12、福音書と使徒達の書物 ――使徒パウェルのこと

 聖体礼儀の中の私達の旅行は次第に進んでいきます。私達は聖堂に一緒に集まることから開始しました。司祭は私達が何処に行こうとするかを宣言しました。それは神の国でした。
 そして私達は全世界が必要としているもののために祈り、賛揚の歌をうたい、福音書が行進の中に運ばれるのをみました。そして今度は福音書が読まれるのに聞き入るのです。
 私達がイイススの教えを理解するようになるのは、聖書が読まれるのを聞き、司祭がそれについて説くのを聞くことによって可能となるのです。聖体礼儀のこの部分は次のことを聞くことでできています。

 (1)使徒達の書物(書札)
 (2)福音書に記された、イイススのなさったこと、話されたこと
 (3)司祭の説教――これは読まれた福音について説明し、その教えを私達の生活の中に取り入れるためにどうすれば良いかの理解を助ける。

「使徒の書物」

 聖書の中にある使徒達の書かれた書物は書札(しょさつ)、又は書簡と呼ばれています。使徒達はイイスス・ハリストスについて全世界に教え歩きました。使徒達は一つの教会に長く留まることはできませんでしたので、時々書簡を書き、それによって信徒達を教え導きました。
 教会は一年のある時期、この書簡の代わりに聖使徒行実を読みます。聖使徒行実はイイススが天に昇られた後、使徒達がどのようなことをしたかを書き記したものです。
 もっとも有名な書簡の著者は使徒パウェルです。使徒達が最初イイススについて教え始めた時、彼はイエルサリムのユダヤ人の指導者達から迫害を受けました。この指導者のひとりがサウルという人でした。彼は他の誰よりもキリスト教徒を嫌い、信徒達に多くの悪いことをしました。
 彼は多くのハリスティアニンを獄に送って殺させました。

 彼が信者達に尚一層の迫害を加えようとしてダマスクに向かう途上、彼は天に光を見、或る声を聞きました。
 「サウル、サウル、お前は何故私を迫害するのか」
サウルは地に伏して尋ねました。
 「主よ、あなたはどなたですか」
その声は答えました。
 「私はお前が迫害しているイイススです」
サウルはたずねました。
 「主よ、あなたは私に何をさせたいのですか」

 主は彼に起きてダマスクに行くように言いました。しかし彼が起き上がった時、何も見ることができませんでした。彼は三日間、盲目になり、食べることも飲むこともしませんでした。
 主は弟子の一人でアナニアと云う人を、ダマスクのサウルが宿っている家に遣わしました。アナニアがその家につき、サウルにさわると彼は元どおり見えるようになりました。この後、彼は教会の最も偉大な指導者の1人となりイイスス・ハリストスについて多くの人々に教えました。彼は世界の各地に新しい教会を建てました。今日、私達が日曜に読む書札の多くは、パウェルが自分の建てた教会に対して書き送ったものです。
 パウェルは非常にすぐれた信仰の持主で、彼の書いたものは、私達がイイススが望まれたように生きる
ために非常に役立ちます。