パニヒダの考察
密集で歌うために 単音と四声の共有
パニヒダ、死者への祈りは最も身近な祈りであろう。
日本では従来から開離による四声と単音(ユニゾン)が並立して歌われてきた。聖歌隊のある大教会の聖堂奉事では開離の四声が歌われ、地方の教会では単音で歌われることが多い。しかしこの2種類ではさまざまな状況に対応するのには不十分である。あまり奉事に馴れていない場合には従来の単音でも難しいし、日頃四声で歌っている教会でもよほどしっかりしたメンバーが揃わないと開離の四声は難しい。
もちろん、単音(ユニゾン)で歌えばよいのだが、それだけでは面白くないのでハーモニーを加えたいとき、密集の四声があれば音域も狭く、素人でも比較的合わせやすい。正教会の密集合唱聖歌は多くの場合、主旋律がアルト、ソプラノが3度上、ハーモニックバス、テナーが和声の欠けた音を補うという形をとるので、いつものとおり主旋律に並行三度のハーモニーをつけ、次はバスが加わるという手順で臨機応変に合唱聖歌にできるようなもの、つまり主旋律が単音と共通で、一声でも、二声でも、三声でも歌えるものが望ましい。
しかし、実際に開離から密集に書き直そうとするとさまざまな問題が出てくる。現行の開離から単純にソプラノ、アルトを入れ替えてそのまま密集にしたのでは、和声的に不都合が起こるし、開離の四声のメロディ(主旋律:ソプラノ)は単音のメロディと異なる場合が多い。ロシアやアメリカの楽譜と比較してみると、調で歌う単純なメロディパターンの繰り返しであるはずのものに、日本のものだけに変わったメロディがついていることもある(例:「深き智恵」8調)。また、ロシアやアメリカの楽譜はまた同じメロディをもとにした楽譜でも、微妙に異なるアレンジがついていることが多い。メロディ上の変形(ヴァリアント)やさまざまな和声付けが許容範囲にされていることがわかる。
ここではいくつか例を挙げて考察し、今できる妥協策を探ってみたいと思う。
1.アリルイヤ 8調
2.トロパリ 5調 「主や爾は崇め讃めらる」
参考 密集楽譜 pdfダウンロード
1. 大連祷
2. アリルイヤ
3. トロパリ8調「深き智恵と仁慈とを以て」
4. トロパリ5調「主や、爾は崇め讃めらる」
5. 小連祷
6. カノン、3歌頌、6歌頌
7. コンダクとイコス
8. カノン9歌頌
9. 重連祷
10.永遠の記憶
パニヒダ 祈祷文付き楽譜 pdfダウンロード