5月11日/24日

我が聖神゜父スロワェン民の教師

亜使徒メフォディイ及びキリルの祭日


晩課

第一「カフィズマ」の第一段。

「主よ、爾にぶ」に讃頌、第二調。

我等何の讃美の榮冠を以てか神智なる教師等、無智の幽暗及び死の蔭に坐するスロワェンの諸族を一性なる三者の福音の光にて照しし大聲の傳道師に冠らせん。彼等に由りて我等も野の橄欖樹の如く正教の善き果を出す根に接がれて、ハリストス神より平安と大なる憐とを受けたり。

我等何の讃美の歌を以てか神智なる教師等、野に居ることを愛し、閑静なる居處に於て聖神゜の果に富める者と為りたるメフォディイ、及び哲理を好むを以て天上の睿智を得、アガリャンの無智なる学士の空言を辱しめし金口なるキリルを讃揚せん彼等に由りてハリストス我が神は我等にも大なる憐を賜へり。

我等何の歌の美しきを以てか神智なる教師等、ハリストスを愛するに因りて世上の一切の榮華を軽じて、天使の形に於て天の王の為に勇ましく戦ひしメフォディイ、及び童子の時より睿智を己の配偶に選び、神より賜はりたる恩賜を其光榮の為に倍せしキリルを崇め讃めん。彼等に由りて我等も永在の三者たる父と子と聖神゜、惟一の神を識りて、ハリストス神より大なる憐を蒙れり。

嗚呼至福なる教師等よ、我等何の属神゜の歌を以てか爾等を崇め讃めん、蓋爾等はスロワェン人の救の為に使徒の如く勤勉し、神智の光を以て彼等を照さん為に多く労せり。斯の光に導く鎖されたる門は、爾等がスロワェンの文字を發明するを以て我等の為に啓かれたり。我等此に入り、ハリストスの福音の奥義を暁りて、ハリストス神より平安と大なる憐とを受く。

   光榮、第六調。

祭祀を敬愛する者よ、来りて、讃美の歌を以て、使徒とrしき者、司祭首の飾、スロワェンの諸族の光照者及び熱心なる保護者を歌ひて曰はん、慶べよキリル、神学の金のラッパ、日の喩を以て聖三者の奥義を解きて、アガリャンの褻涜の口を塞ぎし者よ。彼と共に爾もメフォディイよ、慶べ、同心に勤勉して、祈祷と休徴とを以て彼を助けし者よ。至りて福たる神父等よ、今も信と愛とを以て爾等を崇め讃むる我等の為にハリストス神に息めずして祈り給へ。

   今も、生神女讃詞。

   挿句に讃頌、第八調。

使徒とrしき教師等よ、爾等は度生の光明を以て天の星の如く教会の穹蒼に輝き、爾等の教の網を以て衆くの民族をハリストスの為に捕へて、近づき難き光に升れり。彼處に今諸天使と共に居りて、主に於て爾等の聖なる記憶を祭る我等の為に祈祷を獻げ給へ。

句、爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悦ばん。

嗚呼祭祀を敬愛する者よ、来りて、使徒と同座にして、スロワェン人の光榮なる教師等を崇め讃めん、蓋彼等に由りて我等は悪魔の迷より釋かれて、ハリストスの福音の光を受け、罪の闇より逃れて、永在の言を識れり。

句、義人の口は睿智を言ひ、其舌は義を語る。

神智なるキリル及び神愛なるメフォディイ、スロワェンの教会の使徒及び首たる教師、信者の保護者、正教の熱心者、聖神゜の美音の琴たる者よ、今牧師長ハリストスの前に大なる勇敢を有ちて、爾等の尊き記憶を行ふ我等の為に祈りて、其慈憐の多きを以て我等の生命を淪滅より引き上げんことを求め給へ。

   光榮、同調。

神を識る光にて我等を照しし聖なる二者、属神゜の睿智の生活の泉にして、渇に苦しめるスロワェンの諸族に飲ましめしキリル、及び祈祷の潔き居室たるメフォディイよ、慶べ。光榮の中にハリストスの前に立ちて、熱切に祈りて、爾等と共に我等も萬世に彼を讃美讃榮せんことを求め給へ。

   今も、生神女讃詞。

   讃詞、第四調。

使徒とrしき者、スロワェンの諸邦の教師として、神智なるキリル及びメフォディイよ、萬有の主宰に祈りて、スロワェンの諸族を正教と同心とに堅め、世界を平安にし、我等の霊を救はんことを求め給へ。

   光榮、今も、生神女讃詞。

 

早課

「主は神なり」に聖人の讃詞。

   光榮、今も、生神女讃詞。

   「カフィズマ」の第一の誦文の後に坐誦讃詞、第三調。

天軍の黙さずして讃栄し、爾等が大聲を以て異邦の中に傳道せし生命の原因たる聖三者の前に今近づき難き光の中に立てるキリル及びメフォディイよ、愛を以て爾等の記憶を尊む者に罪債の赦を賜ひて、之を永遠の定罪より脱れしめんことを切に祈り給へ。

   光榮、今も、生神女讃詞。

   第二の誦文の後に坐誦讃詞、第五調。

スロワェンの諸族は今日神智なる教師等の聖なる記憶を厳に祭りて悦ぶべし、蓋彼等に因りて神聖なる「リトゥルギヤ」及び一切の奉神禮は始めて我等に属するスロワェンの言にて行はれ、此を以て我等に、永生に流るる水の盡きざる井は與へられたり、キリル及びメフォディイよ、我等は此より飲みて、絶えず爾等を崇め讃めん。爾等は聖者の光榮の中に楽しみて、我等の霊の救はれんことを切に祈り給へ。

   光榮、今も、生神女讃詞。

   多燭詞の後に讃揚詞。

使徒とrしき聖なるメフォディイ及びキリル、己の教を以てスロワェンの諸族を照して、ハリストスに就かしめし者よ、我等爾等を讃揚す。

   多燭詞の後に坐誦讃詞、第四調。

来りて、讃歌を以て大聲に我等の光照者を尊まん、蓋彼等は神の言に饑うるに因りて亡ぶるスロワェンの諸族を神智なる教の「マンナ」を以て養ひ、雷の子の福音を之に属する言に訳するを以て日の光線の如く彼等を照せり。我等も是より光照を受けて、感謝して呼ばん、恒に光榮なるキリル及びメフォディイよ、慶べ。

   光榮、今も、生神女讃詞。

   品第詞、第四調の第一倡和詞。

   提綱、同調。

爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悦ばん。句、萬民之を聴け、全地に居る者、皆之に耳を傾けよ。

「凡そ呼吸ある者」。福音經は諸成聖者の奉事の。

   第五十聖詠の後に讃頌、第六調。

祭祀を敬愛する者よ、来りて、讃美の歌を以て、使徒とrしき者云々(「主よ、爾にぶ」に載す、第497頁を看よ)。

規程は聖人の、六句に。第三調。

   第一歌頌

イルモス、昔神妙の瞬にて水を一に匯め、又イズライリ人の為に海を分ちし者は、是れ崇め讃めらるる吾が神なり。我等獨彼に歌はん、彼光榮を顕したればなり。

克肖なるメフォディイよ、爾は世俗の激浪を渡らんことに惑ひて、此の世の一切の榮華を遺て、天使の形に於て見えざる敵と戦ひて、獨神に役し、歓びて歌へり、我等獨彼に歌はん、彼光榮を顕したればなり。

福たるキリルよ、爾は襁褓の裏より選ばれたる器と顕れて、敢て他の乳房を哺はんことを欲せざりき、此を以て爾の智慧が他の教に惑はされずして、聖なる正教会の教に照されて、自も多くの人の教師及び光照者と為らんことを示せり。   光榮

スロワェンの諸邦は爾等の教の水に潤されて、今に至るまで主宰ハリストスに悦ばるる果を獻ぐ。故に聖教会は爾等を讃美して呼ぶ、我等を諸難より脱れしめ給へ、爾等光榮を顕したればなり。  今も、生神女讃詞。

女宰よ、罪の水は我が霊にまで至り、我諸慾の泥に溺れたり。無てんなる者よ、爾に趨り附く、我が不浄なる思念の激浪を鎮めて、我に平安の治定を與へ給へ。

   第三歌頌

イルモス、言にて造られ、聖神゜にて備へらるる萬物を無より出しし至上なる全能者よ、爾の愛に我を固め給へ。

克肖なるメフォディイよ、爾は心の耳にて、我に従はんと欲する者は其十字架を負ひて我に従へと聞きて、修道の度生の十字架を爾の肩に置きて、ハリストスに従へり。我冷やかなる者をも其愛に固めん為に彼に祈り給へ。

聖なるキリルよ、昔イアコフに夢の異象を以て天に登らしむる梯を示しし者は、爾にも、亦童子たる時に、霊妙なる夢の中に悉くの少女より極めて美しき其名ソフィヤと云ふ者を聘定せり。是れ其寶座に彼と偕に坐する睿智なり、彼は爾を至上者の愛に固めたり。  光榮

奇異なる神父キリル及びメフォディイよ、萬物を無より出しし者は、爾等をも母の胎内より己の選びたる器として、其名を異邦民の前に播かん為に聖にし給へり。故に我等は爾等の尊き記憶を行ひて、爾等に我が揺く意念を正教の承認に固めんことを祈る。  今も、生神女讃詞。

世界に平安を與へ、穏靜の首を生みし至浄なる者よ、我が諸慾の浪を鎮めて、無慾の石に我を堅め給へ。

   聖人の坐誦讃詞、第四調。

神に感ぜられしキリルよ、爾は一性なる聖三者を日に喩へて、天に見ゆる日は聖三者の像に由りて造られたりと言へり。始なく終なき日輪は神父の肖なり、日輪より光線が出でて天下を照す如く、斯く神父より父の光なる子は生る、同じき日輪より光線と共に注がるる全世界を活かす温暖は同じき父より出づる聖神゜の肖なり。奇異なる者よ、我等も爾の奇妙なる教に耳を傾けて、三者に於て惟一の神に伏拝して、爾の記憶を讃揚す。

   光榮、今も、生神女讃詞。

   第四歌頌

イルモス、主よ、爾は強き愛を我等に顕せり、我等の為に爾の獨生子を死に付したればなり。故に我等感謝して爾に呼ぶ、主よ、光榮は爾の力に帰す。

克肖なるメフォディイよ、爾は誡を守ることを屋隅の首石と為し、此の上に爾の霊の家を建てて、之を聖神゜の居所と為せり。至りて福たる者よ、我罪の居所たる者は爾に趨り附く、爾の祈祷の露を以て我を浄め給へ、我が感謝して呼ばん為なり、主よ、光榮は爾の力に帰す。

福たるキリルよ、爾は幼少の王と共に学業に就きし時呼べり、主宰よ、爾の悦ぶ所を我に悟らせ給へと、故に世俗の智識と共に睿智と神を畏るる畏の神゜とを上より受けたり。爾は地上の智慧を事とせずして呼べり、主よ、光榮は爾の力に帰す。   光榮

至りて福たるキリルよ、爾は造物主を愛する愛を封印として爾の心に置けり、故に地上の聘定女及び現世の榮華を斥けて、鳥が猟夫の羅より逃るる如く、修道者の閑静なる埠頭に至り、歓喜の衣を衣て、メフォディイと偕に歌へり、主よ、光榮は爾の力に帰す。  今も、生神女讃詞。

我が不法と不義とを我の前に置きて、其海の砂よりも多くなりたるを見る。至りて無てんなる者よ、爾に趨り附く、我が霊の傷を醫し給へ、我が感謝して、爾より生れし者に呼ばん為なり、主よ、光榮は爾の力に帰す。

   第五歌頌

イルモス、イサイヤは預象に於て崇き寶座に坐して光榮の諸天使に繞らるる神を見し時にべり、噫我禍なる哉、我肉體を取る神、暮れざる光と平安とを司る者を預見せり。

克肖なるメフォディイよ、爾は芳しき花の如く野に發きて、祈祷と、けい醒と、禁食とを以て爾の霊を飾り、地上に天使の如く住ひて、今諸天使と偕に欣ばしく暮れざる光と平安とを司る者を仰ぎ見る。

キリルよ、爾は野に在りて光榮の諸天使に繞らるる主に祈祷せしに、強ひて王都に還されて、司祭の職位に飾られたり、爾が人々に救の道を示し、教の光を以て之を照し、衆人の為に暮れざる光と平安とを司る者に無血祭を獻げん為なり。   光榮

捧神なるキリルよ、爾はサラチン人の中に至聖三者をソシる者を闢論せん為に王より遣されて、智慧の汲み盡くされぬ井の如き者と現れたり。蓋彼等は邪教の濁れる水を以て爾上より暮れざる光に照さるる者を溺らすを得ざりき。   今も、生神女讃詞。

噫我禍なる哉、果を結ばざる樹の如き者にして、何ぞ斫らるべき厳命を畏れざる。我が霊よ、速に神の恩寵を蒙れる者に趨り附け、蓋若し彼爾を保護せずば、爾暮れざる光と平安とを司る者を見るを得ざらん。

   第六歌頌

イルモス、今を限の罪の淵は我を圍み、我が霊は亡びんとす。祈る、主宰教導者よ、爾の高き手を伸べて、我をペトルの如く救ひ給へ。

睿智なるキリルよ、爾は争論するアガリャン人に言へり、我等の神は底なき海の如く、智慧にて暁られず、言にて言ひ盡されぬ者なり。己の智慧の損はれたる小舟を以て此の海を渡らんと試みる者は、或は迷謬と異端とに陥りて溺れ、或は蒙昧と疑惑とに漾はされて、教導者よ、我等をペトルの如く救ひ給へと歌ふを知らず。

偽稱の知識の淵に溺れたるアガリャン人は窃に死の毒を爾に進めしに、毒を飲むとも爾等を害せざらんと言ひし主は爾を全うして守り、尊榮を獲たる者として王都に還せり。爾は宜しきに合ひて王及び總主教に賞せられて、誇らずして呼べり、教導者よ、爾は我をペトルの如く救ひ給へり。

   光榮

昔異邦民神を識らざることの淵に亡ぶるに、聖神゜は門徒に謂へり、我が為にワルナワ及びサウルを別ちて、我が彼等を召して任ぜしむる職を行はしめよと。克肖なる神゜父等よ、彼は爾等をもスロワェンの諸邦に遣さんことを命ぜしに幽闇と死の蔭とに坐する民は爾等の教の光に照されて呼べり、教導者よ、爾は我等をペトルの如く救ひ給へり。   今も、生神女讃詞。

至りて無てんなる者よ、今を限の罪の淵は我を圍めるに、我戦ひ慄きて、全く溺るるを畏れて、祷を爾に獻る、我が慾深き霊を憐み給へ、教導者よ、仁慈なるに因りて爾の手を伸べて、我をペトルの如く救ひ給へ。

   小讃詞、第三調。

我が聖なる二人の光照者、聖書を訳するを以て我等の為に神を識る知識の泉を流しし者を尊まん。キリル及びメフォディイよ、我等は今に至るまで此より絶えず汲みて、爾等、至上者の寶座の前に立ちて、熱切に我が霊の為に祈る者を讃揚す。

   同讃詞

信者よ、来りて、諸徳を以て輝きし正教の傳道師、教会の眞の柱及び基、ハリストスの定理の神聖なるラッパ、捧神なる神゜父メフォディイ及びキリルを讃め揚げん。蓋彼等は不信の闇を我等より遠ざけ、神゜の火を以て異端の不虔を焚き、聖書を訳するを以てスロワェンの族を野の橄欖樹より善き果を結ぶ者に變じ、神聖なる洗礼を以てハリストスの教に入れ、多くの奇蹟を以て全他界に満てたり。故に榮冠者として全能者神の前に立つ。我等之に呼ばん、使徒とrしき聖なる神゜父等よ、ハリストスに祈りて、スロワェンの諸族に正教に堅く立つことと同心とを賜ひ、世界を平安にし、我等の霊を救はんことを求め給へ。

   第七歌頌

イルモス、昔三人の少者はペルシヤ人の尊める金の像に伏拝せずして、爐の中に歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

メフォディイよ、爾は先に獨にして惟一の者と偕に居りて、爾の霊を神の植え附けし楽園の如き者と為し、後に神智なるキリルと偕に使徒の傳道に往きて、スロワェンの諸邦に勤労せり。爾等は彼處に少者の如く不虔の火に焚かれずして歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

睿智なるキリルよ、爾はイウデヤ人及びサラチン人を論破し、聖洗を以てカザルの地を照して、多くの虜を釋ち、水なき地に於て鹹水を甘き水に變じたり。爾に救はれたる民は歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

   光榮

克肖なる神゜父等よ、爾等は主の名を異邦民の前に布かん為に選ばれたる器と為れり。故にスロワェンの諸邦は爾等の教の光に照されんことを望みしに、爾等は閑静の楽しきを使徒の労に代ふることを定めたり、衆多の者をハリストスの為に獲て、彼等と偕に歌はん為なり、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

   今も、生神女讃詞。

至聖なる生神童貞女よ、我は諸慾の満ちたる器にして、彼の終の死と火の嚇とを懼る。至浄なる者よ、爾は我亡ぶる者を救ひ、力を以て我が神゜に帯して、我に罪の縛を断たしめ給へ、我が感謝して歌はん為なり、虜囚を釋き給ふ主を生みし者よ、爾は崇め讃めらる。

   第八歌頌

イルモス、敬神の少者は無形の火にて物質の火の焔を滅して歌へり、主の悉くの造物は主を崇め讃めよ。

福たるキリルよ、爾は常に恩寵の無形の光に照されて、司祭の職位を受け、聖神゜の爾を助くるに因りてスロワェンの文字を發明せり、人々が神に感ぜられたる書の彼等の言語に訳せらるるを以て照されて、歌はん為なり、主の悉くの造物は主を崇め讃めよ。

讃美たる神゜父等よ、爾等は先づ我が信教の首たる者として、雷の子の地に属せざる言を、太初に言ありと轟かし、次に和聲の聖詠經を訳せり。聖なる教会は今も此を以て楽しみて呼ぶ、主の悉くの造物は主を崇め讃めよ。

   光榮

奇異なる神゜父等よ、爾等は無形の財寶を以て我等を富ませり、蓋神聖なる「リトゥルギヤ」が爾等に由りてスロワェンの言語にて行はるることは始まれり。我等も今に至るまで此の恩寵に與る者として、爾等を讃美して歌ふ、主の悉くの造物は主を崇め讃めよ。   今も、生神女讃詞。

生神童貞女よ誘感と侵害との火は我を圍めり。潔き者よ、我爾に趨り附く、爾の僕の祷を棄てずして、我に迫る諸難より脱れしめ給へ、我が爾を崇めて、爾の名を世々に讃め揚げん為なり。

   第九歌頌

イルモス、我等は爾焚かれぬ棘及び聖なる童貞女、光の母及び生神女、我等衆の倚頼なる者を崇め讃む。

至榮なるメフォディイよ、孰か宜しきに合ひて爾を讃むるを得ん。キリルよ、爾が迷へる人々の救の為に使徒の如く任じたる功労と苦労とは孰か能く数へん。殊に我等爾等に依りて己に属する言辞を以て至上の神を讃栄するを習ひし者は同心に爾等を崇め讃む。

福たるキリルよ、爾已に事を成し、馳すべき程を盡ししに因りて、上より爾に終焉のことの報ありき、爾は欣ばしく之を受けて歌へり、人我に向ひて、我等主の家に入らんと云ふ時、我が神゜は喜べりと。次ぎて爾の霊は上なる慕ふ處に升り、彼處に在りて天軍と偕に常に一性なる三者を崇め讃む。

   光榮

克肖なるメフォディイよ、爾はモラワィヤの教会の主教の職を受け、聖なる教を傳播して、多くの苦労と功労とを任じ、多くの艱難と窘逐とを忍べり。今は聖キリルと偕に至高き處に悦びて、我等の為に祈り給へ、我等が爾等を我が保護者及び轉達者として恒に崇め讃めん為なり。  今も、生神女讃詞。

天使より最高く、ヘルワィムより最尊き者よ、爾に祈る、聖キリル及びメフォディイの轉達に因りて、我等卑微なる者を憐み、罪の深處より引き上げて、永遠の定罪を免れしめ給へ、我等が彼等と偕に爾光の母及び生神女、我等衆の倚頼なる者を崇め讃めん為なり。

   光耀歌

聖なる教師よ、我等欣ばしく爾等の記憶を祭りて、熱切に爾等に祈る、福音の財寶を以て富ましし諸族をハリストスの承認の石の上に堅めて、我等の生命を平安に護り給へ。

   光榮、今も、生神女讃詞。

「凡そ呼吸ある者」に讃頌、第四調。

神智なるキリル及びメフォディイよ、爾等は使徒の後に従ひて、迷へる人々を尋ねん為に同心に励みて、疾く翔る鷲の如く、スロワェンの諸邦を飛び繞り、神を識る知識の光を以て之を照して、イイスス、人を愛する主、及び我が霊の救主に攜へたり。

捧神なる神゜父等、ハリストスの葡萄園の工者、正教の栽培者よ、爾等はスロワェンの人々を失はれし金銭の如く、勤めて尋ねて、之を獲たり。イイスス、人を愛する主、及び我が霊の救主は天使等と偕に喜びて、之を永遠の生命の寶庫に蔵め給へり。

聖三者の軍士、迷へる者の教導師、アガリャン人の誹謗を斥け、イウデヤ人の不虔を辱かしめし者よ、神に悦ばるる爾等の苦労と汗とを以て獲たる教会を諸敵の悪謀に悩まされず、イイスス、人を愛する主、及び我が霊の救主に愛せらるる者として務めて護り給へ。

   光榮、第六調。

人々よ、我等の光照者の記憶を敬虔に行ひて、感謝して呼ばん、最光明なる燈、神を識る知識の光を以てスロワェンの諸邦を照しし者よ、慶べ、善き牧者、不信の谷に散じたる霊智の羊を一に集めて、牧師長ハリストスに攜へし者よ、慶べ。我等ハリストスを崇めて、爾等を讃揚す。

   今も、生神女讃詞。

   大詠頌。發放詞。

 

聖體禮儀

眞福詞は、聖人の規程の第三及び第六歌頌。

   提綱、第七調。

聖人の死は主の目の前に貴し。句、我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。使徒の誦讀はエウレイ書318端。「アリルイヤ」、第二調、爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悦ばん。

福音經の誦讀はマトフェイ11端。領聖詞、義人は永く記憶せられ、悪評を懼れざらん。