1月1日

新年の奉事

又聖致命者ボニファティイの記憶


正教会の暦の新年は9月に始まるのが通例だが、ニコライ大主教は祭日経を新暦の日付に換算して編集し、1月始まりにした。たとえば降誕祭はユリウス暦(旧暦)の12月25日だが、この日を今一般に使われているグレゴリオ暦に換算すると1月7日にあたるので、ニコライ版の祭日経では1月7日と書かれている。革命前のロシアでは国全体がユリウス暦を使っていたので1月7日は、あくまで12月25日であった。

またニコライ大主教は新年も新暦の1月1日に合わせて「新年の奉事」として祝うように設定した。従って、12月19日(新暦1月1日)に記憶されるボニファティの記憶と合わせて行われるように設定された。


晩課

第一「カフィズマ」の第一段。若し「スボタ」ならば、「カフィズマ」の全分を誦す。

「主よ、爾にぶ」に六句を立てて讃頌を歌ふ、新年の三章、第一調、及び致命者の三章、第四調。

   新年の讃頌、第一調。

ハリストスの口づから教へ給ひし神聖なる祈祷を学びて、日々に造物主にばん、天に在す我等の父よ、我等の罪を顧みずして、日用の糧を我等に與へ給へ。

昔シナイ山に於て石版を書ししハリストス神よ、爾親ら今も身を以てナザレトの邑に在りて、預言の書を受けて之を読み、之を掩ひて、人々に爾の事を録せる書の應ひしを教へ給へり。

ハリストスよ、昔爾萬有の主宰に實に順はざりしエウレイ人の肉體が当然に野に仆れし如く、斯く今も爾の不虔不信なる諸敵の骨が、聖詠に言へる如く、地獄の口に散りて落つるを致し給へ。

次に致命者の讃頌、(此の讃頌及び其の他の奉事は月課經に載す)。

   光栄、生神女讃詞。今も、新年の、第六調。

聖神゜と一性なる無原の言及び子、見ゆると見えざる萬物の造成主よ、生神女及び衆聖人の祈祷に因りて、爾の恩澤を年に冠らせて、正教の諸民を平安に護り給へ。

次ぎて聖入。本日の提綱。喩言三篇。

   イサイヤの預言書の読。(六十一章)。

主の神゜我に在り、蓋主は我に膏して、貧しき者に福音せしめ、我を遣はして、心の傷める者を醫し、とりこに釋を、瞽者に見ることを傳へ、主の禧しき年と、我等の神の應報の日とを告げしめ、凡そ哀む者を慰め、シオンに於て哀む者には、灰に代へて栄冠を、涙に代へて喜楽の膏を、憂の心に代へて光栄の衣を予へしめたり。彼等は義に強き物、主の栽うる所にして其の光栄を顕す者と稱へられん。彼等は世々の荒れ地を建て、上古より廃れたる處を興し、敗れたる邑、古代より荒れたる者を新にせん。外人は来りて爾等の群を牧し、外族の諸子は爾等の田を耕し、爾等の葡萄を作る者と為らん。爾等は主の司祭と稱へられ、人爾等を我が神の役者と呼ばん、爾等諸民の富を食ひ、其の光栄を以て自ら誇らん。凌辱に代へて、爾等に倍して賜はらん、侮辱に代へて、彼等は其分を喜ばん、蓋彼等は其地に在りて二倍の業を受けん、永き楽は彼等に在らん。蓋我主は義を好み、不義の劫奪を悪み、眞實を以て彼等に報を予へ、彼等と永遠の約を立てん。彼等の裔は諸民の中に知られ、彼等の子孫は諸族の間に知られん、凡そ彼等を見る者は彼等が主に祝福せられたる裔なるを識らん。

   レワィトの書の読。(二十六章)。

主はイズライ州の諸子に謂ひて曰へり、爾等若し我が諸命に遵ひ、我が誡を守りて之を行はば、我爾等に雨を其時に予へん、地は其産を出し、田の樹は其實を結ばん。爾等の打麦は葡萄を摘む時に及び、葡萄を摘むことは播種時に及ばん、爾等は飽くまで餅を食ひ、安全に爾等の地に住はん。我和平を爾等の地に予へん、爾等寝ねて、爾等を懼れしむる者なからん、我猛獣を爾等の地より駆らん。戦は爾等の地を経ざらん、爾等は其敵を逐はん、彼等は爾等の前に殺されて殞れん、爾等の五人は其百を逐ひ、爾等の百は其萬を逐はん、爾等の敵は剣に因りて爾等の前に殞れん。我爾等を眷み、爾等を祝福し、爾等を殖し、爾等を増し、爾等と我が約を立てん。爾等は舊き穀物及び舊の又舊を食ひ、而して新なる者の前より其舊きを棄てん。我我が居所を爾等の中に立て、我が霊は爾等を忌まざらん、我爾等の間に歩み、爾等の神と為り、爾等は我の民と為らん。然れども爾等若し我に聴かず、我が此の諸命を行はず、之に遵はず、爾等の霊我が規定を悪み、爾等我が凡の誡を行はずして、我が約を破るに至らば、我も此くの如く爾等に行はん、我窮乏を爾等に降さん、爾等徒然に種を播き、爾等の敵は爾等の労を食はん。我が面を爾等に向けん、爾等は敵の前に殞れん、爾等を悪む者は爾等を逐はん、爾等亦逐ふ者なくして逃げん。我爾等が傲慢の勢を毀ち、爾等の為に天を鐵の如く、爾等の地を銅の如く為さん。爾等が力を竭すは徒然ならん、爾等の地は其の産を出さず、田の樹は其實を結ばざらん。我野獣を爾等の中に遣さん、此等は爾等を食ひ、爾等の家畜を殺し、爾等の数を少くせん。剣至りて爾等を滅し、爾等の地は荒れ、爾等の邑は空しくならん。爾等が我に敵して事を為しし如く、我も怒を以て爾等に敵して事を為さん。主神イズライリの聖なる者之を言ふ。

致命者の、義人は早く死すとも安息に居らん、蓋貴き齢は長寿に在るに非ず、(本書の末に載す)。

 

挿句に新年の讃頌、第一調。(修士イオアンの作)。

年の始は至りて、之を光照する致命者ボニファティイを尊まん為に我等を呼び集む。祭を愛する者よ、其記憶に預りて、敬虔の心を抱きて呼ばん、主よ、爾の手の作為に祝福して、我等に爾の旨に適ひて年の循環を過ぐることを得しめ給へ。

句、神よ、讃頌はシオンに於て爾に属し、盟はイエルサリムに於て爾に償はれん。

ハリストス我等の神、睿智を以て一切を造りて、無より有を成しし主よ、歳の冠首に祝福し、我等の諸邑を無難に護り、爾の力を以て吾が皇帝を楽しましめ、彼に諸敵に勝つを賜ひ、生神女に因りて世界に大なる恩恵を予へ給へ。

   第二調。(キプリアンの作)。

句。我等は爾の聖殿の福にき足らん。

神よ、爾は奇異なり、爾の作為は奇妙なり、爾の途は測り難し、蓋爾は父の智慧、純全なる神位及び能力なり、父と同無原、同永在なり。爾は己の造物を善美にせんと欲して、神性を易へずして、爾の全能の権を以て夫を識らざる母より言ひ難く世に来れり。変易せざる主よ、爾は我等の救の為に時と節とを命じ給へり。故に我等爾にぶ、至仁なる主よ、光栄は爾に帰す。

   (ダマスクの聖イオアンの作)。

句、主よ、爾は恩澤を以て年に冠らす。

父の永遠の言、睿智を以て一切を造り、己の全能の命を以て萬物を造成せし主よ、爾の思澤を以て年に冠らせ、生神女に因りて諸の異端を滅し給へ、爾は善にして人を愛する主なればなり。

   光栄、致命者の。

   今も、新年の、第五調。(修士イオアンの作)。

永遠に在し、無窮の世に存する王、ハリストス神よ、救を求むる罪人等の祷を納れ給へ。人を愛する主よ、生神女の祈祷に因りて、爾の地に豊作と気候の順和とを予へ、昔ダワィドを助けし如く、我等の皇帝を助けて、諸敵に勝つを給へ、蓋爾は正教の者の勝利及び令誉なり。

   新年の讃詞、第二調。

時と歳とを己の権内に置き給ひし萬物の造成主よ、爾の恩澤を以て年に冠らせ、生神女の祈祷に因りて、皇帝と爾の城邑とを平安に守りて、我等を救ひ給へ。

   光栄、致命者の。今も、生神女讃詞、第一調。

恩寵を蒙れる生神童貞女、人類の湊及び轉達よ、慶べ、蓋爾より世界の贖罪主は身を取り給へり。獨母にして童貞女、常に讃美讃栄せらるる者よ、ハリストス神に全世界に平安を賜はんことを祈り給へ。

 

早課

「主は神なり」に新年の讃詞、二次。光栄、救命者の。今も、生神女讃詞。

「カフィズマ」の第一の誦文の後に新年の坐誦讃詞、第四調。

我等信を以て爾萬有の主宰、諸善を賜ふ者に俯伏して、熱切に呼ぶ、救世主よ、爾が仁慈なるに因りて、己の愛憐に促されて、又爾を生みし者、及び常に爾の悦を為す悉くの者の祈祷に因りて、我等爾を二性の主として尊み、忠信に讃栄する者に、嘉して納れらるる周年を爾に奉るを得しめ給へ。

光栄、致命者の。今も、新年の。

第二の誦文の後に、坐誦讃詞は致命者の、二次。光栄、今も、生神女讃詞。

若し致命者ボニファティイの堂ならば、多燭詞の後に、坐誦讃詞、提綱、福音經は致命者の。

規程二篇。新年の規程「イルモス」と共に六句に。修士イオアンの作。第一調。

   第一歌頌

イルモス、我等衆人、イズライリをファラオンの苦しき奴隷より釋きて、海の深處を濡れざる足にて渉らしめし主に凱歌を歌はん、彼光栄を顕したればなり。

我等皆萬有を合成して、一切を完全に保ち給ふハリストス、無原なる神父より生れし其實在の言に凱歌を歌はん、彼光栄を顕したればなり。

我等皆父の恵に由りて童貞女より現れ、我等の救の為に主の禧年を傳へ給ひしハリストスに凱歌を歌はん、彼光柴栄を顕したればなり。

法を授くる者はナザレトに来り、「スボタ」の日に教へて、エウレイ人に己の言ひ難き降臨は法なりと示す。彼は仁慈なるに因りて、此の降臨を以て我等の族を救ひ給ふ。   生神女讃詞

我等信者皆至りて奇異なる少女、世界にハリストスを輝かして、萬有を永遠の生命の喜に盈たしし者を歌ひて、常に崇め讃めん、彼光栄を顕したればなり。

   致命者の規程四句に

共頌、ハリストス生る、崇め讃めよ、ハリストス天よりす、迎へよ、ハリストス地に在り、上れよ、地挙りて主に歌へよ、人々よ、楽しみて讃め揚げよ、彼光栄を顕したればなり。

   第三歌頌

イルモス、ハリストスよ、爾が誡の動かざる石に我を堅め、爾の顔の光にて我を照し給へ、人を愛する主よ、爾の外に聖なる者なければなり。

仁慈全能なる主よ、爾の右の手が愛を以て地に植え付けし實を結ぶ葡萄を堅めて、爾の教会を護り給へ。

主宰よ、信を以て爾萬有の神を崇め歌ふ者に、此の来りし年を、神に合ふ虜神゜の行にて己を飾る者として度らしめ給へ。

洪恩なるハリストスよ、我に平安なる周年を與へて、爾が現れて、「スボタ」毎にイウデヤ人に宣給ひし爾の神聖なる言にて我を飽かしめ給へ。

   生神女讃詞

我等爾を、獨性に超えて人より上なる恩寵を腹に受けて、潔くハリストス我等の神を生みし者として、恒に崇め讃む。

共頌、世の無き前に分離なく父より生れし子、末の日に種なく童貞女より身を受けしハリストス神に呼ばん、我等の角を高くせし主よ、爾は聖なり。

   新年の小讃詞、第二調。

上天に在すハリストス王、見ゆると見えざる萬物の造成主、日と夜、時と歳とを造りし主よ、今歳の始に福を降し、我が皇帝と城邑と爾の民とを平安に保ちて護り給へ、爾は至りて慈憐なる主なればなり。

   新年の坐誦讃詞、第八調。

地に居る者に天より豊作の時と雨とを賜う主よ、今も爾の諸僕の祈祷を納れて、爾の城邑を凡その苦難より救ひ給へ、蓋爾の宏恩は實に爾の悉くの作為に在り。故に神よ、我等の出入に福を降し、我が手の工作を我等に助け、我等に諸罪の赦を予へ給へ、爾は全能者として萬有を無より有と為したればなり。

   又致命者の。光栄、今も、生神女讃詞。

   第四歌頌

イルモス、全能者よ、我爾の摂理を悟れり、救世主よ、我畏懼を以て爾を讃栄せり。

救世主よ、爾の民は歳の首を爾に奉りて、天使等の歌を以て爾を讃栄す。

ハリストスよ、爾は人を愛する主なるに因りて、歳を始めし者に爾の旨に合ひて之を終ふるを得しめ給へ。

獨全能者たる主よ、年歳の循環の平安なるを世界に予へ給へ。

   生神女讃詞

我等皆生神女を我が霊の避所及び堅き憑恃として歌はん。

共頌、イエッセイの根より生ぜし枝及び其花なる讃美たるハリストスよ、爾は童貞女より出で給へり。形なき者且神よ、爾は夫に適かざる者より身を取りて、樹蔭繁き山より来給へり。主よ、光栄は爾の力に帰す。

   第五歌頌

イルモス、ハリストスよ、我等夜より寤めて、爾父と同無原なる者、我等の霊の救主を歌ふ、人を愛する主よ、世界に平安を與へ給へ。

萬有を仁慈にて満つるハリストスよ、爾は気候順和、五穀豊穣の降福を冠りたる断えず循環する年を爾の諸僕に與へ給へ。

神の言よ、爾人に似たる者と為りし主を知る我等の為に、年の推移を善良に進歩し、平安に竪立する者と為し給へ。

父と同無原なる主よ、爾は地に来りて、とりこに釋を、瞽者に見ることを、且つ禧しき年を父より傳へ給へり。   生神女讃詞

潔き生神女よ、我が憑恃と我が冀望とを爾に負はしむ。童貞女よ、爾が生みし者を慈憐なる主として我等に與へ給へ。

共頌、和平の神、仁慈の父よ、爾我等に和平を賜う爾の大なる議事の使者を遣し給へり。故に我等神を知る光に導かれて、夜過ぎて朝に爾人を愛する主を崇め讃む。

   第六歌頌

イルモス、人を愛する主よ、爾は預言者を鯨より救へり。祈る、我をも罪悪の深處より引き上げ給へ。

主宰よ、我等に歳の首と共に爾の旨に合ふ度生を始むるを得しめ給へ。

洪恩なる救世主よ、爾を歌ふ者を、爾の法を学ぶに於て属神゜の日に満てらるる者と為し給へ。   生神女讃詞

主を生みし純潔てんなる生神女よ、信を以て爾を歌ふ者を諸難より救ひ給へ。

共頌、海の猛獣はイオナを受けしまま産児の如く腹より出せり。童貞女に入りて身を受けし言は其の傷なきを守りて通れり、蓋自ら壊れに従はず、生みし者をもそこなはずして守り給へり。

   致命者の小讃詞

   第七歌頌

イルモス、偕に敬虔に養はれし少者は、不虔の命を願みずして、火の嚇を恐れず、乃焔の中に立ちて歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

我等年を始むる正教の人々は、歌頌の始をも終なき国の王たるハリストスに奉りて、敬虔に歌ふ、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

世の無き先より、又世々にも主たるハリストス、仁慈の泉よ、爾の諸善の賜にて我等の為に此の年を充て給へ、蓋我等歌ふ、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

   生神女讃詞

ハリストスよ、我等は僕として爾主宰に、祈祷の為に爾の潔き母を進む。仁慈なる主よ、其祈祷に因りて、爾の民を諸難より救ひ給へ、蓋我等歌ふ、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

共頌、偕に敬虔に養はれし少者は、不虔の命を顧みずして、火の嚇を恐れず、乃ち焔の中に立ちて歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

   第八歌頌

イルモス、爐の中に歌頌せし少者を救ひて、烈しき焔を露に変ぜしハリストス神を歌ひて、萬世に讃め揚げよ。

ハリストスよ、尊き教会は爾救の首に年の始を奉りて呼ぶ、ハリストスを歌ひて世々に讃め揚げよ。

智慧を以て萬物を無より新に作りし造成主、其旨を以て時の循環を成す者を歌ひて、世々に彼を讃め揚げよ。

我等一切を成し給ふ神、時を人々の種々の用の為に変ずる者に歌ふ、ハリストスを崇めて、世々に讃め揚げよ。

   生神女讃詞

我等正教の人々の會は爾神の母、潔き童貞女を、歳の循環の中に、常に生神女及び衆の救として歌ふ。

知るべし、第八歌頌の終には、常に皆一次躬拝を為して歌ふ、我等主を讃め、崇め、伏し拝みて、世々に歌ひ讃めん。

次に第八歌頌の「イルモス」、或は規定の共頌、今日の如し。

共頌、露を出す爐は天然に超ゆる奇蹟の象を顕せり、蓋受けし所の少者を焚かず、神性の火が入りし所の童貞女の腹を焚かざる如し。故に我等歌ひて呼ばん、悉くの造物は主を崇めて、萬世に讃め揚げよ。

司祭(或は輔祭)は聖寶座の前に爐儀を行ひて後高誦す。

生神女、光の母を讃歌を以て讃め揚げん。

乃ち至聖所、堂中、及び兄弟の前に爐儀を行ふ。早課の第九歌頌には常に是くの如くす。此の時詠隊高聲を以て第六調に依りて第九歌頌を歌ふ、「我が霊は主を崇め」、及び附唱、「ヘルワィムより尊く」。蓋第九歌頌には、若し主の祭日に非ずば、常に「ヘルワィムより尊く」を歌ふ。

   第九歌頌

イルモス、生神女よ、燃ゆれども焚かれぬ棘は爾が潔き産の象を顕せり。祈る、今も我等を攻め圍む誘惑の爐を撲ち滅して、常に爾を崇めさせ給へ。

神の言及び力、眞なる睿智及び父の像、智慧を以て萬有を保ちて掌る主よ、今も来りし時を爾の諸僕の為に平安の途に赴かしめ給へ。

主よ、爾の悉くの作為、天と地、光と海、諸水諸泉、日月星辰、黒暗と火、人々と禽獣は諸天使と共に爾を讃め揚ぐ。

獨世々の先なる者にして、世々を造りて之を掌る主、三位にして惟一なる分れざる神性よ、潔き神の母の祈祷に由りて、豊なる年を爾の嗣業に與へ給へ。

   生神女讃詞

萬衆の救主及び主宰、萬有の造成主及び全能者よ、種なく爾を生みし者の祈祷に因りて、爾の世界に平安を與へ、教会を常に平穏に護り給へ。

共頌、我奇異にして至栄なる秘密を瞻る、洞は天と為り、童貞女はヘルワィムの寶座と為り、芻槽は容れ難きハリストス神の臥し給ふ置き所と為れり、我等歌ひて、彼を崇め讃む。

 

   新年の光耀歌

諸神の神及び主、三位の性、近づき難き、永在なる、造られざる者、萬有の造成主、全能者よ、我等皆爾に俯伏して、爾に祈る、爾仁慈なるに因りて、斯の年に福を降せ、洪恩の主よ、皇帝及び爾の衆民を平安に護り給へ。

   光栄、今も、

萬物の造成主及び主宰、時と歳とを己の権内に置き給ひし洪恩の主よ、祈る、爾を生みし者及び聖なる天使等の祈祷に因りて、仁慈の降福を以て周年に冠らせ、爾の民を平安の中に、無事無難に護り給へ。

「凡そ呼吸ある者」に四句を立てて、新年の讃頌四章を歌ふ。

   第三調。(修士イオアンの作)。

父の永遠の言、神の像、萬物を無より有と為し、時と歳とを己の権内に置き給ひし主よ、爾の恩澤を以て年に冠らせ、爾の諸教會に平安を、我が皇帝に勝利を、地に豊作を、我等に大なる憐を與へ給へ。

   第四調。(作者同上)。

ハリストス神よ、爾の国は永遠の国、爾の宰制は萬世に在り、蓋爾は智慧を以て一切を造りて、我等に時と歳とを進め給へり。故に我等は衆の為一切の為に感謝して呼ぶ、爾の恩澤を以て年に冠らせて、我等に定罪なく爾に呼ばしめ給へ、主よ、光栄は爾に帰す。

   (クリトのアンドレイの作)。

神よ、爾の行くは厳にして奇異なり、故に我等爾の摂理の力を崇め讃む。蓋言よ、爾光よりする光は爾の不當なる世界に来りて、自ら欲せし如く、古のアダムの初の詛を滅し、智慧を以て我等の為に時と歳とを定めて、爾の全功の仁慈を讃栄せしめ給へり、主よ、光栄は爾に帰す。

   光栄、致命者の。今も、新年の、第八調。(ゲルマンの作)。

言ひ難き智慧を以て萬有を造りし言、時と歳とを我等に進め給ひしハリストス神よ、爾の手の作為に福を降し、爾の力を以て我が皇帝を楽しましめて、之に諸敵に勝つを賜へ、爾は獨仁慈にして人を愛する主なればなり。

   次に大詠頌。

聖三祝文の後に新年の讃詞。光栄、致命者の。今も、「恩寵を蒙れる生神童貞女」。聯祷、發放詞、及び第一時課。時課中に新年の讃詞。光栄、致命者の。今も、時課の生神女讃詞。聖三祝文の後に、小讃詞は新年の、及び致命者の、交互誦す、及び其の他。并に最後の發放詞。

 

聖体禮儀

眞福詞には新年の規程の第三歌頌、四句に、及び致命者の第六歌頌、四句に。聖人の後に、讃詞は先に新年の、及び生神女の、「恩寵を蒙れる生神童貞女」、後に致命者の。光栄、小讃詞は致命者の、今も、小讃詞は新年の。(若し生神女の堂ならば、今も、生神女の堂の、新年の小讃詞を始に誦すべし。)

提綱は新年の、第三調、吾が主は大なり、其力も亦大なり、其智慧は測り難し。句、主を讃め揚げよ、蓋我等の神に歌ふは善なり。又致命者の提綱、第七調、義人は主の為に楽しみて、彼を恃まん。使徒の誦読は新年の、ティモフェイ書282端、「子ティモフェイよ、我凡の事に先だちて勧む」。又致命者の、ティモフェイ書292端、「子ティモフェイよ、爾ハリストスイイススに在る恩寵に堅固なれ」。「アリルイヤ」、第四調、神よ、讃頌はシオンに於て爾に属す。句、主よ、爾は恩沢を以て年に冠らす。又致命者の、第四調、義人は繁ること棕櫚の如く、高くなることリワンの柏香木の如し。福音經の誦読は新年の、ルカ13端、「彼の時イイスス其養育せられし所のナザレトに来り」。又致命者の、ルカ63端、「主曰へり、覆はれて露れざる者なく」。領聖詞は主よ、爾は思澤を以て年に冠らす。又、「義人は永く記憶せられ」。

 

知るべし、一月一日若し聖世祖の主日に當らば、奉事式左の如し。

【注意】「スボタ」の小晩課には、讃頌は主日及び生神女の、常例の如し。

大晩課には、「主よ、爾に<よ>ぶ」に、讃頌は主日の三章、新年の三、聖世祖の四、第六調。光栄、世租の、第六調、「主よ、神の旨に適ふダニイルは」、今も、生神女讃詞、調の第一。聖世祖の喩言三篇、其一は、創世記14章「アウラアムは其の親戚ロト」、其二は、申命記1章、「モイセイはイズライリの諸子に謂へり」、其三は、申命記10章、「モイセイはイズライリの諸子に謂へり、視よ、天と諸天の天」、(巻末に載す)、及び新年の二篇、「リティヤ」ニ、讃頌は新年の挿句の、第一調、及び世祖の、第一調、「大名なる諸預言者は」、光栄、第三調、「祭祀を愛する者よ、来りて」、今も、生神女讃詞、「爾は種なく聖神゜に由りて」、挿句に讃頌は主日の二、新年の一、「ハリストス我等の神、睿智を以て」、光栄、世祖の、第二調、「尊き諸預言者」、今も、「嗚呼新なる奇蹟」。餅の祝福に、讃詞は「生神童貞女よ、慶べよ」、一次、新年の、第二調「時と歳とを己の権内に置き」、及び世祖の、第二調。「信の感化力は大なる哉」、一次。「願はくは主の名は崇め讃められて」を歌ふ、三次。第33聖詠、「我何の時にも主を讃め揚げん」、「主を尋ぬる者は何の幸福にも缺くるなし」に至る。使徒経講義の誦読。

早課には、「主は神なり」に、讃詞は主日の、一次、新年の、一次、光栄、世祖の、「信の感化力は大なる哉」、今も、生神女讃詞、「生神女よ、爾の奥義は」。「カフィズマ」の第一の誦文の後に、坐誦讃詞は主日の、其生神女讃詞と共に。第二の誦文の後に、新年の。福音経講義の誦読即ハリストス降誕前の主日の、マトフェイの始、「ダワィドの子、アウラアムの子」。多燭詞及び諸讃詞、「救世主よ、天使の軍は」。聯祷。坐誦讃詞は世祖の、第八調。「我等皆聖歌を以て」、光栄、今も、生神女讃詞、「女宰よ、爾の悉くの恩賜」。品第詞及び提綱は本調の、「凡そ呼吸ある者」。福音經は主日の。「ハリストスの復活を見て」。第50聖詠の後に主日の讃頌。規程は主日の、「イルモス」と共に四句に、生神女の二、世祖の四、第六調、及び新年の四。共頌は「ハリストス生る、崇め讃めよ」。第三歌頌の後に、應答歌、第八調。并に誦読。第六歌頌の後に、小讃詞、第六調、「三重に福たる者は手の記したる像」、第九歌頌の後に、光耀歌は世祖の、光栄、新年の、今も、生神女讃詞。「凡そ呼吸ある者」に、讃頌は主日の三、新年の二、世祖の三、第五調、「聖なる城シオンよ」、其附唱と共に、其第一「主我が先祖の神よ」、其第二、「蓋爾は凡そ我等に行ひし事」。光栄、世祖の、第八調、「總ての律法の教は」、今も、「生神童貞女よ、爾は至りて讃美たる者なり」。大詠頌。聖三祝文の後に復活の讃詞。聯祷及び發放詞。福音の讃頌を前院に歌ふ。第一時課。最後の發放詞。

聖体禮儀には、眞福詞は本調の、三句に、世祖の第三歌頌、四句に、及び新年の第六歌頌三句に。聖入の後に、讃詞は主日の、及び世祖の。光栄、新年の、今も、小讃詞は世祖の。提綱は、第四調、世祖の歌、「主我が先祖の神よ、爾は讃揚せられ」、及び新年の、第三調。使徒の誦読は、世祖の、エウレイ書328端、及び新年の、ティモフェイ書282端。福音經の誦読は、世祖の、マトフェイ1端、及び新年の、ルカ13端。主日の順序のは是を舎く。領聖詞は「天より主を讃め揚げよ」、主よ、爾は恩澤を以て年に冠らす。

【注意】本日の致命者の奉事は是を舎きて、聖務長が選定する時に行ふ。