第23章 聖大受難週間  


1.聖大月曜日
2.聖大火曜日
3.聖大水曜日
4.聖大木曜日
5.聖大金曜日
6.聖大土曜日

以下の式順は、大部分を奉神礼指示書(Bogosluzebnie ukazaniya モスクワと全ロシアの府主教庁が1949〜1958年に毎年発行したもの)からとった。内容はティピコンとニコルスキー ブルガコフの本によってチェックした。

1.聖大月曜日

  <聖枝祭主日の晩課>

 この晩課は私たちを聖大受難週間、パスハへの旅へ導く。聖枝祭主日の夕方、平日晩課を行なうが、いくつかバリエーションがある。

@ 「主や爾に呼ぶ」にスティヒラ6。このスティヒラは、聖枝祭の挿句のスティヒラと同じ、土曜日の大晩課にある。スティヒラは3つしかないので、各スティヒラをくり返す。「光栄は」のあと第1のスティヒラを歌う。「今も、アミン」のあと最後の(第3の)スティヒラを歌う。聖入はいつもと同じで「今も」で王門を開き、「叡智、粛みて立て」「聖にして福たる」。 A ポロキメンは通常の日曜日晩課の8調  「主の諸僕、夜中主の堂に立つ者や、今主を崇め讃めよ」聖歌隊くり返す。句は「爾の手を揚げ、聖所に向かいて主を崇め讃めよ」聖歌隊はポロキメンをくり返す。ポロキメンの前半を輔祭(司祭)が唱えた後、聖歌隊が結ぶ。 B ポロキメンのあと、連祷なし。 ポロキメンにひき続いて「主や我等を守り」王門を閉じ、灯りを暗くする、またはロウソクをいくつか消す。聖務者は祭服を暗い色のものに替える。 C 躬拝3回。連祷は「我等主の前に吾が晩の祈りを増し加えん」この連祷から斉調のメロディになる。
D 聖枝祭主日晩課に記載された挿句のスティヒラ
E 「主宰や今爾の僕を」のあと、聖三〜天主、発放トロパリ「生神童貞女や、喜べよ」を斎調で歌い、伏拝。 F 発放の規定では、受難週には、発放の時、堂の聖人、その日の聖人を挙げないように指示されている。 発放詞 「我等の救いの為に、自由の苦しみに行き給う主ハリストス・・・」司祭は手持ち十字架を持たず、会衆に向かって頭を下げる。

<晩堂小課>

晩堂小課は大斎中と同じ式順。クリトの聖アンドレイの三歌頌8調(第1、8、9歌頌)を讃詞ともに2回ずつ歌う。第9歌頌のカタワシヤのあと、聖三〜天主、いつものトロパリの代わりにコンダク8調。 「イアコフはイオシフを亡いて哭けるに、高徳の者は…」
主憐れめよ、40回 以下大斎の式順で。発放詞「主、イイイスス・ハリストス我等の神よ」

1.聖大月曜日

<早課> 早課は日曜日の晩でなく、月曜日の朝行なってもよい。始まりは通常の早課と同じ。大連祷のあと、アイルイヤ8調、ふつうは斎調で歌われる。トロパリ8調。
視よ、新郎は夜半に来たる、僕の醒むるを見ば、僕はbネり、其倦むを見ば、當らざる者なり。我が靈よ、慎め、眠りて惰る勿れ、恐らくは死に付されて、国の外に閉されん。疾く興きて呼べ、聖、聖、聖なる哉神よ、生神女に因りて我等を憐み給え。
「光栄は」トロパリ繰り返す。「今も、アミン」のあとトロパリ再度くり返し。トロパリを歌う時、王門は開くが、炉儀しない。  

カフィズマは、第4、第5、第6、各カフィズマのあと三歌斎経からセダレン。一つめのカフィズマ(第4カフィズマ、第24から31聖詠)のあと、セダレン1調
当日尊き苦は救を施す光として世に輝く、蓋ハリストスは仁慈に因りて、苦を受けん為に來り、萬有を其手に保つ者は甘んじて木に伸べらる、人を救はん為なり。
「光栄、今も、アミン」セダレンくり返す。二つめのカフィズマ(第5カフィズマ、第32〜36聖詠)のあと、セダレン1調
見えざる審判者よ、如何ぞ爾は肉体に見られて、己の苦を以て我等の定罪を定罪して、不法の人人より殺されん為に往く。故に言よ、我等同心に爾の権柄に讚美讚頌讚榮を奉る。
「光栄は、今も、アミン」セダレンをくり返す。

三つめのカフィズマ(第6カフィズマ、第37〜45聖詠)のあと、セダレン8調
我等は当日に於て主の苦の始を尊まん。祭を愛する者よ、来たりて、歌を以て迎へん、蓋 造成主は往く、ピラトに審判せられて、詰問と、創傷と、十字架とを受けん為なり。故に僕よりも首を撃たれて、一切を忍び給ふ、人を救はん為なり。此に因りて我等彼に呼ばん、仁愛なるハリストス神よ、信を以て爾の至浄なる苦に伏拜する者に諸罪の赦しを賜へ。
「光栄、今も、アミン」セダレンくり返す。福音の読みに備えて、王門開く。 福音は、宝座で読む。「我等に聖福音経を聴くを賜うを主神に祈らん」、「叡智、謹み立て」、「衆人に平安」「マトフェイによる聖福音経の読み」福音はマトフェイ84端(21:18〜43)から、省略なしで88端まで。「彼の時イイスス城に帰る時飢えたり ……其の果を結ぶ民に与えられん」 第50聖詠の読み。

三歌頌の短いカノン2調、三歌斎経(p993)から「三歌頌」。受難週のカノンの讃詞附唱は「我等の神や、光栄は爾に帰す、光栄は爾に帰す」。讃詞を読んだ後、イルモスをカタワシヤとしてくり返す。受難週中ずっと同じ。第1歌頌のあと小連祷、高声「蓋、爾は平安の王、及び」、コンダク「イアコフはイオシフを失ひて」、第9歌頌の前に炉儀「ヘルビムおり尊く」は歌わない。小連祷、エクサポスティラリを3回歌う。(聖歌者は聖堂中央に立って歌う。2回目と3回目はクリロスの左右の聖歌隊が歌う。)
我が救世主よ、我爾の飾りたる宮を見れども、之に入らん為に衣を有たず。光を施す者よ、我が霊の衣を照して、我を救ひ給へ。

このエクサポスティラリは聖大木曜日早課まで歌う。讃揚の聖詠のスティヒラ(「凡そ呼吸ある者は主を讃め揚げよ」)聖歌者がいれば句を歌ってもよい。誦経者「凡そ呼吸ある者は主を讃め揚げよ・・・讃め歌は爾に帰す」また「新たなる歌を主に歌え」を唱え、4スティヒラのための句
第1句「其の権能に依りて彼を讃め揚げよ、其の至厳かなるに依りて彼を讃め揚げよ」
スティヒラ、1調「主は自由の苦に往く時、途中使徒等に謂へり、視よ、我等イエルサリムに上る、人の子は付されん、彼を指して録されしが如しと。來りて、我等も潔められたる思を以て彼と偕に行き、偕に十字架に釘せられ、彼の為に世上の逸樂に死なん。然らば我等彼と偕に復活して、彼の呼ぶを聞かん、我既に苦を受けん為に地上のイエルサリムに上るに非ず、乃我が父及び爾等の父、我が神及び爾等の神に升り、爾等をも偕に天上のイエリサリム、天の国に挙げん。
第2句「喇叭(らっぱ)の声を以て彼を讃め揚げよ、琴と瑟とを以て彼を讃め揚げよ」
スティヒラ(上のスティヒラを繰り返す)
第3句「鼓(つづみ)と舞とを以て彼を讃め揚げよ、絃と簫とを以て彼を讃め揚げよ」
スティヒラ、5調「信者よ、我等ハリストス神の救を施す苦に至りて、彼の言ひ難き忍耐を讚榮せん、彼が至善にして人を愛する主なるに因りて、其慈憐を以て罪に殺されたる我等をも偕に起さん為なり。」
第4句「和声のばつを以て彼を讃め揚げよ、大声のばつを以て彼を讃め揚げよ。凡そ呼吸ある者は主を讃め揚げよ」
スティヒラ(上のスティヒラを繰り返す)
5調「光栄は、今も、アミン」


主よ、爾苦に往く時爾の門徒を堅め、独彼等を招きて曰へり、何ぞ我が前に爾等に言ひし我の言を記念せざる、凡そ預言者がイエリサリムの中に非ずして殺さるることは録せるなし。今や我が爾等に言ひし時届れり、蓋視よ、我罪人等の手に付されて辱しめられん、彼等我を十字架に釘し、痙に付し、死者の如く忌はしき者とせん。然れども勇めよ、蓋我第三日に起きて、信者の喜且永生と為らん。


誦経者が「光栄は爾光を顕す主に帰す」大詠頌、連祷、「我が朝の祷りを増し加えん」
挿句のスティヒラ 5調
スティヒラ「主よ、ゼワェデイの子の母は爾が定制の言ひ難き奥義に堪へずして、爾に向ひて、其二子に現世の国の尊貴を賜はんことを求めたり。然れども爾は此に代へて、爾の友に死の爵を飮まんことを約せり、彼等に先だちて爾自ら此の爵を諸罪の潔として飮まんと言へり。故に我等爾によぶ、我が霊の救いよ、光栄は爾に帰す。」
句、「主よ、夙に爾の憐みを以て我等に飽かしめよ」。
スティヒラ「主よ、爾は門徒に最完全なる事を謀るべきをヘへて、下なる者の上に権を執ることに於て異邦民に效ふべからざるを云へり、爾等我の門徒に於ては斯くある可からず、蓋我は甘じて貧しき者と為れり。爾等の中に首たる者は衆人の僕と為るべし、司る者は司らるる者の如く、尊き者は卑き者の如くなるべし。蓋我親ら貧しくなりたるアダムに役して、我が命を与へて、光栄は爾に帰すと我に呼ぶ衆くの者の贖いを為さん為に来たれり。」
句、「願はくは主吾が神の恵みは我等に在らん」
スティヒラ8調「兄弟よ、果を結ばざるに因りて枯れたる無花果樹の懲戒を懼れて、我等悔改に合ふ果を結びて、我等に大なる憐みを賜ふハリストスに献らん。」
「光栄、今も、アミン」8調、
スティヒラ「蛇は第二のエワとしてエギペトの婦を獲て、諛の言を以てイオシフを跌かしめんと務めたり、然れども彼は衣を遺して罪を避け、裸体にして耻ぢざりき、始に造られたる人の違反の前の如し。ハリストスよ、彼の祈祷に因りて我等を憐み給へ。」

誦経「至上者よ、主を讃栄し、爾の名に歌い・・・」2回。聖三〜天主。アミンのあと「生神女、天の門よ、吾ら爾が光栄の堂に立つ…」、「主憐れめよ」40回、「光栄、今も、アミン」 「ヘルビムより尊く」「福を降せ」司祭「永在の主ハリストス我等の神は ……」 聖歌隊または誦経「天の王よ、我が国を佑け、正教を固め ……」 司祭「主吾が生命の」エフレム祝文 伏拝1回。  一時課を読む、カフィズマなし。天主経のあとのコンダク「イアコフはイオシフを亡ひて」このコンダクは他の時課にも読まれる。発放詞「我等の救の為に自由の苦に往き給う」 三時課 六時課 九時課 ティピカ 晩課 先備聖体礼儀はひと続きの祈祷として、まとめて行われる。

<第三時課>

 三時課のはじまりに鐘を鳴らす。司祭はエピタラヒリをつけ、ソレヤに立つ。王門とカーテンは閉じる。王門の前で司祭「我等の神は…」誦経者は「アミン、光栄は爾に帰す、光栄は爾に帰す」、天の王、聖なる神、至聖、天主、高声のあと「アミン」。「来たれ」のとき司祭は躬拝3回、至聖所に入る。  誦経者は常例の聖詠3つ読む。第7カフィズマを「光栄は」で三つに区切って歌う。この時司祭はフェロンをつけカーテンと王門を開き、輔祭と、ロウソク持ちの先導で聖福音経を持ち、(司祭と輔祭は王門から出る)堂中央のアナロイに運ぶ。アナロイは宝座の方に向ける。アナロイの上に福音経を置いて、司祭は全堂炉儀(アナロイをまわる時輔祭は司祭と反対側に向き合って歩き、堂内を先導する)堂中央のアナロイの上の福音経から始めて、宝座、至聖所、イコノスタス、聖歌隊、会衆、堂の残りを炉儀。  カフィズマのあと、司祭は(宝座に向いて)聖福音経の前に立ち、三時課のトロパリと2句を誦する。 「第三時に爾の至聖神を ……」 聖歌隊トロパリを6調でくり返し、全員伏拝、 句「神よ、潔き心を我に造れ ……」 聖歌隊トロパリをくり返す。伏拝 句「我を爾の顔より逐ふこと ……」 聖歌隊トロパリをくり返す。伏拝。 司祭「光栄は父と子と聖神に帰す 誦経「今も何時も世々にアミン」と結ぶ。「生神女よ爾は実の葡萄の枝、我等の為に・・・」 輔祭(輔祭なければ司祭)「我等に、聖福音経を聴くを賜うを主に祈らん」この高声は福音経を始めから読む場合のみ(各福音の第一章を始める時のみ)その他の場合は輔祭(司祭)「叡智、謹みて立て、聖福音経を聴くべし、衆人に平安」。高声と常例の応答が行われたあと、司祭はマトフェイ伝の前半を読む。

福音の読みが終わっても、司祭はアナロイ前にとどまる。至聖所に戻らない。王門は開いたまま。「光栄は爾に帰し、光栄は爾に帰す」。誦経者「主は日日に崇め讚めらる。神は我等に重荷を負はすれども、また我等を救ひ給ふ。神は我等の為に救いの神なり。」聖三〜天主のあと、三歌斎経のコンダク8調「イアコフはイオシフを失ひて・・・」、「主憐れめよ40回」「何れの日、何れの時」「主憐れめよ(3回)」「光栄、今も、アミン」「ヘルビムより尊く」「福を降せ」、司祭「主イイイスス・ハリストス我等の神や吾が諸聖神父の祈祷に依りて我等を憐れめよ」エフレムの祝文(伏拝16回)アナロイの前で行う。誦経「主宰神父全能者、主、独生の子、イイイスス・ハリストス…」

<第六時課>

誦経「来たれ」常例の聖詠と第8カフィズマ。
司祭は時課のトロパリを唱える。 「アダムが地堂にて犯しし罪を…」 聖歌隊 トロパリを2調で歌い、全員伏拝する。 司祭 句「神よ、我が祈りをきき…」 聖歌隊 トロパリをくり返し、伏拝 司祭(句)「我神に呼ばん、主すなわち、我を救わん」 聖歌隊トロパリをくり返し伏拝 司祭「光栄は」、誦経「今も、アミン」「生神童貞女よ、我等夥しき…」 続いて預言のトロパリ6調 「世界の救世主よ、我等傷める霊を以って爾に伏拝して…」 「光栄、今も、アミン」預言のトロパリをくり返す。 司祭「叡智、謹みて聴くべし」  誦経者「ポロキメン、第4の調」「主はシオンの墟を返せり」(句)其の時我等の口は楽にて満ちたり。 司祭「叡智」誦経「イエゼキリの預言署の読み」 司祭「謹みて聴くべし」 誦経「第三十年の四月の五日…」 読み終わったら、司祭「叡智、謹みて聴くべし」 誦経「ポロキメン第4の調」「若し主家を造らずば、造る者徒らに労す」 (句)若し主、城を守らずば守る者とに敬醒す」 パレミヤを読む間に輔祭(輔祭なければ司祭)小炉儀、福音のあるアナロイのまわり、イコノスタスと会衆。ポロキメンに続いて、輔祭(司祭)「叡智 謹みて立て聖福音経を聴くべし。司祭「衆人に平安」。応答の後、司祭はマトフェイ伝、後半を読む。読み終わって「主や光栄は爾に帰し、光栄は爾に帰す。」 誦経「主よ、願わくは爾の慈憐は速やかに我等を迎えん…」 聖三(伏拝とともに)等、天主経を唱えたあとコンダク「イアコフはイオシフを亡ひて」、「主憐れめよ(40回)」「何の日何の時にも天にも地にも」「光栄、今も、アミン」「ヘルビムより尊く」「福を降せ」司祭「神よ、我等に恩を被らせ、我等に福を降し ……」、エフレムの祝文(16伏拝)誦「アミン 神、天軍の主万物の造成主 ……(聖大ワシリーの祝文)

<第九時課>

誦経者「来たれ」(3回) 聖詠の読み間に全堂炉儀(三時課と同じ方法で)カフィズマなし。
司祭トロパリを誦す。「第9時に我等の為に身にて死を…」 聖歌隊トロパリを8調でくり返し、伏拝 司祭第1句「主よ願わくは我が呼ぶ声は爾が顔の前に ……」 聖歌隊トロパリくり返し、伏拝 司祭第2句「願わくは我が祈りは爾が顔の前に…」 聖歌隊トロパリをくり返す。伏拝 司祭「光栄は」 誦「今も、アミン」  「我等の為に童貞女より生まれ、十字架に釘うたるるを…」 輔祭(司祭)「叡智謹みて立て。聖福音経を聴くべし」 司祭「衆人に平安」。応答のあと、マルコ伝の前半を読む。 読み終わったら、司祭は福音経を至聖所に戻し、宝座の上に置き、王門とカーテンを閉め、フェロンをぬぐ。聖歌隊「主や光栄は爾に帰し、光栄は爾に帰す」。誦経「爾の名に因りて我等を終わりまで …」聖三〜天主、九時課の残りを読み、「主の名に依って福を降せ」、司祭はソレヤに出て高声「神よ、我等に恩を被らせ、我等に福を降し、爾が顔を以て…」エフレムの祝文(3伏拝)。誦経「アミン、主宰 イイイスス・ハリストス吾が神よ…(聖大ワシリーの祝文)」 司祭と輔祭は祝文「主宰、イイイスス・ハリストス」の間に入堂式を行なって聖体礼儀に備える」「主や爾が聖なる住所の高きより」は読まない。

<ティピカ>

カーテンを開き、聖歌隊は伏拝付きの「真福詞」を歌う。真福詞の間に司祭は聖体礼儀のための祭服着装。祭服をつけるたびに十字を描き、接吻し、「主に祈らん」以外無言で着装する。 真福詞は8調(特別の斎調メロディで) 「主よ、爾の国に来たらん時、爾の国に於いて我等を憶ひ給へ」 神°の貧しき者は福なり、天国は彼等の有なればなり」 附唱は「主よ、爾の国に来らん時我等を憶ひ給へ」 附唱は真福詞の各句ごとに歌う。 「光栄」 「主よ爾の国に」 「今も アミン」 「主よ爾の国に」伏拝1回 「主宰よ爾の国に来らん時我等を憶ひ給へ」伏拝1回 「聖なる者よ爾の国に来らん時我等を憶ひ給へ」伏拝1回

誦経「天軍爾を歌ひて曰ふ、聖、聖、聖なる哉…」 句「目を挙げて彼を仰ぐ…」 「天軍爾を歌ひて曰ふ聖、聖、聖なる哉…」 「光栄」 「聖天使及び天使首の群は衆天軍と共に…」 「今も」 「我信ず」(信経) 「神よ、我が自由と自由ならざると、言と行と …… 「天主」 アミンのあと誦経(聖歌隊)は、三歌経とトロパリ「イアコフはイオシフを亡ひて」を歌う。「主憐れめよ」40回、「光栄、今も、アミン」「ヘルビムより」「主の名に依りて福を降せ」、司祭はソレヤに出て「神よ我等に恩を被らせ、我等に福を降し」エフレムの祝文、誦経者「聖三」「至聖」「天主」。アミンのあと「主憐れめよ」12回、「至聖なる三者、一性の権柄、分かれざる…」

輔祭「叡智」、聖歌隊「常に福にして」(聖歌隊は「真に当たれり」で止まる。)司祭「至聖なる生神女や我等を救ひ給へ」、聖歌隊「ヘルビムより尊く」司祭「ハリストス我等の恃よ、光栄は爾に帰す」聖歌隊「光栄は、今も、アミン、主憐れめ(3回)福を降せ」司祭発放「我等の救の為に自由の苦に往き給ふ…」聖歌隊「主憐れめよ」(3回)

<晩課と先備聖体礼儀>

王門は閉じる。カーテンは開けたまま。司祭と輔祭は宝座の前で「神よ、我罪人を浄め給へ」と唱え、宝座で叩拝3回。「天の王、至と高き、我が唇を開け」は、言わない。輔祭は無言のうちに司祭の祝福をうけ、おじぎして、北門からソレヤに出て叩拝3回。「神よ、我罪人を浄め給ヘ」司祭は宝座の前で叩拝3回「神よ、我罪人を浄め給へ」。司祭は福音経に接吻し輔祭の「君よ、祝讃せよ」を待つ。司祭は両手で福音経を持ち、高くかかげ、アンティミンスの上で聖号を描き祝福。「父と子と聖神の国は ……」福音経をアンティミンスの上に寝かせて置く。福音経に接吻し、北門から出て光耀祝文(リコニコン)第4 ,5,6,7祝文を王門の前で祈る。聖歌隊は司祭の祝福に「アミン」とこたえ、誦経者は「来たれ」103聖詠、アリルイヤ3回のあと、輔祭はソレヤで大連祷。司祭は光耀祝文黙唱のあと至聖所に戻る。輔祭なければ司祭がソレヤで大連祷を唱え、高声のあと至聖所に戻る。  カフィズマを誦する間に、司祭は宝座の前で伏拝、福音経をアンティミンス上から動かし、宝座の右の方、聖龕の側に移し、立てておく(下を下にして)。アンティミンスをひらき、奉献台に行き、ディスコスを宝座に運び、開いたアンティミンスの上に置く、畏れを持って聖龕からご聖体を出しディスコスの上に置く。伏拝。

第二のカフィズマを読む時、司祭は宝座の上の聖羔を炉儀、宝座のまわりを廻って、四隅を炉儀、三回回る。輔祭がいる場合炉儀が始まる前に宝座の前で伏拝、(輔祭いなくても司祭3伏拝)輔祭は左手にろうそくを持ち、司祭の反対側(宝座の向こう側)に立ち、司祭が宝座の隅を炉儀し、おじぎをする時(司祭と向き合って)宝座におじぎする、宝座のまわり3周。  第3カフィズマ(アンティフォンとも言われる)の間、司祭と至聖所にいる者は聖羔に3伏拝する、司祭は聖羔をのせたディスコスを頭の上に載せ、宝座を廻って(右に行く)奉献台に行く。輔祭は司祭の動く時、司祭に向き合って後ろ向きに歩く。この時聖品に炉儀、左手にろうそく。輔祭のいない場合は、堂役がろうそくと香炉を持つが、堂役は香炉を振ってはならない。やはり後ろ向きに歩く。聖羔をのせたディスコスを奉献台に置き、司祭はポティールにワインと水を注ぎ、星架に炉儀、ディスコスに乗せ、聖袱と太気に炉儀しディスコスとポティールの上にかぶせる。これの動作の時、司祭は静かに「主に祈らん、主憐れめよ」と言うのみ、(他のことは言わない)。奉献台の炉儀のあと、至聖所にいる者は奉献台の上の聖羔に伏拝。火をともしたロウソクを奉献台の前に置く。

 輔祭はソレヤに戻り連祷。司祭は宝座に戻りアンティミンスをたたみ、聖福音経をのせる。(輔祭のいない場合は司祭がソレヤでなく宝座で小連祷をとなえる。)

 高声「蓋爾は我等の神なり…」のあと、聖歌隊「主や爾に呼ぶ」1調。10スティヒラ「主は自由の苦に行く時…」「光栄は、今も、アミン」8調、「蛇は第二のエヴァとしてエジプトの婦を」。「主や爾に呼ぶ」とスティヒラの間に全堂炉儀。「光栄は、今も、アミン」で王門を開き、福音を持って小聖入。「叡智、謹みて立て」。聖歌隊「聖にして福たる」司祭(輔祭)は宝座に福音経を置いた後、宝座に接吻、それから宝座の向う側、高所にいき(通常の晩課、聖体礼儀の時と同じ)躬拝し、向きをかえて会衆の方へ向く。 輔祭(司祭)「謹みて聴くべし」、司祭「衆人に平安」、誦経「爾の神にも」、輔祭「叡智」、誦経「ポロキメン、第6の調」「主はシオンより爾に降福せん…」聖歌隊「主はシオンより …」誦経「(句)凡そ主を畏れて其の途を行く者は福なり」、聖歌隊「主はシオンより…」誦経「主はシオンより。」聖歌隊「爾在世の諸日イエルサレムの…」 輔祭「叡智」 誦経「エギペトを出づる記の読み」 輔祭「謹みて聴くべし」王門を閉じる、カーテンはあけたまま。誦経「イズライリの諸子、 …(出エジプト1:1〜20)」読み終わったら王門を開き、輔祭「謹みて聴くべし」誦経「ポロキメン、第6の調べ」「我等主の名を以て爾等を祝福す」聖歌隊くり返す。上記と同じ方法。(句)「我が幼き時より、彼等多く我を攻めたり。」ポロキメンのあと、堂内の全員がひざまずき、輔祭「命ぜよ」(輔祭なければ「命ぜよ」なし)。司祭はろうそくと香炉を両手で持ち(ロウソクはディスコス上の聖羔を奉献台の上に移動して安置した時宝座の前にともしたロウソク)ロウソクと香炉を高く掲げ、宝座に向かい「叡智、粛みて立てattend」と言って伏拝している会衆の方へ向きをかえ、「ハリストスの光は衆人を照らす」と続ける。「ハリストスの光は」を言う時、ロウソクと香炉で人々を祝福。

 司祭は宝座に向き直り、香炉とロウソクを堂役(輔祭)に手渡す。輔祭がいなければ司祭が「謹みて聴くべし」言って、王門を閉める。誦経者「イオフ書の読み」(叡智はここで言わない)。誦経者「アウシティディヤの地に名はイオフという者…(イオフ1:1〜12)」。 司祭は高所に立つ。

パレミヤが終わったら司祭「爾に平安」、王門開く。輔祭「叡智」、誦経者は王門の前、アンボンの上に立ち140聖詠の句「願わくは我が祈りは香炉の香の如く爾が顔の前に昇り…」を歌う。聖歌隊は、ひざまずきから立ち上がって「願わくは我が祈りは香炉の香の如く爾が顔の前に昇り…」を繰り返して歌う。王門が開いた時、全員がひざまずき、第4句と附唱を歌い終わるまでひざまずく。聖歌者が「願わくは」を歌うとき誦経者がひざまずき、次の句「主よ爾に呼ぶ、速やかに我に格り給へ…」で立ち上がって歌う。(誦経者が歌う時、聖歌者はひざまずく。会衆はずっとひざまずいたまま)聖歌者「願わくは」くり返す。誦経者「主よ、我が口に衛を置き」聖歌者「願わくは」誦経「我が心は邪なる言に傾きて…」聖歌者「願わくは」誦経「願わくは我が祈りは香炉の香の如く爾が顔の前に昇り」まで歌い、聖歌者「我が手を挙ぐるは暮の祭の如く納れられん」と結ぶ。聖エフレムの祝文(3伏拝)。 「願わくは」を歌う間、司祭は宝座の前に立ち、炉儀を続ける。(神への熱切な祈りを象る)。句「我が心邪なる言に傾きて…」と「願わくは」のリフレインを歌う間に奉献台に行き、3回炉儀。香炉を同役に渡して伏拝。宝座に戻って伏拝。(司祭が句を歌う場合はひざまずかない。)最後の句は「願わくは我が祈りは香炉の香りのごとく爾が顔の前に昇り」まで。あれば、句をトリオで歌うこともある。トリオの歌い手はアンボンの上ではなく下で歌う。このとき全員立ち上がり、歌い手は「我が手を挙ぐるは暮れの祭りの如く納れられん」と結ぶ。司祭はエフレムの祝文と伏拝。宝座の所で伏拝(ソレヤではない)。ここで晩課終わり。 司祭は輔祭に福音経を渡し、輔祭は王門を通ってソレヤに出て、宝座に向かって福音を読む。福音経はアナロイの上に置く。司祭は会衆の方を向いて「叡智、謹みて立て、聖福音経を聴くべし、衆人に平安」「爾の神にも」「マトフェイ伝による聖福音経の読み」(98端23:3-35)「彼の時イイスス エレオン山に ……我が言を廃せざらん」聖歌隊。「主や光栄は爾に帰し光栄は爾に帰す」輔祭がいない場合は宝座で福音を読む。または主教の指導があれば会衆の方を向いて読んでもよい。

福音の読みのあと王門とじる。司祭は福音経に接吻し、金口イオアンの聖体礼儀の時と同じく、聖龕の正面に立てておく(左右の端ではない)。輔祭がいれば輔祭は至聖所を出て重連祷を唱える。輔祭がいなければ司祭が宝座で唱える。王門は閉じたまま。高声「蓋、爾がハリストスの恩賜に依りてなり…」王門を開き、宝座の正面を炉儀3回、奉献台(3回)司祷者に炉儀。50聖詠を誦する。司祭一人の場合は司祭が宝座、奉献台を炉儀し、50聖詠を誦する。

聖歌隊「今、天軍、見えずして」歌う。 無言で大聖入を行なう。輔祭のいる場合は聖祭品に炉儀したあと、太気を輔祭の肩にかけ香炉をわたす。それを持って後ろ向きに歩き、司祭の持つ聖祭品に炉儀、司祭はディスコスを右手に持ち高く掲げ、できれば頭上にあげる。ポティールは左手で持つ。行進の間は、何も言わない。会衆は全員伏拝。司祭がディスコスを宝座にのせる時、司祭は小声で「信と愛とを以て近づくべし」と言う。聖歌隊は「ヘルビムに代えて」の後の部分「信と愛とを以て近づくべし。永遠の生命に与る者とならん為なり、アリルイヤ、アリルイヤ、アリルイヤ」歌う。ディスコスとポティールは、宝座の定位置に置く。先ず、ポティールを置き、ディスコスは両手で頭上から注意深く下ろし、宝座に置く。炉儀した太気でポティールとディスコスを覆い、金口イオアンの時と常例のとおり聖品に炉儀、ただし祝文なし。聖歌隊が「信と愛とを」を歌い終わると司祭は、聞こえるようにエフレムの祝文を唱える。伏拝3回、王門を閉じ、カーテンを半分閉じる。以下は通常のとおり先備聖体礼儀を行う。

<晩堂大課>

 常例の始まり。大斎初週に示されたのと同じ式順。通例の伏拝、叩拝、トロパリが指示どおり。大詠頌のあと三歌経(8調)、クリトのアンドレイの作、第2、第8、第9歌頌。イルモスは2回ずつ歌う。くり返しはカタワシヤ、第9歌頌のカタワシヤのあと、伏拝1回、聖三〜天主。三歌斎経のコンダク2調 「我が不当なる霊よ、臨終の時を思ひ」 コンダクに続いて「万軍の主我等と偕にせよ…」、以下を行う。発放の時に、赦しを乞う前に、次の祝文「主宰大仁慈の主、イイイスス・ハリストス我等の神よ」

※注意

・堂祭が聖大月、火、水、木曜日に重なる場合は堂祭を聖枝主日に移す。聖大、金、土、復活祭に重なった場合は、復活祭の月曜日に移す。 ・聖受難週は、我等の主、神、救主イイイスス・ハリストスの苦しみを記憶する最も聖なる日々である。従って教会では、この期間どこの堂でも、聖堂のどこにおいてもパラスタス、パニヒダ、モレーベンをおこなわない。
・スクフィヤ、カミラフカをかぶる者は先備聖体礼儀では以下の指示に従う。
a)スクフィヤ、カミラフカは入堂の前、イコン接吻の前にとる。(ミトラはこのときはかぶらない。ミトラをかぶる長司祭はカミラフカをかぶる)
(b)完装してから、スクフィヤ、カミラフカ、ミトラをかぶる。
(c)聖羔を宝座から奉献台に移す前にとる。
(d)宝座に戻ったあとスクフィヤ、カミラフカ、ミトラをかぶり、「願わくは我が祈り」までかぶり、その時とる。
(e)昇壇外の祝文のあとかぶる。

※先備聖体礼儀が行なわれない場合は、以下の式順 「主や爾に呼ぶ」6スティヒラを歌う。 第1のスティヒラ1調「主は自由の苦に往く途中」2回、第2のスティヒラ5調「信者よ、我等ハリストス神の」2回、次のスティヒラ5調「主よ、ゼベディの子の母は、爾が定制の言ひ難き奥義に堪へずして」2回、光栄、今も、アミン、5調「今爾苦に往く時」。 聖入は福音経を持って。「聖にして福たる」を歌う。ポロキメン、パリミヤ、福音経を読む。「主よ、我を守り罪なくして」を誦する。連祷「我等の主の前に吾が晩の祈りを…」 挿句には早課のスティヒラの中から、第5調、「主よ、爾は門徒に最完全なる事を」。句、「天に居る者よ、我目を挙げて」。第一のスティヒラを繰り返す。句、「主よ、我等を憐み」。第8調、「兄弟よ、果を結ばざるに因りて」。光栄、今も、8調「蛇は第二のエワとして」。次に「主宰よ、今爾の言に循ひて」。その他常例のとおり。最後の聖三〜天主の後に、主憐めよ、12回。祝文、「至聖なる三者、一性の憲兵」。「顧はくは主の名は崇め讚められて」。発放詞。


2.聖大火曜日

だいたい聖大月曜日と同じ。変更箇所は以下のとおり。

<早課>
カフィズマは第9(64-69聖詠)、第10(70-76聖詠)、第11(77-84聖詠)。
福音経の読みは第90端と96端(マトフェイ22:15-23:39)。三歌斎経の火曜日の2歌頌。

<時課>
三時課の終わりでマルコ伝を終わる(前半は月曜日に読まれた)。六時課と九時課でルカ伝の三分の二を読む。
六時課の預言のトロパリ6調「救世主よ、我等数え難く罪を犯しし者を」。ポロキメン6調「憐みは主にあり、大なる贖いも彼にあり」句「主よ、我深き處より爾に呼ぶ。主よ、我が声を聴き給へ」。パレミヤはイエゼキリ書1:21-28と2:1。パレミヤのあとのポロキメンは4調「願はくはイズライリは主を恃みて今より世世に迄らん」句「主よ、我が心驕らず、我が目高ぶらざりき」

<晩課と先備聖体礼儀>

「主や爾に呼ぶ」のあと10スティヒラ。
句「我が霊を獄より引き出して」から、
スティヒラ1調「我不当の者、如何にして爾が聖者の光る所に入らん」、
句「爾恩を我に賜はん時、義人は我を環らん」
上記スティヒラ繰り返し。
句「主よ、我深き處より爾に呼ぶ。主よ、我が聲を聴き給へ」
スティヒラ2調「新郎ハリストスよ、我霊の怠惰を以て眠りて」
句「願はくは爾の耳は我が祷の声を聴き納れん」
上記スティヒラ繰り返し。
句「主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん。然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬まん為なり」
スティヒラ4調「ああ霊よ、爾宝を藏したる者の定罪を聞きて」
句「主を望み、我が霊主を望み、彼の言を恃む」
上記スティヒラ繰り返し。
句「我が霊主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し」
スティヒラ6調「信者よ、來たりて熱心にして主宰に事へん」
句「願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを其の悉くの不法より贖はん」
上記スティヒラ繰り返し。
句「萬民よ、主を讃め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讃めよ」
スティヒラ「イイススよ、爾光栄を以て天使の軍と偕に来りて」
句「蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の真実は永く存す」
スティヒラ。「美しきこと衆人に超えたる新郎、我等を爾の宮の
「光栄は、今も、アミン」

我が霊よ、視よ、主宰は爾に賚を託す 福音経を持った聖入、「聖にして福たる」、ポロキメン6調「主よ、爾及び爾が能力の匱は爾が安息の所に立てよ」句「主よ、ダワィドと其悉くの憂とを記憶せよ」
パレミヤは出エジプト2:5-10、第二のポロキメン4調「兄弟睦しく居るは善なる哉、美なる哉」句「是れ宝なる膏が首にありて、髯即ちアアロンの髯に流るるが如し」。第2のパレミヤはイオフ1:13-22。福音経はマトフェイ伝102端(24:36-26:2)
<晩堂大課>
「万軍の主」の前のコンダク「至善者よ、我淫婦よりも多く不法を為して、未だ涙の雨を爾に献ぜざりき、惟黙祷して爾に俯伏し、愛を以て爾の潔き足に接吻して、爾が主宰として我に債めの免しを賜はんことを求む。救世主よ、爾によぶ、我が不潔の行より我を救ひ給へ。」(聖大水曜日と同じ)

3.聖大水曜日

<早課>
カフィズマは第14(101-104聖詠)、第15(105-108聖詠)、第16(109-117聖詠)。
福音経の読みは第41端と43端(イオアン12:17-50)。

<時課>
三時課のカフィズマは19(134-142)。三時課でルカ伝を終わる。ルカ伝のカフィズマは20(143-150)。九時課にはカフィズマなし。六時課の預言のトロパリ8調「今日兇惡の会は集まりて、爾に対して徒らに謀る。」。ポロキメン4調、「天地を造りし主はシオンより爾に降bケん」句「主の諸僕よ、今主を崇め讃めよ」パレミヤはイエゼキリ書2:3-10と3:1-3。パレミヤのあとのポロキメンは6調「主を畏るる者よ、主を崇め讃めよ」句「主の名を讃め揚げよ、主の諸僕よ、讃め揚げよ」福音経は六時課と九時課で半分に分けて読む。イオアン伝13:31「今人の子は栄せられたり、神も亦彼の中に栄せられたり」まで。

<ティピカ>
三歌斎経のコンダク「至善者よ、我淫婦より多く不法を為して」に続いて、主宰の祭日や聖人に捧げられた聖堂では、「光栄は」「ハリストスよ、爾が諸僕の霊を諸聖人と偕に」「今も、アミン」聖堂のコンダク。
発放では司祭が祝文を読む時、全員伏拝。「主宰大仁慈なる主イイイスス・ハリストス」(祝文の間顔を地につけて祈る)

<晩課と先備聖体礼儀>
「主や爾に呼ぶ」のあと10スティヒラ。
句「我が霊を獄より引き出して」から、
スティヒラ1調「淫婦は爾童貞女の子を神と認め、涙に當る事を行ひしに因りて、」、
句「爾恩を我に賜はん時、義人は我を環らん」
スティヒラ1調「淫婦は至貴き香膏を涙に參へ、爾の至浄なる足に沃ぎて」
句「主よ、我深き處より爾に呼ぶ。主よ、我が聲を聴き給へ」
スティヒラ1調「罪女が香膏を獻げし時、門徒は不法者と共に謀れり、」
句「願はくは爾の耳は我が祷の声を聴き納れん」
スティヒラ1調「鳴呼イウダの罪惡や、淫婦が足に接吻するを見て」
句「主よ、若し爾不法を糾さば、主よ、孰か能く立たん。然れども爾に赦あり、人の爾の前に敬まん為なり」
スティヒラ2調「罪女は香膏の為に趨れり、貴き香料を買ひて、」
句「主を望み、我が霊主を望み、彼の言を恃む」
スティヒラ6調「罪に溺れたる婦は救の湊として爾を獲て」
句「我が霊主を待つこと、番人の旦を待ち、番人の旦を待つより甚し」
スティヒラ6調「信者よ、來たりて熱心にして主宰に事へん」
句「願はくはイズライリは主を恃まん、蓋憐は主にあり、大なる贖も彼にあり、彼はイズライリを其の悉くの不法より贖はん」
スティヒラ6調「今日ハリストスがファリセイの家に來れるに」
句「萬民よ、主を讃め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讃めよ」
スティヒラ6調「淫婦は爾主宰に髪を伸べ、イウダは不法の者に手を伸べたり」
句「蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の真実は永く存す」
スティヒラ。「救世主よ、汚れたる婦は就きて、爾の足に涙を注ぎ」
「光栄は、今も、アミン」
「主よ、多くの罪に陷りし婦は爾の神性に感ぜられて、攜香女の職を執り」 福音経を持った聖入、「聖にして福たる」、ポロキメン4調「天の神を讃栄せよ、蓋彼は仁慈にして、其憐は世世にあればなり」句、「諸神の神を讃栄せよ、其憐は世世にあればなり。」
パレミヤは出エジプト2:11-22。第二のポロキメンは4調、「主よ、爾の憐は世世にあり、爾の手の造りし者を棄つる毋れ」句「我心を盡して爾を讃栄し、諸天使の前に於て爾に歌ふ」。パレミヤはイオフ2:1-10。福音経はマトフェイ伝108端(26:6-16)「願わくは主の名を崇め讃め」のあと聖エフレムの祝文と伏拝。ここで、エフレムの祝文と伏拝の終わり。

<聖傅機密 Holy Unction>
 もし、会衆の参加があれば、聖大水曜日の夕方に聖傅(油)の機密を行う習慣がある。聖傅機密は教会の機密なので、正教会のメンバーだけが機密に与ることができる。聖傅、と次の日のご聖体にあずかるために信徒は痛悔機密を受け、準備する。もしも聖大木曜日に領聖することが難しい場合は、相談の上牧者の判断に委ねる。
聖傅の祈祷は教会の中央で行う。小さなテーブルを用意し、新しい純粋なオリーブオイルを器に入れ、別の器に赤ワインを入れる。油をつけるための棒(小枝)いくつか、ろうそく、容器も用意する。テーブルの横にアナロイを用意し、福音経と手持ち十字架をおく。

 司祭はリヤサ、エピタラヒリ、エピマニキヤ、フェロンをつける。王門を機密のために開く。50聖詠を読む間に司祭は全堂炉儀。ロウソクまたは小ロウソクが参祷者全員に配られ、信徒は祈祷が終わるまで持つ。祈りは全部このテーブルで行われる。「福音の祈り」が会衆の前で読まれる。福音経が開かれ、字が書いてある方を下にして、希望する者が近づいて頭を下げた上にかざす(載せる?)。このときひざまずくとよい。参祷者全員がひざまずく。司祭が数人で祈祷する場合は、全員で開いた福音経を持ち、司祷者が読み、残りの司祭は祝文を黙って読む。
 司祭は聖油とワインをまぜ、司祭の数だけ、スプーンで小さな入れ物に移す。信者は油をつけてもらうために近づき、福音書と十字架に接吻し、司祭が額と手のひらに十字型に油をつける「The blessing of our Lord God and Savior Jesus Christ: For the healing of the soul and body of the servant of God(主神救世主イイイスス・ハリストスの恵み、神の僕(某)の霊と体をいやすため)今も何時も世々にアミン」司祭が複数ある時は、各人が油をつける。一人は額に、一人は手のひらに、一人は目に、一人は胸にといった具合。

 湯とペーパータオルを用意し、信者が教会を出るとき、聖油を染みこませられるようにする。残った油は住まいの壁に塗ったり、病気の時のために取っておく。または至聖所のランプに入れ、死者の埋葬の時体に塗るために用いる。