2、神の家、聖堂について

 日曜日の朝、人々はいろんなところから聖体礼儀のために集まります。それは、彼等がみなある特別なことに招かれているからです。もちろん、私達も招かれています。神が私達を教会の集まりに招いて下さったのは、私達がそこで起るすばらしいことに加わるためです。私達正教徒は神の家族であり、私達が神に祈るために一緒に集まるとき、その集まり自体が神の教会と呼ばれます。

 この神の教会は建物以上のものです。それは神を信じ神に祈る私達全てを指してそう呼ぶのです。私達は神を賛美するために神の家、或は聖堂と呼ばれる特別な場所に集まります。聖堂は他のいかなる建物とも違ったものですし、それは外部から見ても分かります。

 聖堂の外型は色々あり、それぞれ意味を持っています。十字架の型をしたものがありますが、これはイイススの十字架による救いを表しています。円い型をしたものがあります。これは教会が永遠であることを教えています。

 船の型をしたものもありますが、これはちょうど船が海の上で人々を安全に保つように、教会は私達の生活を安全に守ることを指したものです。その他、特別な事情があって正教会の信者達が集まるための聖堂がないときには、普通の家や病院や、或は森の中で聖体礼儀を行うときもあります。

 さて、聖堂の内部に目を移しましょう。そこは、私達が神に祈ることを助けるように造られています。入口から最初の部屋は啓蒙所と呼ばれています。ここで私達はローソクを買って聖像の前に灯します。聖堂の二番目の部屋は、聖所と呼ばれています。聖所は聖堂の中心であり、ここで私達は聖体礼儀のあいだ座ったり、立ったりして祈ります。この聖所に中に立つとき私達のまわりには聖像がいくつもみられます。聖像はイイスス・ハリストス、彼の母生神女マリア、そして聖人たちが画かれています。聖人は今天国で神と一緒に住んでおられる神の教えを守った立派な人達です。聖人は教会の一部である私達と共に神を賛美します。そのために、聖堂の壁には多くの聖像が掲げられているのです。聖像が掲げてある正面の壁はイコノスタス(聖障)と呼ばれ、聖所と至聖所と呼ばれる聖堂の一番奥の部屋とを分けています。正面の扉のすぐ右側には、常にイイスス・ハリストスの聖像が掲げてあります。イイススを中心に掲げてあるのは、彼が神であり、また一人の人間としてこの世に住まわれたからです。

 扉のすぐ左側には、生神女マリアの聖像が掲げられています。マリアはイイススの母であり、かつてこの世を生きた人の中で最も聖なるお方です。至聖所に通ずる両側の扉(南問、北門)には神の使い、又は補助者の聖像があります。それは天使の場合もあり輔祭(司祭の補助者)の場合もあります。又授洗イオアンやその聖堂の名づけられた聖人の聖像の場合もみられます。