聖五旬祭主日 奉事式  (徹夜祷、聖体礼儀、五旬祭晩課)



「スボタ」晩課式

「主よ爾によぶ」に八句を立てて左の讃頌を歌ふ。
  自調の讃頌  第一調


句、主よ、我深き處より爾に呼ぶ。主よ、我が聲を聴き給へ。

我等五旬祭及び聖神゜の降臨、許約の成就、冀望((きぼう)の満足を祝ふ、是くの如き機密、此れ如何に大にして尊き、故に我等爾に呼ぶ、主万有の造成者よ、光栄は爾に帰す。

句、願はくは爾の耳は我が祷の聲を聴き納れん。
ハリストスよ、爾は異族の方言を以て爾の門徒を新にせり、彼等が此を以て爾死せざる言及び神、我等の霊に大なる憐を賜ふ主を伝へん為なり。

句、主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん。然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬ま
ん為なり。

聖神゜は万事を備ふ、預言を流し、司祭を成全し、無学者に智慧を誨へ、漁者を神学者と為し、教会の十切の律例を設く、父及び子と一体にして同座なる撫恤者よ、光栄は爾に帰す。

句、主を望み、我が霊主を望み、彼の言を恃む。
  第二調
我等已に眞の光を観、天の聖神゜を受け、正しき信を得て、分れざる聖三者を拝む、彼我等を救ひ給へばなり。

句、我が霊主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し。
我等の救世主よ、爾は預言者を以て我等に救の道を示し、使徒を以て爾の聖神゜の恩寵を照し給へり、爾は始の神なり、爾は其後にも、亦世世にも我等の神なり。

句、願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを
其の悉くの不法より贖はん。

主よ、我爾の宮に於て爾世界の救主を歌ひ、膝を屈めて爾の勝たれぬ力を拝み、晩と朝と午と、又何の時に於ても爾を崇め讃めん。

句、萬民よ、主を讃め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讃めよ。
主よ、我等信者は爾の宮に於て霊と体との膝を屈めて、爾無原の父、同無原の子、同永在にして至聖なる神゜、我等の霊を照して聖にする者を讃め歌ふ。

句、蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の真實は永く存す。
我等は一体の三者、父と子と聖神゜とを讃め歌はん、斯く悉くの預言者及び使徒は致命者と偕に伝へたればなり。

  光栄  今も  第八調 帝レオの作
人人よ、来りて、三位の神性、父及び其中に居る子と聖神゜とに伏拝せん、
蓋父は世世の前に 同永在同宝座の子を生み、子と偕に讃栄せらるる聖神゜も父の中に居りき、
惟一の力、惟一の性、惟一の神なり。
我等皆彼に伏拝して曰ふ、聖なる神、子を以て聖神゜の共動に依りて 万有を造りし者、聖なる勇毅、我等に父を識らしめ、聖神゜を世に来らしめし者、聖なる常生の者、撫恤の神゜、父より出で、子の中に息ふ者なり、聖なる三者よ、光栄は爾に帰す。


  聖入「穏なる光」 

  本日の提綱  喩言

  民数記の讀。11:16,17,24~29

主はモイセイに謂えり、イズライリの長老の中七十人、爾が自らを知る所の民の長老たり有司たる者を集めて、證詞の幕に攜え来たり、彼處に爾と偕に立たしめよ、我降りて、彼處に爾と偕に語り、爾に在る所の神を分ちて、彼等に賦えん、彼等爾と偕に民の任を負いて、爾一人にて之を負うことなからしめん。モイセイ民の長老の中より七十人を集めて、之を幕の周囲に立たしめたれば、主は雲の中に降りて、モイセイに語り、彼に在る所の神を分ちて、七十人の長老に賦えたり。神彼等に宿りたれば、彼等預言せり、此の後は復之を為さざりき。二人営の中に留まれり、一の名はエルダト、一の名はモダドなり、神彼等に宿れり、彼等は注されたる者の中に在りしが、幕に往かざりき、彼等営の中に預言せり。一の少者奔り来たりて、モイセイに告げて曰えり、エルダト及びモダドは営の中に預言す。モイセイの侍者、其の簡ばれたる者、ナワィンの子イイスス對えて曰えり。主モイセイよ、彼等に禁ぜよ。モイセイ彼に謂えり、爾吾が為に熱中するか、嗚呼願わくは主の民悉く預言者と為り、主は其の神を彼等に降さんことを。

  イオイリの預言書の讀。2:23~32
主是くの如く言ふ、シオンの諸子よ、爾等も主爾の神の為に喜びて楽しめよ、蓋彼は爾等に宜しきに合いて雨を賜い、前の如く、爾等に早き雨と晩の雨とを降らさん。禾場には穀物盈ち、甕には葡萄汁と油とは溢れん。 我が爾等に遣わしし我が大軍たる蝗、毛虫、黄金虫、螟蛉の蝕い盡しし年の為に、我爾等に賠わん。爾等飽くまで食らいて飽き足り、主爾等の神、奇妙なる事を爾等に行いし者の名を讃め揚げん、我が民は世々に羞を得ざらん。爾等は我がイズライリの中に在り、我が主爾等の神にして、他に之れ無きを知らん、我が民は世々に羞を得ざらん。其の後我は我が神を以て凡その肉体に注がん、爾等の子女は預言し、爾等の老いたる者は夢の兆しを見、爾等の若き者は異象を見ん。彼の日に於て、我は、我が神を以て、我が僕及び我が婢に注がん、則彼等は預言せん。我奇蹟を上なる天に、休徴を下なる地に施さん、血と火と烟りとあらん。日は晦冥に、月は血に変ぜん、此れ主の大いにして光栄なる日の未だ来らざる先に在らん。凡そ主の名をよばん者は救いを得ん。

  イエゼキイリの預言書の讀。36:24~28
主是くの如く言う、我爾等を諸民の中より取り、諸国の中より集め、導きて爾等の地に入れん。我爾等に清き水を灑がん、爾等は悉くの汚穢より潔くならん、我爾等を悉くの偶像より潔めん。新たなる心を爾等に與え、新たなる神を爾等に與えん、爾等の肉より石の心を取りて、肉の心を爾等に與えん。我が神を爾等の衷に入れ、爾等をして我が誡めに従わしめ、我が律を守りて之を行わしめん。爾等は我が爾等の先祖に與えし地に住みて、我の民と為り、我は爾等の神と為らん。

  「リティヤ」に自調の讃頌三章  第二調
我等の救世主よ、爾は預言者を以て我等に救の道を示し、使徒を以て爾の聖神゜の恩寵を照し給へり、爾は始の神なり、爾は其後にも、亦世世にも我等の神なり。

主よ、我爾の宮に於て爾世界の救主を歌ひ、膝を屈めて爾の勝たれぬ力を拝み、晩と朝と午と、又何の時に於ても爾を崇め讃めん。

主よ、我等信者は爾の宮に於て霊と体との膝を屈めて、爾無原の父、同無原の子、同永在にして至聖なる.神゜、我等の霊を照して聖にする者を讃め歌ふ。

  光栄  今も  第八調
主よ、爾坐せる使徒等に爾の神゜を遣しし時、エウレイの諸子は見て驚き異しめり、彼等が聖神゜の予ふる如き異なる方言を言ふを聞きたればなり、蓋無智なる者は智者と為り、神聖なる事を宣べて、異邦人を信に進めたり、故に我等も爾に呼ぶ、地に現れて、我等を迷より救ひし主よ、光栄は爾に帰す。

  挿句の自調の讃頌  第六調

主よ、民は至聖神゜の爾の使徒に感ぜし力を暁らずして、言語の變化を酒の酔と意へり、我等は彼等に堅められて、斯く絶えずして曰ふ、人を愛する主よ、祈る、爾の聖神゜を我等より取り上ぐること毋れ。

句 神よ、潔き心を我に造れ、正しき霊を我の衷に改め給へ。

主よ、聖神゜の降臨は爾の使徒に及びて、彼等が異なる言を以て言ふを致せり、此の至栄なる事は不信者には酒の酔と意はれ、信者には救の縁由となれり、人を愛する主よ、爾に祈る、我等にも其光照を受くるに勝へさせ給へ。

句 我を爾の顔より逐ふこと毋れ、爾の聖神゜を我より取り上ぐること毋れ。

天の王、慰むる者よ、眞實の神゜、在らざる所なき者、満たざる所なき者よ、万善の宝蔵なる者、生命を賜ふ主よ、来りて我等の中に居り、我等を諸の穢より潔くせよ、至善者よ、我等の霊を救ひ給へ。

  光栄  今も  第八調
昔は塔を建つる者の狂暴の為に言は淆されたり、今は神学の光栄の為に言は暁り易くなりたり、彼には神罰を以て不虔者を定罪せり、此にはハリストス聖神゜を以て漁者を照せり、其時合一は失はれて苦を致し、今合同は新にせられて我が霊の救を致す。

  祭日の発放讃詞  第八調
崇め讃めらるる哉ハリストス我等の神よ、爾は漁者に聖神゜を遣して睿智者と為し、彼等を以て世界を漁し得たり、人を愛する主よ、光栄は爾に帰す。三次

嗣ぎて餅の祝福。

聖五旬祭主日早課式

「主は神なり」に 祭日の讃詞  第八調
崇め讃めらるる哉ハリストス我等の神よ、爾は漁者に聖神゜を遣して睿智者と為し、彼等を以て世界を漁し得たり、人を愛する主よ、光栄は爾に帰す。

  第一の誦文の後に坐誦讃詞、第四調。
信者よ、我等喜ばしく祭期の末日たる終の祭を祝はん、此は五旬祭なり、許約及び預定の成就なり、蓋此には撫恤者の火は舌の形の如く地に降り、門徒等を照して、之を天の機密者と為せり。撫恤者の光は臨みて、世界を照せり。
  第二の誦文の後に坐誦讃詞、同調。
神の泉は地に降り、無形の火の河に分れて、使徒等を照して之を霑せり、彼等の為に火を注ぐ雲と為り、彼等を耀かして、焔を雨らす者と為れり、彼等に由りて我等は火を以て水を以て恩寵を承けたり。撫恤者の光は臨みて、世界を照せり。
  多油詞の後の坐誦讃詞、第八調。
仁慈なるハリストスよ、爾は墓より起き、神妙に天の高きに升りて後、爾の光栄を爾の使徒に遣して、其中に正しき神゜を改め給へり、故に楽器を以てするが如く、神妙なる鳴弾に由りて爾の宣伝と摂理とは秘密に衆人の為に明にせられたり。
  讃歌 (連接歌集から)
生命を賜ふハリストスよ、我等爾を讃揚して、爾が父より神聖なる門徒に遣しし爾の至聖神゜を尊む。
  次ぎて同詠隊又歌ふ。
右、諸天は神の光榮を傳へ、穹蒼は其手の作為を誥ぐ。
左、天の全軍は其口の気にて造られたり。
右、主は天より鑑みて、悉くの人の子を視る。
左、我が神来る、其前に燬き盡す火あり、其四周に烈しき風あり、 ?炭は彼より散り落ちたり、彼は天を傾けて降れり。 其前の輝に依りて、其雲は馳せたり。 地の極は皆記憶して、主に帰し、 異邦の諸族は皆爾の前に伏拝せん。 主の啓示は正しくして、蒙者を慧からしむ。 地は震ひ、天も神の顔に因りて融けたり。 神よ爾は甘霖を爾の嗣業に注がん、 爾の諸子を立てて、全地の牧伯とせん。 其聲は全地に傳はり、其言は地の極に至る。 爾の気を施せば造られ、爾は又地の面を新にす。願はくは爾の善なる神゜は我を義の地に導かん。 神よ、潔き心を我に造れ、正しき霊を我の衷に改め給へ。 我を爾の顔より逐ふこと毋れ、爾の聖神゜を我より取り上ぐること毋れ。 爾が救の喜を我に還せ、主宰たる神゜を以て我を固め給へ。 主は福音を宣ぶる者に多くの力ある言を賜はん。 主は其民に力を賜ひ、主は其民に平安の福を降さん。
  
光榮、今も、「アリルイヤ」、三次

  品第詞、第四調。第一倡和詞。
我が幼き時より多くの慾は我を攻む、/(吾が)救世主よ、爾親ら/我を守りて救ひ給へ。
シオンを悪む者は主より辱を受けよ、(爾等)草の火に於けるが如く/爾もつくされん(枯らされんとすればなり)。
光栄は父と子と聖神に帰す/今も何時も世々にアミン。
凡の霊は聖神゜にて活かされ(聖神゜にて凡の霊は活かされ)、/清浄を以ていよいよ上り、聖三者の(三位の)一体にて奥密にて照さる。

  提綱  第四調
願はくは爾の善なる神゜は我を義の地に導かん。
句 主よ、我が祷を聆き、爾の眞實に依りて我が願に耳を傾けよ。
凡そ呼吸ある者は云々

  福音經はイオアン 20:19~23
是の日即七日の首の日既に暮れて云々 終 人に其罪を留めば則留めらる

「ハリストスの復活を見て」を歌はずして直に第五十聖詠を誦す。
嗣ぎて光栄「聖使徒の祈祷に因りて」 今も「生神女の祈祷に因りて」 句「神よ大なる憐に因りて」 

讃頌第六調
「天の王、慰むる者よ、眞實の神゜、在らざる所なき者、満たざる所なき者よ、万善の宝蔵なる者、生命を賜ふ主よ、来りて我等の中に居り、我等を諸の穢より潔くせよ、至善者よ、我等の霊を救ひ給へ。」


祭日の規程二篇を歌ふ。
  規程 修士コスマの作 第七調

第一歌頌
イルモス 高き臂にて敵を敗る主は海を以てファラオンと其兵車とを覆ひ給へり、我等彼に歌はん、其光栄著れたればなり
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す以下毎句之を附す
ハリストス、人を愛するよ、爾は嘗て門徒に約せし如く、實に撫恤者聖神゜を遣して、世界に光を照し給へり。
昔律法と諸預言者と伝へし事は應へり、蓋今神聖なる神゜の恩寵は衆信者に注がれたり。
  他の規程 ダマスクの聖イオアンの作  第四調
第一歌頌
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す
イルモス 神妙の黒闇に蔽はれたる口鈍き者は神が録しし律法を述べたり、蓋彼は智慧の目より不浄を掃ひて、永在者を見、聖神゜を知る智識を蒙りて、神聖の歌を以て之を崇め讃む。

附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
聖にして尊き口は曰へり、友よ、我爾等と別れざらん、蓋我父の至上なる宝座に坐して、光照せられんことを望む者に竭きざる聖神゜の恩寵を注がん。
光栄は、今も
極めて眞なる言は期に迨びて門徒の心を安んぜしむ、蓋ハリストスは事を畢へ、其友を楽しましめて、曾て約せし如く、迅しき風と火の舌とを以て彼等に聖神゜を賜へり。
共頌「高き臂にて」 「神妙の黒闇に」

第三歌頌
イルモス ハリストスよ、爾門徒に言へり、上より能力を衣するに迄るまで、イエルサリムに居れ、我は他の撫恤者、我に似たる者、我及び父の神゜を遣さん、爾等彼に固められん。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す
神聖なる神゜の降臨せし能力は、昔悪事を共謀せし者の分れたる言を神妙に齎一に合せて、信者に三者を識ることを教へたり、我等彼に固められたり。

  又
イルモス 昔砕きたる心を懐ける預言女アンナが、主宰、睿智の神に奉りし一の祈りは、果を結ばざる腹の縛を釋き、子多き者より受くる勝へ難き辱を除きたり。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す
至上神の為す所は悟り難し、蓋彼は無学の者を辯才の者と顕し、漁者を言にて智者に竭者、又聖神゜の光照を以て無数の民を深き黒暗より引き出す者と顕し給へり。
光栄は、今も
生れざる光より全能の竭きざる光は出づ、其固有の輝は、父の権に藉りて子を以て、今シオンに火を出す聲の中に諸民に顕る。

  坐誦讃詞  第八調
救世主を愛する者は歓喜に満ち、先に恐るる者は勇敢を獲たり、蓋今聖神゜は上より門徒の家に降りて、各人異なることを民に言へり、火の如く見ゆる舌は岐れて、彼等を焚かず、却りて露を注ぎたればなり。

第四歌頌
イルモス ハリストスよ、預言者は爾が末の日に来らんことを預見してよべり、主よ、我爾の能力の事、爾が凡そ爾の膏つけられし者を救はん為に臨みしを聞けり。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
曩に諸預言者に藉りて言ひ、律法に於て不完全の者に伝へられし撫恤者、眞の神は今言の役者及ひせ證者に現れ給ふ。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
聖神゜は火の中に神性の標識を具へて、使徒等に分たれ、奇妙の舌を以て顕れたり、蓋彼は父より出づる神聖の力にて、親ら権柄を有つ者なり。
  又
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
イルモス 諸王ノ王、斯く大なる者よりする惟一の斯く大なる者、無原の父より生れし言ょ、爾は恩主として、實に爾が同能の聖神゜を以て、主よ、光栄は爾の権柄に帰すと歌ふ使徒等に遣し給へり。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
嗚呼神の言よ、爾二性を合せたる者は言にて神聖なる重生の洗を建てて、我が為に爾の刺されたる不朽の脅より水を流し、聖神゜の温きを以て之を印し給ふ。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
万有は撫恤者と、父の子と、彼等と一性なる父との前に膝を屈む、蓋三位に於て實に近づき難き無原なる一体の者を見たり、聖神゜の恩寵が光ほ輝かしたればなり。
光栄は、今も
三光の性の役者は皆神が施す所の能力に満てらるべし、蓋ハリストスは恩主として、聖神゜の全き恩寵を賜ひて、天然に超えて完うし、照して、救を獲しめ給ふ。

第五歌頌
イルモス 主よ、爾を畏るるに藉りて、諸預言者の内に妊まれ、地に生れたる救の神゜は使徒等の心を浄くし、義なる者として信者の中に改めらる、蓋爾の誡は光なり、平安なり。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
今降臨せし能力は至善の神゜、神の栄知多の神゜、父より出で、子に藉りて我等信者に現れて、其居處となる者に成聖を賜ふ神゜なり、此の成聖の中に其本性は洞察せらる。
  又
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
イルモス 教会の光を負ふ諸子よ、諸罪を除く潔浄、火の噴き出したる聖神゜の露を受けよ、今シオンより律法たる聖神゜の恩寵は、火の舌の形を以て出でたればなり。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
父と同能同性たる自主の聖神゜は、自ら望みし如く、父より出で、使徒等に方言を知るを賜ひて、救世主の宣べたる生活を施す言を印し給ふ。
光栄は、今も
全能の神言は使徒等の霊を罪より醫して、己の為に備へて潔き居處と為せり、今其中に彼と同能一性なる聖神゜の光は入り給ふ。

第六歌頌
イルモス ハリストスよ、我世の慮の淵に漾ひ、我を覆へる諸罪の濤に溺れ、霊を滅す猛獣に擲たれて、イオナの如く爾によぶ、死を致す深處より我を引き上げ給へ。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
主よ、爾が預言せし如く、爾の聖神゜より豊に凡の肉体に注ぎ給へり、乃万有は、父より爾が朽ちずして生れ、聖神゜が分れずして出づるを知る智識に満てられたり。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
  又
イルモス 主宰ハリストスよ、爾は我等の為に浄と救にして、童貞女より耀き給へり、預言者イオナを海獣の腹より救ひし如く、アダムを其悉くの陥りし族と偕に腐敗より救はん為なり。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
全能者よ、我が衷に至りて慕ふべき正しき神゜を改め給へ、我等が彼、父より出でて父と一体なる者、朽つる物質の汚を焚きて、心を不潔より浄むる者を永遠に保たん為なり。
光栄は、今も
爾、父より生れし言の為に證する神゜は、ンオンに於て爾の降臨を慕ふべき賜として待つつ使徒等の中に火の息を以て入りて、昇邦の妄信の荒き迷を速に顧し給ふ。

  小讃詞  第八調
至上者は降りて舌を淆しし時、諸民を分てり、火の舌を頒ちし時、衆を一に集め給へり、故に我等同一に至聖神゜を讃栄す。
  同讃詞
イイススよ、我等の霊の悶ゆる時、速にして真なる慰を爾の諸僕に與へ給へ、憂の時我等の霊を離るる毋れ、禍の時我等の心に遠ざかる勿れ、恒に我等を衞り給へ。我等に近づけ、在らざる所なき者よ、近づけよ、恩廣き者よ、常に爾の使徒と偕に在るが如く、我等爾を恃む者と偕にし、我等に同一にして爾を歌ひ。爾が至聖の神゜を讃栄せしめ給へ。

  第七歌頌
イルモス 敬虔の少者は火の爐に擲たれて、火を易へて露と為し、歌を以てよべり、主我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
使徒等が神の大事を伝へし時、信ぜざる者は聖神゜の感動を以て酒の酔と思へり、此の感動に藉りて三者にして惟一なる我が先祖の神は現れ給ふ。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
我等は別れざる性たる無原の神父と、同権の言と、聖神゜とを正しく承け認めてよぶ、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
  又
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
イルモス 楽器の調和したる聲は、金にて鋳たる霊なき偶像を敬ふ為に響けり、撫恤者の光を施す恩寵は、慶賀を設けて斯くよばしむ、惟一にして同能なる無原の三者よ、爾は崇め讃めらる。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
預言者の述ぶる所を暁らざりし無智の者は使徒等が異方の言を語るを聞きて、之を酒に因る酔と名づけたり、然れども我等虔誠の者は敬みて爾によぶ、世界を新にする主よ、爾は崇め讃めらる。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
神に感ぜられし預見者イオイリは至上なる神言が宣べたる神聖の教を轟かして曰へり、我が注ぐ所の神゜を受くる者はよばん、三光の性よ、爾は崇め讃めらる。
光栄は、今も
神は第三時と雖一なる今の主日に恩寵を頒ち給へり、一性の中に三位を尊みて、子と父と聖神゜よ、爾は崇め讃めらると云ふを教へん為なり。

  第八歌頌
イルモス 火に圍まれて焚けざる棘しシナイに於て舌吃り言渋るモイセイに神を顕し、又神に於ける熱心は三人の少者を火に焚かれざる者と顕して、歌はしめたり、主の悉くの造物は主を歌ひて、万世に讃め揚げよ。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
至聖神゜の生命を施す強き吹嘘が烈しき聲を以て上より火の舌の形にて漁者に降りし時、彼等は神の大事を伝へて言へり、悉くの造物は主を歌ひて、万世に讃め揚げよ。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
我等觸るべからざる山に登る者として、嚇す火に畏れず、来りて、シオン山に生活の神の城に立ちて、聖神゜を戴ける門徒と偕に今よばん、悉くの造物は主を歌ひて万世に讃め揚げよ。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
  又
イルモス 至上神の三光の像は縲絏を釋き、焔に露を注ぐ、少者は歌ひ、凡そ造られし者は惟一の救世主及び造成主を恩者として崇め讃む。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
聖神゜は日の舌の形を以て降り、使徒等の記憶の中にハリストスが父より聞きて、彼等に宣べたる救の教を竪め給ふ、崇め讃めらるる者よ、先に神に疎んぜられ、今親しくなりし造物は爾を尊み歌ふ。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
己の旨に依りて降りて救を施す神゜、自ら輝きて光照を賜ふ光よ、爾は聖なる吹嘘の如く来りて、使徒等の中に入り給へり、祈る、爾の諸僕にも此の吹く嘘を豊に予へ給へ。
光栄は、今も
王よ、諸預言者の神゜に感ぜられし口、及び父の懐より出でし神゜造られずして自ら造成者たる主、爾と.宝座を同じくする者は、爾が肉体を以て来るを歌へり、此の神゜は爾より遣されて、諸信者に爾が人と為りしを承け認めさせ給ふ。
「ヘルワィムより尊く」を歌はず。

  第九歌頌
イルモス 産の時に損を試みずして、万能の言に肉体を予へし夫なき母、生神童貞女、容れ難き者の居處、限なき爾が造成主の住所よ、我等爾を崇め讃む。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
昔火の如き熱心者は火焔の車にて歓び升りて、今上より使徒等を照しし吹嘘を預象せり、彼等は此に照されて、衆人に三者を顕せり。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
其性の法に因らずして、門徒等より奇妙の事は聞えたり、蓋聖神゜の一の聲が恩寵を以て種々に宣ぶる時、諸氏諸族諸邦は神の大事を聆きて、三者を識るを得たり。
  又
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
イルモス 女王、至栄の母たる童貞女よ、慶べ、如何に滑なる能辯の口も辯を盡し、宜しきに合ひて爾を歌ふ能はず、如何なる智慧も爾の産を悟るを得ず、故に我等心を一にして爾を讃栄す。
附唱 至聖三者、我等の神よ、光栄は爾に帰す。
生命を予ふる少女を歌ふこと宜しきに合へり、蓋彼は獨、人の病みたる性を醫す言、今父の右に坐して、聖神゜の恩寵を遣しし主を其腹に宿し給へに。
光栄は、今も
我等神が注ぎし恩寵に活かされたる者は、皆光照せられて輝き、奇妙に至美しく変化せられたる者となりて、同能なる、分れざる、睿智の三光の性を識りて、之を讃栄す。
嗣ぎて共頌、両「イルモス」を歌ふ。

  差遣詞
父より出で、子を以て無学の門徒に降りし至聖なる神゜よ、爾が神なるを識りたる衆を憐みて救ひ給へ。
  光栄  今も
父は光なり、言は光なり、火の舌の形にて使徒等に遣されし聖神゜も光なり、彼に藉りて全世界は照されて、聖なる三者を尊むことを教へらる。

「凡そ呼吸ある者」に六句を立てて、左の自調の讃頌を歌ふ、第四調
衆民今日ダワィドの城に、聖神゜が火の舌にて降りし時、至栄なる事を見たり、神言者ルカの述ぶるが如し、蓋曰ふ、ハリストスの門徒の集まれる時、聲ありて、迅しき風の度るが如し、彼等が坐せる所の家に満てり、皆異なる言、異なる教、聖三者の異なる誡を宣べ始めたり。二次
聖神゜は常に在りき、又在り、又在らんとす、始めらるるなく、息めらるるなく、常に父及び子と一性一体なり、彼は生命及び生命を賜ふ者、光及び光を施す者、自ら善及び善の泉なり、彼に依りて父は知られ、子は崇められ、聖三者の惟一の力、惟一の性、惟一の伏拝は衆人に識らるるなり。二次
聖神゜は光及び生命なり、神經の活ける泉なり、睿智の神、知識の神゜、善にして義なる聡明の神゜、権ありて罪を潔むる者、神及び神に合する者、火にして火より出づる者、預言し、行動し、賜を分つ神゜、彼に藉りて衆預言者及び神聖なる使徒は致命者と偕に栄冠を冠れり、異なる聞、異なる見、別れて恩賜を配分する火なり。二次
  光栄  今も  第六調
天の王、慰むる者よ、眞實の神゜、在らざる所なき者、満たざる所なき者よ、万善の宝蔵なる者、生命を賜ふ主よ、来りて我等の中に居り、我等を諸の穢れより潔くせよ、至全者よ、我等の霊を救ひ給へ。

  大詠頌  
祭日の発放讃詞
崇め讃めらるる哉ハリストス我等の神よ、爾は漁者に聖神゜を遣して睿智者と為し、彼等を以て世界を漁し得たり、人を愛する主よ、光栄は爾に帰す。

  聯濤  司祭発放詞を誦すること左の如し。
火の舌の形を以て、天より至聖神゜を其聖なる門徒及び使徒に遣し給ひとハリストス、我等の眞の神は、其至浄なる母、光栄にして讃美たる聖使徒、及び諸聖人の祈祷に因りて我等を憐み救はん、彼は善にして人を愛する主なればなり。
第一時課に祭日の讃詞。  聖三祝文の後に祭日の小讃詞。  終の発放詞。

聖五旬祭主日聖体禮儀
左の倡和詞を歌ふ。
  第一倡和詞、第十八聖詠、第二調。
第一句 諸天は神の光栄を伝ふ。救世主よ、生神女の祈祷に依りて我等を救ひ給へ。
  他の詠隊同句を歌ふ。
諸天は神の光栄を伝へ、穹蒼は其手の作為を誥ぐ。救世主よ、生神女の祈祷に依りて我等を救ひ給へ。
第二句 日は日に言を宣べ、夜は夜に智を施す。  救世主よ云々
第三句 其聲は全地に伝はり、其言は地の極に至る。  救世主よ云々
  光栄  今も  救世主よ云々

  第二倡和詞、第十九聖詠、同調。
第一句 願はくは主は憂の日に於て爾に聴かん。  仁慈なる撫恤者よ、我等爾に「アリルイヤ」を獻る者を救ひ給へ。
  他の詠隊同句を歌ふ。
願はくは主は憂の日に於て爾に聴き、イアコフの神の名は爾を扞ぎ衞らん。仁慈なる撫恤者よ云々
第二句 願はくは聖所より助を爾に遣し、シオンより爾を固めん。  仁慈なる撫恤者よ云々
第三句 願はくは主は爾の心に循ひて爾に與へ、爾の謀る所を悉く遂けしめん。  仁慈なる撫恤者よ云々
  光栄  今も
神の獨生り子并に言よ云々

  第三倡和詞、第二十聖詠、第八調。
第一句 主よ、王は爾の力楽しむ。  
讃詞 崇め讃めらるる哉ハリストス我等の神よ、爾は漁者に聖神゜を遣して睿智者と為し、彼等を以て世界を漁し得たり、人を愛する主よ、光栄は爾に帰す。
  他の詠隊同句を歌ふ。
主よ、王は爾の軒を楽しみ、爾の救を歓ぶこと極なし。  讃詞 崇め讃めらるる哉云々
第二句 其心に望む所は、爾之を與へ、其口に求むる所は、爾之を辭まざりき。 讃詞 崇め讃めらるる哉云々
第三句 蓋爾は仁慈の祝福を以て彼を迓へ、純金の冠を其首に冠らせたり。  讃詞 崇め讃めらるる哉云々
聖人の句 主よ、爾の力を以て自ら挙れ、我等は爾の権能を歌頌讃栄せん。 嗣ぎて讃詞 崇め讃めらるる哉云々
  光栄  今も  小讃詞、第八調
至上者は降りて舌を淆しし時、諸民を分てり、火の舌を頒ちし時、衆を一に集め給へり、故に我等同一に至聖神゜を讃栄す。

  聖三祝文に代へて歌ふ
ハリストスに依りて洗を受けし者はハリストスを衣たり。「アリルイヤ」。

  提綱  第八調
其聲は全地に伝はり、其言は地の極に至る。
句 諸天は神の光栄を伝へ、穹蒼は其手の作為を誥ぐ。
  聖使徒行實の讀。2:1~11
彼の日五旬節の日至りて使徒皆心を一にして云々
「アリルイヤ」第一調 天は主の言にて造られ、天の全軍は其口の気にて造られたり。 句 主は天より鑑みて悉くの人の子を視給へり。
  福音經はイオアン七章三十七節より五十二節に至る、八章十二節。
節筵の末の大なる日にイイスス立ちて呼びて曰へり云々
「常に福にして」に代へて「イルモス」女王至栄の母たる童貞女よ慶べ云々
  領聖詞
願はくは爾の善なる神゜は我を義の地に導かん。「アリルイヤ」。三次

聖五旬祭主日晩課式
司祭始めて誦す、
我等の神は恒に崇め讃めらる云々

誦經者 天の王慰むる者云々 及び首誦聖詠
輔祭 輔祭在らざれば司祭 大聯祷を誦す、我等安和にして主に祷らん其他航海する者云々に至る。嗣ぎて誦す、
此に立ちて聖神゜の恩寵を仰ぎ望む人々の為に主に祷らん。
主の前に己の心及び膝を屈むる者の為に主に祷らん。
我等が神の悦ぶ所を行ふに竪められん為に主に祷らん。
其裕なる恩の我等に遣されん為に主に祷らん。
我等の跪拝が彼の前に香爐の香の如く納れられん為に主に祷らん。
彼に佑助を求むる者の邇に主に祷らん。
我等諸の憂愁と忿怒と云々
神よ爾の恩寵を以て云々
至聖至潔にして云々
司祭高聲 蓋凡そ光栄尊貴伏拝は爾父と子と聖神゜に帰す、今も何時も世世に。

嗣ぎて「主よ爾によぶ」及び自調の讃頌 4調
句、主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん。然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬まん為なり。
句、主を望み、我が霊主を望み、彼の言を恃む。

衆民今日ダワィドの城に、聖神゜が火の舌にて降りし時、至栄なる事を見たり、神言者ルカの述ぶるが如し、蓋曰ふ、ハリストスの門徒の集まれる時、聲ありて、迅しき風の度るが如し、彼等が坐せる所の家に満てり、皆異なる言、異なる教、聖三者の異なる誡を宣べ始めたり。
句、主を望み、我が霊主を望み、彼の言を恃む。
(スティヒラ繰り返す)
句、我が霊主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し。
聖神゜は常に在りき、又在り、又在らんとす、始めらるるなく、息めらるるなく、常に父及び子と一性一体なり、彼は生命及び生命を賜ふ者、光及び光を施す者、自ら善及び善の泉なり、彼に依りて父は知られ、子は崇められ、聖三者の惟一の力、惟一の性、惟一の伏拝は衆人に識らるるなり。二次
句、願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを其の悉くの不法より贖はん。
(スティヒラ繰り返す)
句、萬民よ、主を讃め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讃めよ。
聖神゜は光及び生命なり、神經の活ける泉なり、睿智の神、知識の神゜、善にして義なる聡明の神゜、権ありて罪を潔むる者、神及び神に合する者、火にして火より出づる者、預言し、行動し、賜を分つ神゜、彼に藉りて衆預言者及び神聖なる使徒は致命者と偕に栄冠を冠れり、異なる聞、異なる見、別れて恩賜を配分する火なり。二次
句、蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の真實は永く存す
(スティヒラ繰り返す)

  光栄  今も  第六調
天の王、慰むる者よ、眞實の神゜、在らざる所なき者、満たざる所なき者よ、万善の宝蔵なる者、生命を賜ふ主よ、来りて我等の中に居り、我等を諸の穢れより潔くせよ、至全者よ、我等の霊を救ひ給へ。

香爐捧持の聖入「穏なる光」

  大提綱  第七調
何の神か我が神の如く大なる、爾は奇迹を行ふ神なり。
第一句 爾は己の能力を諸民の中に顕はせり。
第二句 我謂へり、今始めたり、是れ至上者の右の手の變易なり。
第三句 我主の作為を記憶し、爾が古の奇迹を記憶せん。 又何の神か我が神の如く云々

嗣ぎて輔祭高誦す、
我等復又膝を屈めて壬に祷らん。
詠隊 主憐めよ。三次
衆膝を屈め、司祭至聖所に在りて跪きて、民に向ひて、高聲を以て左の祝文を誦す。
至聖、至潔、無原にして、見るべからず、知るべからず、究むべからず、變なく、勝つべからず、測るべからず、寛宥なる主、獨不死を有ち、邇づき難き光に居り、天地海、及び其内の万物を造り、衆に其未だ願はざる先に於て願ふ所を賜ふ主宰、人を愛する者よ、我等爾に祷り、爾主、神、我が救世主イイススハリストス、我等人々の為、及び我等の救の為に天より降り、聖神゜及び永貞童女。至栄なる生神女マリヤより身を取りし者、先づ言を以て訓へ、後に行を以て示し、救を施す苦を受けんとする時、我等卑微にして罪なる當らざる爾の諸僕に、首を俯し、膝を屈めて、己の罪と人々の過との為に爾に祈祷を獻る例を予へし者の父に求む。慈憐にして人を愛する主よ、爾親ら我等が爾に呼ぶ何の日に於ても我等に聴き、殊に此の五旬祭の日に於て聴き給へ。蓋我が主イイススハリストスが天に升り、爾神父の右に坐して後、爾は此の日に於て彼の聖なる門徒及び使徒に聖神゜を遣して、彼等各人に止まらしめ、彼等皆其盡されぬ恩寵に満たされて、異邦の言を以て爾の威厳を言ひ、且預言せり。故に今我等爾に祈る者に聆き、卑微にして定罪せられし者を念ひ、爾が慈憐の我等の為に求むるを受れて我等の霊の俘を還し、我等爾に俯伏して、我等罪を犯せりと呼ぶ者を納れ給へ。我等腹を出でしより爾に託せられ、我が母の腹に在りし時より爾は我が神なり。惟我等は日を空虚に終へ、爾の援助を褫はれ、一の表白すべきなし。然れども爾の廣き恩を頼みてよぶ、我等が少き時の罪と過とを記憶する母れ、我等が隠なる咎より我等を浄め、我等の老ゆるに及びて力の衰ふる時、我等を棄つる毋れ、我等が未だ土に帰らざる先に我等を遺す毋れ、我等を爾に帰るに堪ふる者と為し、愛憐と恩寵とを以て我等に聆き納れ、爾の洪恩を以て我等の不法を権り、我等が罪悪の多きを掩ふに爾が慈憐の淵を以てせよ。主よ、爾が聖なる高き處より爾の前に立ちて爾より饒なる恵を徯つ民を眷み給へ。爾の仁慈を以て我等に臨み、悪魔の虐制より我等を拯ひ、爾の神聖なる法を以て我等の生命を堅め給へ。天使正しき守護者を爾の民に傍はしめ、衆人を爾の國に聚め、爾を恃む者に赦免を予へ、彼等と我等とに罪を宥め、爾が聖神゜の挙動を以て我等を潔め、敵の我等を害せんとする悪謀を敗り給へ。

又左の祝文を加誦す、
崇め讃めらるる哉主宰、主、全能者、日光を以て晝を照し、火光を以て夜を明にし、我等に晝の永きを過し、夜の始に近づくを得しめし者よ、我等及び爾が衆人の祈を聆き、我等衆に自由と不自由との罪を赦し給へ。我が暮の當を納れ、爾の裕なる慈憐と洪恩とを爾の嗣業に遣し給へ。爾の聖なる天使を以て我等を圍み、爾の義の武具を以て我等を装ひ、爾の眞實を以て我等を環り、爾の力を以て我等を守り、我等を凡の苦難、凡の敵の悪謀より脱れしめ給へ。我等に此の晩を来る夜と共に、又我が度生の諸日を純全、成聖、平安、無罪にして、誘感なく、妄想なきを予へ給へ、聖なる生神女、及び古世より爾の悦を獲たる諸聖人の祈祷に因りてなり。

ぎて輔祭誦す、
神よ、爾の恩寵を以て、我等を佑け救ひ憐み護れよ。

詠隊 主憐めよ。一次
至聖至潔にして至りて讃美たる我等の光栄の女宰、生神女、永貞童女マリヤと、諸聖人とを記憶して、我等己の身及び互に各の身を以て、并に悉くの我等の生命を以てハリストス神に委託せん。
司祭高聲 蓋主我がかみよ、我等を憐みて救ふこと爾に帰す、我等光栄を爾父と子と聖神゜に獻ず、今も何時も世々に。
詠隊 「アミン」。
嗣ぎて輔祭重聯祷を誦す、
我等皆霊を全うして曰はん、我等の思を全うして曰はん。其他。
司祭高聲 蓋爾は慈憐にして人を愛する神なり、我等光栄を爾父し子と聖神゜に獻ず、今も何時も世々に。
詠隊 「アミン」。
嗣ぎて輔祭誦す、
我等復又膝を屈めて主に祷らん。
詠隊 主憐めよ。三次
衆跪く事前の如し。
  司祭第二祝文を高誦す、
主イイススハリストス我等の神よ、爾は尚世に在りて我等と偕に居る時、爾の平安を人々に畀へ、至聖なる神゜の賜を奪はれざる嗣業として、常に信ずる者に賜へり。今日爾は更に明に此の恩寵を爾の門徒及び使徒に遣し、火の舌を以て彼等の口を堅固にせり。彼等に由りて、我等全人類は、各其方言を以て、神の教を己の耳に承け、聖神゜の光に照され、迷を黒暗の如くに釋き、見るべき火の舌の分配と神妙なる挙動とを以て、爾を信ずることを教へられ、爾を父及び聖神゜と偕に、惟一の神性と能力と権柄とに於て讃揚することを明に覚れり。故に爾父の光、其本性本体の變りなく動きなき像、智慧と恩寵との泉よ、我罪人にも口を啓きて、如何に爾に祷り、何をか求むべきを訓へよ、蓋爾は我が罪の甚多きを識る、然れども爾の慈憐は其数へ難きに勝たん。視よ、我畏を以て爾の前に立ち、我が霊の失望を以て爾が仁慈の淵に投ぜり。言ひ難き智慧の能に由りて、言を以て万物を司る主、颶風に遭ふ者の穏なる湊よ、我が生命を導き、我に行くべき途を示し給へ。爾が智慧の神゜を以て我が懐を予へ、聡明の神゜を以て我が無知に賜ひ、爾が畏の神゜を以て我の行為を蔭ひ、正しき神゜を我の衷に改め、主宰たる神゜を以て我が心の弱きを固め給へ。我が日々に爾の至善なる神゜を以て、有益なる事に導かれて、爾の誡を行ひ、常に爾が光栄なる降臨と我等が行の審問とを記憶するに堪ふるを得ん為なり。我に此の世の朽つべき美麗に惑はさるることを許す毋れ、乃未来の宝を獲んとする望を固め給へ。主宰よ、蓋爾は言へり、人爾の名に由りて何をか求めば、必爾の永在なる神父より受けん、故に我罪人も、此の爾が聖神゜の降臨に於て、爾の仁慈を求む、我が願ひし事を救の為に予へ給へ。嗚呼主よ、爾は至善にして富める諸恩の賦予者なり、蓋爾は我等の求むる所を優に賜ふ。爾は慈憐仁愛なるに由りて、罪なくして我が肉体を受け、我が諸罪の挽回の祭と為りて、爾の前に膝を屈むる者に爾の矜恤を傾く。故に主よ、爾の民に爾の洪恩を賜ひ、爾が聖なる天より我等に聴き、爾が救を施す右の手の能力を以て我等を聖にし、爾の翼を以て我等を覆ひ、爾の手の作為を棄つる毋れ。主宰よ、我等獨爾に罪を犯す、然れども亦獨爾に奉事す、我等他の神に叩拝し、亦他の神に手を舒ぶるを識らず。我等の愆を免し、我等が膝を屈むる祷を納れて、助を施す手を我等衆人に舒べ、衆の祈祷を爾が至善なる國に於て歆くる所の香爐の香の如く納れ給へ。

又左の祝文を加誦す、
主よ、主よ、我等を晝の諸の流矢より脱れしるし者よ、我等を闇冥に行く諸の害より脱れしめ給へ。我が手を挙ぐるを晩の祭として受け給へ。我等に過なく、悪に誘はれずして夜の路を過らしめ給へ。我等を悪魔より来る諸の紛擾と畏懼より脱れしめ給へ。我等の霊に感動を與へ、我等の心に畏るべき義なる爾の審判に對ふべきことを慮らしめ給へ。我等の体を爾を畏るる畏に釘うち給へ、我等が地に在る肉慾を殺し給へ。我等が眠の静なる時にも爾の誡を見るに因りて照さるるを得しめ給へ。我等より諸の妄想と害ある慾とを除き給へ。我等を祈祷の時に興して、我が信を固め、爾の誡を行ふに進ましめ給へ。

輔祭誦す、神よ爾の恩寵を以て我等を佑け云々 至聖至潔にして至りて讃美たる云々
司祭祝文の高聲を誦す、爾の獨生子の慈憐と仁愛とに因りてなり、爾は彼と至聖至善生命を施す爾の神゜と偕に崇め讃めらる、今も何時も世々に、「アミン」。

嗣ぎて誦經者誦す、主よ我等を守り罪なくして此の晩を度らせ給へ云々

後輔祭誦す、
我等復又膝を屈めて主に祷らん。
詠隊 主憐めよ。三次
衆跪くこと前の如し。

司祭第三祝文を誦す、
常に流れて生を施し光を施す泉、父と同永在なる造成の能力、尤も善く人類の救贖の凡の慮を成就せしハリストス、我等の神よ、爾は解き難き死の縲絏と地獄の閉鎖とを壊り、悪鬼の群を践み給へり。爾は己を薦めて我等の為に玷なき犠牲と為し、凡の罪の侵し難く觸れ難き至浄なる体を獻じて祭と為し、此の畏る可く測り難き聖務に藉りて我等に永遠の生命を賜へり。爾は地獄に降り、世々の固を破り、黒暗に坐する者の為に登るべき路を啓き、神智の餌を以て首悪者たる深處の蛇を釣り、黒暗の縲絏を以て之を地獄及び熄えざる火の中に縛り、爾の極めて強き力を以て之を外の暗に閉せり。父の至栄なる睿智よ、爾は危険に在る者の大なる佑助、幽暗と死の蔭とに坐する者を照す光なり。爾永遠なる光栄の主、至上なる父の至愛の子、永在の光よりする永在の光、義の日よ、我等爾に祷る者に聆きて、爾の諸僕、先に寝りし我等の諸父兄弟、及び他の肉身の親族、竝に悉くの同教者、我等が今記憶する者の霊を安息せしめ給へ、蓋衆人は爾の権に属し、地の四極は爾の手に在り。主宰、全能者、先祖の神、慈憐の主よ、爾は死すべきと死すべからざるの族類、及び凡そ合せらるると復解かるるの人性の造成者、生命及び終、此の世に住まひ及び彼の世に移ることを司る主、生ける者の為に年を測り、又死の期を定め、地獄に下し、又登せ、劣弱を以て束ね、又能力を以て解き、現在の事を宜しきに合ひて修め、又未来の事を利益に随ひて備へ、死の刺を以て刺されたる者を復活の望を以て活かし給ふ主なりむ。万有の主宰、神、我が救世主、地の四極及び遠く海に居る者の恃みよ、爾は五旬祭の此の末の大なる救の日に於て我等に、一体にして同永在なる、分れず混ぜざる、聖三者の奥義を示し、生を施す爾の聖神゜の降臨と庇廕とを顕し、火の舌の形を以て之を爾の聖なる使徒に注ぎ、彼等を立てて我が神聖なる教の福音者と為し、眞の神学を承け認め及び伝ふる者と為せり。爾は此の救を施す全備なる祭に於て、地獄に繋がるる者の為に祈祷の獻祭を享け、彼等を圍む苦の緩と涼との爾より賜はらんことの大なる望を我等に與へたり。我等卑微にして不當なる爾の諸僕爾に祷る者に聴きて、先に寝りし爾の諸僕の霊を光る處、茂き草場、涼しき處、凡の病と悲と歎との遠ざかりし處に安息せしめ、彼等の霊を義人の住所に入れ、彼等に平安と寛宥とを賜へ。蓋主よ、死者は爾を讃め揚ぐるを得ず、地獄に在る者は爾に讃美を獻ぐる能はず、乃我等生ける者は爾を崇め讃めて祈祷し、彼等の霊の為に潔を為す祷と祭とを爾に獻ず。

左の祝文を加誦す、
大にして永遠なる、聖にして仁愛なる神、此の時に於て我等に爾の近づき難き光栄の前に立ちて、爾の奇蹟を歌ひ讃むるに勝へしめし者よ、我等爾の不當なる諸僕を潔めて、我等に傷感の心を以て、謙卑にして爾に聖三の讃美を奉り、又爾が我等に行ひし所、且常に我が内に行ふ所の爾の大なる恩賜の為に感謝を捧ぐる恩寵を與へ給へ。主よ、我等の劣弱を念ひて、我等を我が不法と偕に亡す毋れ、乃我等の謙卑に大なる憐を垂れ給へ、我等が罪の幽暗を脱れて、義の日を度らん為、光の武具を衣、凶悪者ノ諸の謀に悩まされずして、万事の為に勇敢を以て爾惟一の眞の神、人を愛する主を讃栄せん為なり。蓋万有の主宰及び造成主よ、爾の造物が暫く解かれ、其後復合せられて、世世に息はんとすることは、此れ實に爾の大なる密なり。我等一切の為、我等が此の世に入り、又此れより出づる為に爾に感謝を奉る。爾の譌なき契約は我等の為に、復活及び爾が再臨の後に我が得んとする不朽の生命の冀望を確定す。蓋爾は我等の復活の首、生を度りし者の公義にして仁愛なる審判者、又恩賞を施す主宰及び主なり。爾は極めて大なる憐に因りて我等の血肉を衣、深き恵に因りて慾の外我が血肉に属する劣弱に與りて、甘んじて難を受け給へり、親ら試みられて、試みらるる者に助くる者とならん為なり、故に我等をも己の無慾に升せ給へり。求む、主宰よ、我等の祈祷冀願を納れて、我等各人の父母、子女、兄弟、妹妹、全家、同族、及び凡そ復活と永遠の生命との望を懐きて寝りし者を安んぜしめ給へ。彼等の名を生命の書に載せ、彼等の霊をアウラアム、イサアク、イアコフの懐に、生ける者の地に、天國に、福楽の堂に置き、爾の光明なる天使を以て彼等衆を爾の聖なる居處に入れ、爾の聖にして譌なき契約の定めたる日に於て我等の肉体をも彼等と偕に起し給へ。主よ、我等爾の諸僕、肉体より出でて爾我等の神に来る者の為に死あらず、乃哀しきことより楽しきことに移り、安息及び喜悦に移るなり。若し我等爾の前に罪を犯ししならば、求む、我等及び彼等に憐を垂れ給へ、蓋人、其生命の日の一日と雖、一人も爾の前に汚なきはあらず、唯爾獨地に現れし我が主イイススハリストスは罪なし。我等皆爾に藉りて慈憐と諸罪の赦とを獲んことを望む。故に求む、仁慈にして人を愛する神なるに因りて、我等及び彼等に己に由ると己に由らざる、知ると知らざる、顕なる又隠なる、行と意と言と我等の悉くの行為と挙動との諸罪を解き、赦し、宥め給へ。逝ぎ去りし者には赦免と安息とを賜ひ、我等生存する者には福を降して、我等及び爾の衆人に平安なる善き終を賜ひて、爾の威厳なる畏るべき再臨の時に、我等衆の為に慈憐仁愛の心を啓きて、爾の國に入るに堪ふる者と為し給へ。

又左の祝文を加誦す
大なる至上の神、獨不死を有つ、近づく可からざる光に居り、睿智を以て万物を造り、光と暗とを判ち、日を建てて晝を掌り、月と星とを建てて夜を掌らしめ、我等罪人に此の日にも爾が顔の前に立ち、爾を讃栄して、爾に晩の奉事を獻ぐるを得しめし者よ、爾親ら人を愛する主よ、我等の祷を香爐の香の如く爾の前に登らしめ、是を馨香として納れ給へ。我等に此の夕及び次ぎて至る夜の平安なるを賜ひ、我等に光明の武具を衣せ、我等を夜の震驚と凡そ闇冥に行く者より脱れしめ給へ。我等に、吾が弱きを息はしむる為に賜ひし所の眠に、凡そ悪魔よりする妄想なきを賜へ。嗚呼万有の主宰、諸善を施す者よ、願はくは我等楊に在りても傷感の情を以て夜間爾の至聖なる名を記憶して、爾の誡の念慮に照され、霊の喜を以て起きて、爾の至善を讃栄し、爾の哀憐に我等及び爾が衆民の罪過の為に祷と願とを奉らん。爾は聖なる生神女の祈祷に依りて慈憐を以て我等衆に臨み給へ。

輔祭誦す 神よ、爾の恩寵を以て我等を佑け救ひ憐み護れよ。
至聖至潔にして云々
司祭高聲 蓋爾は我等の霊と体との安息なり、我等光栄を爾父と子と聖神゜に獻ず、今も何時も世々に。
詠隊 「アミン」。

嗣ぎて輔祭増聯祷を誦す、
我等處の前に吾が晩の祷を増し加へん。其他。
司祭高聲 蓋爾は善にして人を愛する神なり、我等光栄を爾父と子と聖神゜に獻ず、今も何時も世々に。
詠隊 「アミン」。
司祭 衆人に平安。
詠隊 爾の神゜にも。
輔祭 我等の首を主に屈めん。
詠隊 主爾に。

司祭常例の祝文を黙誦す。
主我が神、天を屈めて人類を救はん為に降りし者よ、爾の諸僕と爾の嗣業とを顧み給へ、蓋爾の諸僕は爾畏るべくして人を愛する審判者に首を屈め、己の頸を伏して、人より助を俟たず、乃爾の憐を俟ち、爾の救を仰ぐ。求む、彼等を恒に護り、彼等を此の時又夕にも、次ぎて至る夜にも、凡の敵、凡の悪魔の姦謀と、虚しき意念と、悪しき記憶より護り給へ。
嗣ぎて高聲す、願はくは爾父と子と聖神゜の國の権柄は讃揚讃栄せられん、今も何時も世々に。
詠隊 「アミン」。

嗣ぎて両詠隊共に挿句の自調の讃頌を歌ふ、第三調。
今方言は明に衆の為に徴と為れり、蓋ハリストスは肉体に依りてイウデヤ人に属すと雖、彼等は不信を病みて、神の恩寵に離れ、異邦より出づる者は神聖の光に照されて、万衆の穏者たる神の光栄を述ぶる門徒の言を以て固められたり。彼等と偕に我等は心と膝とを屈め、我が霊の救主に固められて、信を以て聖神゜に伏拝せん。

句 神よ、潔き心を我に造れ、正しき霊を我の衷に改め給へ。
今撫恤者聖神゜は凡の肉身に注がれたり、蓋使徒の會より始めて、彼等より共與を以て恩寵を信者に布けり、彼は火の形を以て己の権能の降臨を證し、門徒に方言を分ち予へて、神を讃美讃栄せしむ、故に我等は心と智慧とを照され、聖神゜を以て信に堅められて、我が霊の救はれんことを祈る。

句 我を爾の顔より逐ふこと毋れ、爾の聖神゜を我より取り上ぐること毋れ。
今使徒等は上よりハリストスの能力を衣せらる、蓋撫恤者は彼等を新にして、其衷に智慧の秘密の復新を以て新に現る、彼等は異なる言を以て高聲に伝へて、単一三位なる永在の神性、万衆の恩主たる神を尊まんことを教ふ、故に我等は其教に照されて、父と子と聖神゜に伏拝して、我が霊の救はるることを祈らん。

  光栄  今も  第八調
人人よ、来りて、三位の神性、父及び其中に居る子と聖神゜とに伏拝せん、蓋父は世世の前に同永在同宝座の子を生み、子と偕に讃栄せらるる聖神゜も父の中に居りき、惟一の力、惟一の性、惟一の神なり、我等皆彼に伏拝して曰ふ、聖なる神、子を以て聖神゜の共動に依りて万有を造りし者、聖なる勇毅、我等に父を識らしめ、聖神゜を世に来らしめし者、聖なる常生の者、撫恤の神゜、父より出で、子の中に息ふ者なり、聖三者よ、光栄は爾に帰す。

嗣ぎて「主宰よ今爾の言に循ひ」  聖三祝文  主經の後に

讃詞、第八調。
崇め讃めらるる哉ハリストス我等の神よ、爾は漁者に聖神゜を遣して睿智者と為し、彼等を以て世界を漁し得たり、人を愛する主よ、光栄は爾に帰す。

司祭 発放詞を誦すること左の如し、
父の神聖なる懐より出で、天より地に降り、我等の全性を受けて之を神成し、後又天に升り、神父の右に坐し、一体、一能力、一光栄にして、相偕に永在なる神、聖神゜を其聖なる門徒及び使徒に遣し、此を以て彼等を照し、彼等を以て全世界を照し給ひしハリストス、我等の眞の神は、其至りて潔く至りて無玷なる聖母、光栄にして讃美たる神の伝教師、捧聖神゜者、聖使徒、及び諸聖人の祈祷に因りて、我等を憐み救はん、彼は善にして人を愛する主なればなり。