セルビア聖歌
Serbian Chant
モクラニャッチによる聖歌
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| ストゥデニツァのフレスコ画 |
| ストゥデニツァの主聖堂 |
| フルシュカ・ゴーラのグルゲテック修道院 |
2010年11月なかばにセルビアの教会を訪ねました。セルビアは東西ローマの境目にあり、東西教会のせめぎ合いの場であり、また400年にわたるトルコ支配、オーストリア、ハンガリーによる占領など始終戦火に見舞われた国ですが、さまざまな文化の融合した面白さがあります。
ベオグラードから車で3時間、セルビア南部の山間にあるストゥデニツァ修道院はセルビア随一の聖人聖サワゆかりの聖地です。啓蒙所をとおり、聖所に入り振り返ると西側の壁いっぱいに十字架のフレスコが描かれています。聖所にはセルビア正教を立てた王族であり、のちに修道士となった聖シメオン、聖アナスタシア、聖ステファンの棺があります。
朝早く聖堂に入っていくと、修道士がひとり啓蒙所で夜半課を読んでいました。夜半課が終わると聖所を隔てる幕が開き、聖堂内へと促され、早課が始まります。修道士3-4人が単音の聖歌を歌っていました。技術的にはあまり上手ではありませんでしたが、シンプルな単音聖歌が古い石造りの聖堂に柔らかく反響し、心地よく祈りが進んでゆきます。ビザンティン・チャントにも似ていますが、音階は西洋音楽に近く、優しげでした。
これがセルビアで一般的に歌われている聖歌で、19世紀の初めにドナウ川流域で歌われていたカルロヴァチ聖歌をモクラニャチという音楽家が八調の全てを西洋音楽の譜面に書き起こしたものです。モクラニャッチの聖歌は、簡単なメロディのパターンの繰り返しでできており、一声でも、二声でも、四声でも歌えるように編曲されています。ストゥデニツァのこの日の祈りでもところどころ、バスの副旋律をつけて歌っていました。
最近では、ビザンティン聖歌に戻ろうという運動も盛んで、セルビア語でビザンティン聖歌を歌っている教会もありました。しかし、不思議なことに、同じ歌でも違う雰囲気に聞こえました。言語の違いと、日頃慣れ親しんでいる音楽の影響だろうと思います。ギリシア聖歌の音階は1オクターブを72分割して構成されており、西洋音楽の平均律に慣れた耳にはなかなか馴染みにくいのですが、セルビアのものは私たちの耳にも聞き取りやすい音階に変化していました。これも正教会の土着化の一例と思います。
セルビアには「小鳥はみな自分の歌を持つ」ということわざがあるそうです。長年聖歌に携わってきた初老のウラディミル氏に日本の小鳥も日本の聖歌を育てなさいと励まされました。
日本語で歌ってみよう。
降誕祭のトロパリ 4調 楽譜pdf 録音MP3