聖なる華麗とを顕し給へり。彼等は爾の光栄の堪へ難きを悟りて呼べり、主よ、爾は聖なり、爾は近づき難き者にして、肉體を以て世に現れ給へり、獨人を愛しむ主なればなり。

讃歌 (連接歌集から)
生命を賜ふハリストスよ、我等爾を讃揚して、爾が最缺き身の神妙なる顕榮を尊む。
  次ぎて同詠隊又歌ふ。

右、主は大にして、我が神の城邑に、其聖山に讃揚せらる。
左、主は自ら卑くする者を挙げ、謙る者を升す。
右、孰か能く主の山に陟る、孰か能く其聖所に立つ。
左、主よ、孰か爾の住居に居るを得る、 孰か爾の聖山に在るを得る。 爾の光と爾の眞實とを遣し給へ。 爾は永遠の山より霊妙に照し給ふ。 世界と其中に満つる者とは、爾之を建てたり。 ファワィルとエルモンとは爾の名に因りて欣ぶ。 主よ、彼等は爾が顔の光の中に行き、 終日爾の名に因りて歓ばん。 願はくは主吾が神の恵は我等に在りて、今より世々に至らん。

  光榮、今も、「アリルイヤ」、三次。


品第詞、第四調の第一倡和詞。


提綱、第四調

ファワォルとエルモンとは爾の名に因りて欣ぶ。句、天は爾に属し、地も爾に属す。
福音經はルカ45端。
第五十聖詠の後、光栄、

今日萬有は欣喜に満てられたり、ハリストスは門徒の前に変容し給へり。
今も、同上
讃頌、第五調。
救世主よ、爾は已の神性の微なる光を爾と偕に山に登りし者に露して、彼等を世に超ゆる爾の光栄の為に熱中する者と為し給へり。故に彼等は感動してべり、我等此に居るは善しと。彼等と偕に我等も爾変容せし救主ハリストスを世々に歌ふ。

規程(カノン)二篇。コスマ師の作、第四調。イオアン師の作、第八調。両規程の「イルモス」各二次、讃詞共に十二句に。

第1の規程、第四調。
第一歌頌

イルモス、イズライリの會衆は濡れざる足にて紅の海の深處を済り、敵の騎兵軍将が其中に溺れたるを見て、欣びて歌へり、我が神に歌はん、彼光栄を顕したればなり。
(冠詞)主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ハリストスは其友に神の國に於ける生命の言を告げ、邇づき難き光を放つ者として言へり、父を我の中に識りて、欣びて歌へ、我が神に歌はん、彼光栄を顕したればなり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
汝等友たる門徒は異邦民の力を衣、其財貨に因りて栄を獲ん。蓋我が日よりも明に輝く者として現れん時、爾等光栄に満てられて、欣びて歌頌せん、我が神に歌はん、彼光栄を顕したればなり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
今日ハリストスはファワォル山に輝きて、曾て約せし如く、神聖なる奥密の光の状を門徒に顕し給へり。彼等は光を放つ神性の輝煌に満てられて、欣びて歌へり、我が神に歌はん、彼光栄を顕したればなり。
  又規程、第八調。
  第一歌頌

イルモス、イズライリは乾ける地の如く水を過り、エギペトの禍を免れてべり、我が救主及び神に歌はん。
昔モイセイは預言者として、主の光栄を海と雲と火柱とに見てべり、我が救主及び神に歌はん。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
神を見しモイセイは、磐の形に於て、見えざる主を其受けたる肉體の覆の下に洞徹して、べり、我が救主及び神に歌はん。
光栄は父と子と聖神に帰す、今も何時も世々にアミン
爾はモイセイに律法の山及びファワォル山に見られたり、昔は黒暗の中に於てし、今は神性の近づき難き光の中に於てせり。
共頌、「モイセイは杖を以て十字架の縦を象りて」。

第三歌頌
イルモス、強き者の弓は弱み、弱れる者は力を帯びたり、故に我が心は主の中に堅められたり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ハリストスよ、爾全きアダムを衣て、昔昧みたる性を復明にし、爾の容の変易を以て此を神成し給へり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
昔火柱と雲とを以てイズライリを野に導きしハリストスは、今日ファワォル山に於て言ひ難く光の中に輝き給へり。
  又
イルモス、
主、天の穹蒼の至上なる造成者、教会の建立者、冀望の極、信者の固、獨人を愛する者よ、我を爾の愛に堅め給へ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
主宰よ、曩に幕を蔭ひ、又爾の僕モイセイに傳はりたる光栄は、爾がファワォル山に於て言ひ難く輝きし変容の預象を為せり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
至上なる獨生の言、獨人を愛する主よ、爾と偕に使徒等の首たる者はファワォル山に登り、之と偕にモイセイとイリヤとは神の役者として前に立てり。
光栄は父と子と聖神に帰す、今も何時も世々にアミン
爾は神言にして全き人と為りて、爾の位の中に人性を完き神性と合せ給へり、故にモイセイとイリヤとはファワォル山に於て爾の位に二性あるを見たり。
坐誦讃詞、第四調。
イイススよ、爾はファワォル山にイアコフ、ペトル、イオアンと偕に在りて、睿智なるイリヤ及びモイセイの間に変容し給へり。ペトルは共に在りて、斯く爾に言へり、此に三のいおりを建つるは善し、一はモイセイの為、一はイリヤの為、一は爾主宰ハリストスの為なりと。其時彼等に光を輝かしし主よ、我等の霊を照し給へ。

光栄、今も、同上。
  第四歌頌

イルモス、ハリストス神よ、我爾の光栄なる摂理を聞けり、爾は童貞女より生れ給へり、主よ、光栄は爾の力に帰すと、呼ぶ者を迷より救はん為なり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ハリストス神よ、爾はシナイ山に於て律法を文に録す時、雲と、火と黒暗と、烈風との中に現れ給へり。主よ、光栄は爾の力に帰す。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ハリストス神よ、爾の光栄なる摂理を信ぜしめん為に、爾は世々の前より在し、雲に乗りて親ら升る者にして、言ひ難くファワォル山に輝き給へり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
昔爾が火と、烟と、幽暗と、微なる風との中に與に語りし者等は今前に立ち、僕として爾主宰ハリストスと偕に語れり。主よ、光栄は爾の力に帰す。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ハリストスよ、昔火と棘との中に爾を預見せしモイセイ、又火の車を以て挙げられしイリヤは、ファワォル山に現れて、爾が十字架に於ける逝世の事を告げたり。
  
イルモス
、爾の身より神性の光線は出でたり、故に預言者と使徒との首たる者は歌ひてべり、主よ、光栄は爾の力に帰す。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
火に圍まれたる棘を損はれざる者として護りし主宰よ、爾は神性の光にて輝く肉體をモイセイに顕し給へり。故に彼は歌へり、主よ、光栄は爾の力に帰す。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
我がイイススよ、物質の日は爾がファワォル山に変容せしを見て、神性の光線の中に隠れたり。主よ、光栄は爾の力に帰す。
光栄は父と子聖神に帰す、今も何時も世々にアミン
二性にして一なる主宰よ、爾がモイセイと、使徒等と、イリヤとに二の全き性を以て現れし時、肉體の物質を焚かざる無形の火は見られたり。

  第五歌頌
イルモス、原始の光の輝を発きて、造物をして光の中に爾造物主を歌はしむるハリストスよ、爾の光の中に我等の途を向はしめ給へ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ハリストスよ、時は爾の前に俯伏せり、蓋爾が人の容貌を変ぜんと欲せし時、光と天を度る日の輝煌とは俄に爾の足下に顕れたり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
モイセイと、イリヤとはファワォルの聖山に於て門徒に向ひて呼べり、視よ、救世主ハリストス、昔我等が眞の神として豫傳へし者なり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
死す可き性に體合せし変易せざる性は、無形の神性に属する光を顕して、使徒の前に言ひ難く輝けり。
永遠の光なるハリストスよ、門徒は爾が父の光栄の内に輝けるを見て、爾にべり、爾の光の中に我等の途を向はしめ給へ。
  
イルモス
、隠れざる光よ、何ぞ我を爾の顔より退けし、外の闇は憐なる我を掩へり。祈る、我を返して、我が途を爾の誡の光に向はしめ給へ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
能辯の舌は爾の威厳を述ぶる能はず、蓋爾生を有ち死を司る者は、ファワォル山に於て、モイセイとイリヤとを爾の神性を證する者と顕し給へり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
見えざる手にて人を己の像に循ひて造りしハリストスよ、爾は神及び人として、今此の造物の中に己の本體の美しきを顕ししこと、已に像を以するに非ず、即爾親ら其の實性を以て顕し給へり。
光栄は父と子と聖神に帰す、今も何時も世々にアミン
爾は己の中に神性と人性とを混淆なく合せて、我等にファワォル山に於て神性の熾炭、諸罪を焚きて霊を照す者を顕し、此を以てモイセイとイリヤ、及び門徒の首たる者を驚かし給へり。
第六歌頌
イルモス、
我憂の時主にびしに、我が救の神は我に聴き給へり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
救世主はファワォル山に於て日の光に超ゆる光を放ちて、我等を照し給へり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ハリストスよ、爾はファワォル山に登りて容を変へ、凡の迷を昏まして、我等を照し給へり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ハリストスよ、光栄なる使徒等はファワォル山に於て爾が神たるを識りて、驚きて膝を曲めたり。
  又
イルモス
.救世主よ、我を浄め給へ、我が不法多ければなり、祈る、我を悪の淵より引き上げ給へ。我爾に呼びたればなり、吾が救の神よ、我に聴き給へ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
今日見られたる顕現は何ぞ其れ大にして懼るべき、天より物質の日、地より神゜霊の比なき義の日はファワォル山に輝けり。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
モイセイはファワォルに爾の神性を見てべり、律法の弱りたる影は去り、眞實なるハリストスは顕に来り給へり。
火柱は最明に変容せしハリストスを預象し、雲は顕にファワォルに蔭ひし聖神゜の恩寵を預象せり。
  小讃詞、第七調
ハリストス神よ、爾が山に於て変容せし時、爾の門徒は容るるに稱ひて爾の光栄を見たり、此れ爾が十字架に釘せらるるを見て、苦の自由なるを悟り、爾が實に父の光なるを世界に傳へん為なり。
  同讃詞
我が霊の怠れる意念、絶えず下に地に傾ける者よ、起きて立ち、神聖なる上升の高きに登れ、我等ペトル及びゼワェデイの子に趨り附きて、彼等と偕にファワォル山に至らん、彼等と偕に我が神の光栄を見、彼等が上より聞きし父の光を傳ふる声を聞かん為なり。

  第七歌頌
イルモス、昔アウラアムの少者はワワィロンに於て爐の焔を踏みて、歌を以て呼べり、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
使徒等はファワォル山に於て邇づき難き光栄の光に照されて、ハリストスにべり、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ハリストスよ、使徒等は神聖なる声の響と露を出す雲と、爾の輝とに楽しませられて歌へり、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ハリストスよ、ペトルは、ファワォル山に於て爾が言ひ難き光の中に輝けるを見てべり、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ゼワェデイの子は生命の首たるハリストスと偕に在りて、其面より光の発せし時べり、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
  
イルモス
、エウレイの少者は爐に在りて勇ましく焔を践み、火を露に変じてべり、主神よ、爾は世々に崇め讃めらる。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
未だ見ざる事は今使徒等に顕れたり、是れ肉體の中に在る神性、ファワォル山に輝ける者なり。故に彼等べり、主神よ、爾は世々に崇め讃めらる。
驚き懼れたる使徒等はファワォル山に於て神の國の美しきを奇としてべり、主神よ、爾は世々に崇め讃めらる。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
未だ聞かざる事は今聞かれたり、蓋父なく童貞女より生れし子は、厳に父の声にて世々に神及び人なりと證せらる。
光栄は父と子と聖神に帰す、今も何時も世々にアミン
至上者の義子たるに非ず、即本性を以て原始より至愛の子たる者、爾は変易なく我等と偕に在せり。主よ、爾は世々に崇め讃めらる。
第八歌頌
イルモス、
少者はワワィロンに於て神聖なる熱心に灼かれて、苛虐者と焔との嚇を勇ましく践み、火の中に擲たれて、露に湿されて歌へり、主の悉くの造物は主を崇め讃めよ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
萬有を瞬にて保つハリストスは至浄なる足にて.ファワォル山に登り、彼處に其顔にて日の光より明に輝き、律法と恩寵との首たる役者に歌はしめ給へり、主の悉くの造物は主を崇め讃めよ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
限られぬ暮れざる光なる父の輝は、邇づく可からざる光栄を以て、言ひ難くファワォル山に現れて、造物を照し、人々を神成し給へり。故に彼等歌ふ、主の悉くの造物は主を崇め讃めよ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
敬みてファワォル山に立てるモイセイとイリヤとは、明に神の位たるハリストス、父の光栄にて輝ける者の容を覩て歌へり、主の悉くの造物は主を崇め讃めよ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
昔モイセイの面は神が黒暗に現るるに因りて光栄を放てり、今ハリストスは光と光栄とを衣の如く衣る、蓋彼親ら光の造成主にして、主の悉くの造物は主を崇め讃めよと歌ふ者を照し給ふ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
門徒はハリストスがファワォル山に於て光を放てる雲に饒らるるを見て、地に俯伏し、智慧は照されて、彼を父及び聖神゜と偕に歌へり、主の悉くの造物は主を崇め讃めよ。
  
イルモス
、ハルデヤの窘迫者は怒に堪へずして、敬虔の者の為に爐を七倍熱くしたれども上の力にて其救はれしを見て、造物主と救世主に呼べり、少者よ、崇め讃めよ、司祭よ、讃め歌へ、民よ、萬世に尊み崇めよ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
主宰よ、爾の門徒は父より證を聞き、爾の顔の光が人の目の力に超ゆるを以て、之を見るに堪へずして、地に俯伏し、畏懼を以て歌へり、司祭よ、崇め讃めよ、民よ、萬世に尊み崇めよ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
爾は本性に因りて最美しき諸王の王、諸主の主、福たる主宰、邇づき難き光に居る者なり。驚ける門徒と、モイセイと、イリヤとは爾に呼べり、少者よ、崇め讃めよ、司祭よ、讃め歌へ、民よ、萬世に尊み崇めよ。
主よ、光栄は爾の聖なる変容に帰す
ハリストスよ、爾が天の主宰、地の王、地獄の主たるを以て、爾の前に地より使徒等、天よりするが如くフェスワのイリヤ、死よりモイセイは立ちて、声を合せて歌へり、民よ、萬世に尊み崇めよ。
光栄は父と子と聖神に帰す、今も何時も世々にアミン
人を愛する主よ、使徒等の選ばれたる者は憂を生ずる地の慮を棄てて、爾に従ひて、地より上なる神聖の度生を為せり。故に彼等は宜しきに合ひて爾の神現を見るを得て歌へり、民よ、彼を萬世に尊み崇めよ。

第九歌頌には「ヘルワィムより尊く」を、主日に遇ふとも、歌はず、乃左の祭日の附唱を歌ふ。
我が霊よ、ファワォル山に光栄を顕しし主を讃め揚げよ。
次ぎて「イルモス」、「生神女よ、爾の産は」。
左列詠隊同附唱及び「イルモス」を歌ふ。
第二の規程にも右の附唱を合せ歌ふ。

  第九歌頌
我が霊よ、ファワォル山に光栄を顕しし主を讃め揚げよ
イルモス、生神女よ、爾の産は不朽なり、神は爾の腹より出で、地上に肉體ある者と現れて、人と偕に在せり、故に我等皆爾を崇め讃む。
我が霊よ、ファワォル山に光栄を顕しし主を讃め揚げよ
戦ける門徒等は俄に異常の光に照されて、互に見、驚きて地に俯伏し、爾萬有の主宰を拝めり。
我が霊よ、ファワォル山に光栄を顕しし主を讃め揚げよ
奇蹟を確證する神聖なる声は雲より出でたり、蓋諸の光の父は使徒等に呼べり、此は我の至愛の子なり、彼に聴け。
我が霊よ、ファワォル山に光栄を顕しし主を讃め揚げよ
異常にして至栄なる事を見し言の役者はファワォル山に於て父の声を聴きてべり、此の我が救世主は原像者の像なり。
我が霊よ、ファワォル山に光栄を顕しし主を讃め揚げよ
永在者の変らず動かざる像、変易せざる印、至上者の子と言、睿智と臂、右の手と力よ、我等父及び聖神゜と偕に爾を崇め歌ふ。
  又
イルモス、
凡の者は神の言ひ難き寛容の事、如何に至上者が甘じて肉體を取るまでに降りて、童貞女の腹より人と為りしかを聞きて、恐れざるなし。故に我等信者は至浄なる生神女を崇め讃む。
我が霊よ、ファワォル山に光栄を顕しし主を讃め揚げよ
ハリストスよ、爾の言ひ難き再度の降臨の事、如何に爾が至上の神、諸神の中に立つ者として顕れんとするかを明に示さん為に、爾は測り難くファワォルに於て使徒等と、モイセイと、イリヤとの前に輝き給へり。故に我等皆爾を崇め讃む。
我が霊よ、ファワォル山に光栄を顕しし主を讃め揚げよ
諸民よ、我に聴きて来り、聖なる天上の山に登り、神゜霊を以て生活の神の城に立ち、智慧を以て父と聖神゜との無形なる神性、獨生の子の中に輝ける者を仰ぐべし。
我が霊よ、ファワォル山に光栄を顕しし主を讃め揚げよ
ハリストスよ、爾は慈を以て我を楽しませ、爾が神性の愛を以て我を変じ給へり。求む、仁慈の主よ、無形の火を以て我が罪を燔き、我を爾の中に在る全き福を受くるに堪ふる者と為し給へ、我が祝ひて爾の両度の降臨を崇め讃めん為なり。

  光耀歌
光なる生れざる父より生れたる変易なき光言よ、我等今日ファワォルに現れたる爾の光の中に父の光又聖神゜の光、凡の造物を照して導く者を覩たり。三次

「凡そ呼吸ある者」に四句を立つ。第四調。
主宰よ、爾は尊き爾の十字架及び苦の前に、聖にせられし門徒の中より選びたる者に爾の光栄を示さんと欲して、之を取りて、ファワォルの山に登り給へり。彼等は爾が変容して、日よりも盛に輝けるを見て、地に俯伏し、爾の権能を奇として呼べり、ハリストスよ、爾は甘じて肉體に現れたれども、永遠の光、父の変らざる輝煌なり。二次。

世々の前より在す神言、光を衣の如く衣る者よ、爾は門徒の前に変容して、言よ、日よりも盛に輝き給へり。モイセイ及びイリヤは爾の前に立ちて、死者と生者とに爾を主と傳へ、爾の言ひ難き摂理と、仁慈と、大なる慈憐、爾が此を以て罪に因りて滅ぶる世を救ふ者を讃栄せり。

主よ、爾童貞の雲より生れて肉體と為り、爾ファワォル山に変容して、光れる雲に繞らるる者を、父の声は、爾の前に立てる門徒に、至愛の子、己と一性.一座なる者として明に告げたり。故に大仁慈なる恩主よ、ペトルは驚きて、自ら言ふ所を知らずして、此に居るは善しと言へり。


  光栄、今も、第八調。(ワィザンティイの作)。
ハリストスはペトル、イアコフ、及びイオアンを攜へ、獨彼等を率いて、高き山に登り、彼等の前に容を変へたり、其面は日の如く耀き、其衣は光の如く皎くなれり。モイセイ及びイリヤ現れて、彼と與に語れり。光れる雲は彼等を蓋ひ、且雲より声ありて云ふ、此は我の至愛の子、我が喜べる者なり、彼に聴け。

大詠頌。
讃詞、第七調。
ハリストス神よ、爾は山に於て変容して、爾の門徒に其力に稱ひて爾の光栄を顕し給へり。願はくは生神女の祈祷に因りて、我等罪なる者にも爾の永在の光は輝かん。光を施す主よ、光栄は爾に帰す。

発放詞。


聖体礼儀
  
第一倡和詞、第二調
第一句、第六十五聖詠、
全地よ、神に歓びて呼び、其の名の光栄を歌ひ、光栄と讃美とを彼に帰せよ。
附唱、救世主よ、生神女の祈祷に因りて我等を救ひ給へ。
左列詠隊同句、及び同附唱。
右列詠隊第二句、第七十六聖詠、爾の雷の声は穹蒼にあり、電は世界に閃き、地は動きて震へり。
附唱、救世主よ云々 
左列詠隊第三句、第103聖詠、爾は光栄と威厳とを被れり、爾は光を袍の如くに衣る。 
救世主よ云々 光栄、今も、救世主よ云々

第二倡和詞
第一句、第47聖詠、シオン山は美しき高處にして、全地の喜悦なり、其北方に大王の城邑あり。
附唱、山に於て変容せし神の子よ、我等爾に「アリルイヤ」を歌ふ者を救ひ給へ。
左列詠隊同句、同附唱。
第二句、第77聖詠、彼等を引きて其聖なる界、其右の手の獲し所の此の山に至れり。
附唱、山に於て云々 
第三句、其愛する所のシオン山を択べり、其聖所を建てしこと天の如し。
山に於て云々 
光栄、今も、神の獨生の子并に言よ云々

第三倡和詞、第七調
讃詞、第七調。
ハリストス神よ、爾は山に於て変容して、爾の門徒に其力に稱ひて爾の光栄を顕し給へり。願はくは生神女の祈祷に因りて、我等罪なる者にも爾の永在の光は輝かん。光を施す主よ、光栄は爾に帰す。

第一句、第124聖詠、主を頼む者はシオン山の如く動かずして永く存す。
讃詞 ハリストス神よ、
第二句、諸山はイエルサリムを環り、主は其民を環りて今より世々に迄らん。
讃詞 ハリストス神よ、
第三句、第14聖詠、主よ、孰か爾の住所に居るを得る、孰か爾の聖山に在るを得る。 
讃詞 ハリストス神よ、 
第四句、第23聖詠、孰か能く主の山に渉る、孰か能く其聖所に立つ。 
讃詞 ハリストス神よ、

聖入の句、第42聖詠、主よ、爾の光と爾の眞實とを遣し、其をして我を導きて、爾の聖山に至らしめ給へ。

讃詞、第七調。
ハリストス神よ、爾は山に於て変容して、爾の門徒に其力に稱ひて爾の光栄を顕し給へり。願はくは生神女の祈祷に因りて、我等罪なる者にも爾の永在の光は輝かん。光を施す主よ、光栄は爾に帰す。
光栄、今も

小讃詞、第七調
ハリストス神よ、爾が山に於て変容せし時、爾の門徒は容るるに稱ひて爾の光栄を見たり、此れ爾が十字架に釘せらるるを見て、苦の自由なるを悟り、爾が實に父の光なるを世界に傳へん為なり。

聖三祝文
提綱、第四調。主よ、爾の工業は何ぞ多き、皆智慧を以て作れり。句、我が霊よ、主を讃め揚げよ、主我が神よ、爾は至りて大なり。
使徒の誦読はペトル書65端。
「アリルイヤ」、第八調、
天は爾に属し、地も爾に属す。句、角(らっぱ)の呼声を識る民は福なり。

福音經の誦読はマトフェイ70端。
「常に福にして」に代へて「イルモス」、「生神女よ、爾の産は不朽なり」本祭の末日に至るまで此くの如し。

領聖詞、主よ、我等は爾が顔の光の中に行き、終日爾の名に因りて歓ばん。(聖詠88:16-17)「アリルイヤ」。三次。